サイボーグ昆虫、フェロモンを追う (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296281

作品紹介・あらすじ

数キロ離れた所から漂うフェロモンの匂いを頼りにメスを見つけ出すオスのカイコガ。米粒ほどの小さな脳をもちながら、優れたセンサと巧みな行動戦略で、工学者に解けなかった難題をこなす。そんな昆虫脳のはたらきが、ひとつひとつのニューロンをコンピュータ上に再現することで明らかになってきた。

感想・レビュー・書評

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  • 大変わかりやすく、科学に興味を持った高校生あたりが読むとちょうどいいレベル。用語の説明も丁寧。一方、ベテラン教員や少し専門をかじったことのある人には内容が薄い。この本を索引代わりに他の本や論文にあたるといいかも。

  • すげぇ面白い本。カイコで匂いに反応して動くロボットを作ってるんだって〜。

  • 面白かった。昆虫が好きな人には是非読んで欲しい。

  • 昆虫はいろいろ徹底していてすごい生き物ですね。あんな小さな体の中にこんな精密な仕組みが隠されているとは。こういう類の本を読む度、いつも驚かされます。
    この本では、主としてカイコガのオスがメスのフェロモンを追いかける仕組みを研究する様子が書かれています。しかしカイコガってすごい生き物ですね。。。
    何たって頭と腹を切り離し、胸部だけにしても一週間ほど生き続けるとか、フェロモンのアンテナである触覚だけ切り離し、匂いセンサーとして使用してロボットを動かすとか(これがこの本のタイトルの由来)、もう想像を絶しています。
    そもそもカイコガからして、養蚕専用の生物で、完全に家畜化されていて人の世話が無ければ自分だけでは生きていくことができず、成虫なんか、羽化したあとはものを食べることもできず、交尾したあと10日ほどで死んでしまうとか、信じがたい生物です。(^_^;)

  • ここでいうサイボーグ昆虫とはカイコガをつかった実験により、昆虫の脳、神経によってロボットを制御するという試みが書かれている。メスのおしりから出ているフェロモンをオスがセンサーにより察知し、そこにたどり着こうとする性質を利用している。100ページほどの本。

  • 2017年夏に、この本の著者の神崎先生による子供向けのワークショップに息子を参加させた。
    ちょうどその春学校でカイコを飼育したところだったので、カイコを題材とした4時間も予定されたイベントの内容に期待しすぎないように自分を戒めながら参加したら、期待以上の内容だったので、感銘。その場で一緒に紹介された、「昆虫ロボットのゆめ」は既にみてみたけれど、こちらの本も一応読んでみたいかな。

  • ゴキブリは60cm/秒の空気の流れを感じることができる。しかも、感じてから動き出すのにかかる時間は0.02秒。人間の1/10。
    すごいと思う。

    カイコガのフェロモンを受容する敏感さは、以前、講演会で聞いたことがある。
    昆虫たちのすぐれた能力を知ることの出来る楽しい本。

  • 12月新着

  • 昆虫の脳/神経は人間などよりもシンプルな構造なのだが、本質的には似ている研究対象となる。
    そのシンプルな脳神経から単純な行動の組み合わせにより、昆虫は行動していると考えられて来たが、外部からの刺激によって行動を調整していることも分って来た。この本では実験の道具が紹介されており、
    首を切り離したカイコガを神経に反応するモーターと車輪に取り付けたサイボーグカイコガを作って、実際の羽、足があった際の反応とずれたアウトプットをモーターに送るとそれに合わせて信号を調整し、餌やフェロモンに適切な方向で向かうことが出来る。

  • カイコガ(絹の蛾)を使い、脳をシュミレーションする。フェロモンを嗅ぎ付けてたどり着く過程を、1.カイコガが操操縦するロボット、2.カイコガの脳の指令を受け取るサイボーグ、3.カイコガの脳の動きをコンピュータでシュミレーションして動くロボットと進化させながら、脳の働きを研究している。人間の脳の動きをシュミレーションするのはまだまだ、先になるようだが、その先鞭をつけるという意味では意義ある研究だと思う。

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著者プロフィール

神崎亮平(東京大学教授)
1957年和歌山県生まれ.専門は神経行動学.カイコガのフェロモン源探索行動の研究や,昆虫制御型ロボット(サイボーグ昆虫),スーパーコンピュータによる大規模脳シミュレーションなどで知られる。
主な著書:『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』(岩波書店,2014),『ロボットで探る昆虫の脳と匂いの世界―ファーブル昆虫記のなぞに挑む 』(フレグランスジャーナル社,2009),『昆虫ロボットの夢』 (農山漁村文化協会,1998)

「2018年 『昆虫の脳をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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