- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000296403
作品紹介・あらすじ
海の宝石と称され、その華麗な色や形態からダイバーたちに大人気の海洋生物ウミウシ。しかし美しい姿とは裏腹にヒトが想像もつかないような驚くべき繁殖戦略をおこなっている!ウミウシをはじめ、奇想天外なあの手この手を駆使してたくましく生きる海の生き物たちのふしぎと海洋動物を対象とする行動生物学者たちの生態に迫るエッセイ。
感想・レビュー・書評
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ナマコとかナメクジとか、ボテッとした無脊椎生物が苦手だ。カタツムリもギリ無理だ。
そんな私が何故この本を手に取ってしまったのか全く謎なのだが、読み始めると著者の軽妙な語り口とウミウシの不思議な生態に引き込まれてしまった。
ちなみに、タイトルからウミウシのことばかりかと思いきや、ラッコやペンギンやサンゴなど、なぜか半分以上は他の海の生物の話。臨海実習の話や海外の博物館や水族館についての考察も興味深い。
そして驚くことに、こういう本に必ずあるともいえる、あるものがない。そう、生き物の写真が1枚もないのだ。すべて(著者のご家族の方が描かれたという)精密なイラストである。これはきっと、リアルなウミウシを見たら引いてしまうヘタレ読者への素敵な心づかいに違いない。安心してページを開いてみてほしい。
図書館スタッフ(学園前):ノビコ
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帝塚山大学図書館OPAC
https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/819161詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルからすると、もっとウミウシの話しがいっぱいかと思いましたが、ウミウシの話しはそんなに無かったですね。
そしてその他は、生物学者の色々な活動の様子が語られます。まぁ、これはこれで面白い。
でももうちょっとウミウシの話がいろいろ読みたかったです。 -
数千を超える多数の種類、様々な形と華麗で奇抜な彩色で知られる雌雄同体生物ウミウシ。しかし彼(彼女)らは人間が想像もつかないような繁殖戦略に命を燃やしていた──!? ウミウシを中心としてたくましく生きる海の生物たち、行動生物学者たちの生態に迫り、さらには博物館のあり方にも迫るエッセイ。
これもちょっと理由あってウミウシについて知りたいと思って図書館で借りた本。全部がウミウシのことについてではなくラッコとかペンギンとかシーラカンスとかサンゴとか臨界実習とか水族館・博物館とか話題がいろいろと広くて、海や海の生物についても知識を深めたかったので結局全部読んでしまいましたね。全然知らない世界だったので面白かったです。行動生物学ということで筆者の方もダイビングしたり、シーラカンス研究者の方の冒険心や野心がすごいなと感じました。こういう学者さん尊敬出来る。 -
つまらなかった。
各節の文末に日付がついているのでイヤな予感はしたが、どこかの連載をまとめたものらしい。
話は数ページでぶちぶち切れるし、まとまりはない。だいたいウミウシの話は全体の半分くらいだ。
へー、と思うこともなくはなかったが、所詮は数ページのへー、なので、ネットで拾い読みしたへーと質的にはあまり変わらない。 -
2015年9月新着
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岩波科学ライブラリーは、かなり「当たり」が多いので、期待して読んだ。
始まりは雌雄同体のウミウシ、次は近種のヒラムシの生殖について書かれていて、期待通りの面白さだったのだが、読み進めていくと、話題は拡散し、科学者の専門知識を素人に分かりやすく解説するという私の求めている内容ではないことがわかる。色々な話題の科学エッセイだとはじめから知っていれば、ガッカリしなかったのだが、『フジツボ』や『シロアリ』『ハトはなぜ首を振って歩くのか』などの傑作を出した岩波科学ライブラリーだから、まさかこんな雑多な内容だとは思わなかった。
内容が充実しているならいいが、これくらいの科学エッセイに1300円はない。文庫で700円くらいが適当。
悪い本じゃないけれど、これで岩波科学ライブラリーへの信頼感が下がったのも確か。
裏表紙にはちゃんと「エッセイ」とあるから、読みおとした私が悪いのかもしれないが、表紙の(普通の本なら帯にあたる部分に)「媚薬、贈り物、共食い…そこまでやるのか、ウミウシ」は煽りすぎ! -
同シリーズのほかのもののようにウミウシについて暑(苦し)くマニアックなことを書いているのかと思ったら,ウミウシをはじめいろいろな動物やら博物学やらのエッセイ集だった。中身自体は面白かったけど,タイトルがミスリーディングで肩すかしを食らった気分は否めない……。
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請求記号 484.6/N 42