音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで (岩波科学ライブラリー)

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著者 : 川原繁人
  • 岩波書店 (2015年11月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296441

音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで (岩波科学ライブラリー)の感想・レビュー・書評

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  • 【版元の紹介から抜粋】
     英語で、強さを意味する言葉にstrengthという語があります。見ればわかるように、母音は[e]の1文字です。なのに、わたしたちは、「すとれんぐす(sutorengusu)」というように、母音を5つも入れて発音しがちです。おそらく、この発話を聞いた英語話者の人は大笑いするでしょう。
     世の中には、もっと特殊な言語があり、モロッコで使われているベルベル語には、子音だけで作られた単語があるそうです。たとえば「あなたはそれを乾かして食べた」というのを[tsskʃftstttʃʃtstt]と言うそうでが、これを見て、どう発音すると思いますか。この本のなかにヒントがあります。
     考えてみれば、日本人が苦手とされる有名な[r]と[l]の発音の区別ですが、もともと音が違うから、それに充てる文字も異なったというわけです。私たち日本人もどちらも「ん」と発音しているようにみえて、それをローマ字表記するとき、[n]を使ったり[m]を使ったりして使い分けることがあります。
     ところで、そうした微妙な音の違いや、あるいは初めて出会った言語の発音を世界中のだれもが共通認識できるように表記する方法はあるのでしょうか。あるのです。それはまさに、本書が紹介するテーマの1つです。
     この本では、読者自身が本の内容を深く理解できるように、実際の発話ビデオや音声データをホームページから視聴できるようにしてあります。
     本書を教材として使いたい方には、授業などで簡単に利用できる練習問題が、以下のサイトに用意されています。ご覧ください。
    http://user.keio.ac.jp/~kawahara/iwanami.html

    川原繁人(かわはら しげと)
    2002年国際基督教大学学士(教養),2007年University of Massachusetts, Amherst博士(言語学).ジョージア大学,ラトガーズ大学助教授を経て,現職の慶應義塾大学言語文化研究所准教授.専門は音声学・実験音韻論および一般言語学.最近の研究テーマは音声実験による音韻理論への貢献,音声学を通しての社会貢献,幼児の言語習得など.国際専門雑誌に論文を多数掲載.
    https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0296440/top.html

    【目次】
    プロローグ──日本人は英語が苦手?

    第1章 「マル」と「ミル」はどちらが大きい?──音象徴
    [a]は大きくて[i]は小さい?/「ゴジラ」が「コシラ」だったら?/「濁音=大きい」──口の中が広がるから/ケーラーの不思議な図──「タケテ」と「マルマ」/名前で見た目の魅力も変わってしまう?──名づけの音声学/「タ行」は男の子の音,「な行」は女の子の音?/「タ行」は「ツンな」名前,「な行」は「萌な」名前?/本当にツンツンしている「タ行」の音/《まとめ》

    第2章 「あかさたな」とサンスクリット研究──音声学のはじまり
    音声学の始まり──五十音図の起源は紀元前4 世紀!/調音点と調音法/「ひよこがぴよこ」で「母がパパ」?/五十音図に隠された規則性/日本語のラッパーは音声学者?──日本語ラップの韻の分析/「あいうえお」にも意味がある/顔文字の発明者は音声学者?/《まとめ》

    第3章 世界中のことばを記録する方法──記述音声学
    世界のすべての音を記録する国際音声記号/『マイ・フェア・レディ』と音声学の意外なつながり/アフリカの奥地からアマゾンの奥地まで/舌打ちで話すことば,子音だけで話すことば/日本の方言学/言語聴覚士にも必須の音声記号/《まとめ》

    第4章 音を目で見る──調音音声学
    MRI で[r]と[l]の違いを目で見てみよう/あなたは「巻く」派? 「 巻かない」派?/“鼻にかかった音” はどんな音?/MRI で日本語の母音をチェック!/舌の動きはエコー検査で!/EMA と顎と顔文字と/声帯の動きを首の外側から観察──EGG のテクニック/調音点・調音法をもっと正確に!──EPG/《まとめ》

    第5章 声紋分析官への道──音響音声学
    実は大事な三角関数/フーリエ解析──すべての音は1 つの音でできている/「あいうえお」の声紋とは?/声紋から探る[r]と[l]の違い/どうして電話の相手の声を間違える?──振り込め詐欺に注意!/秋葉原のメイド声ってどんな声?/アメリカ人だって,外国語習得は苦手/音響分析なら何でもお任せ──Praat/「高いのは小さく,低いのは大きい」?──音響的音象徴/「はい,チーズ!」の「チーズ」はどこから?/《まとめ》

    第6章 ないはずの音が聞こえる日本人──知覚音声学
    [r]と[l]──深層では何か違いを感じている日本人/カテゴリー知覚/[ebuzo]と[ebzo]が同じに聞こえる日本人/脳が音をでっちあげる?/日本人だけじゃない──[tl]と[kl]が同じに聞こえるアメリカ人/赤ちゃんは言語習得の天才/赤ちゃんはテレビで音は学ばない/完璧な外国語習得は無理?/《まとめ》

    第7章 社会との接点を目指して──福祉音声学
    消滅危機言語を救え!/現代社会に根付いている音声工学の技術/より効率的な外国語学習方法を目指して/失われる声を救う──マイボイス

    エピローグ──さらなる視界へ

    参考文献の紹介

  • 音声学というのは非常に面白いですね。

    普段使っている音声としての言葉について全然知らなかった事に驚きます。

    IPA(国際音声記号)というのも非常に興味深い。

    IPAを使うことでどんな言語でも表記が可能で、それを見れば発音が出来るというのはびっくりしました。

    大変、勉強になりました。

  • 図書館本。

    面白かった。
    音象徴について詳しく知りたいやーつ。
    あと世界各国の言語のしくみ(主に音的なやつ)も気になる。

    阻害音、共鳴音の違いからのイメージも面白い。

  • 「音声学」の入門書。
    音象徴・・・「ゴジラ」は強そうだが、「コシラ」だと弱そう。男と女の名前の音声学から見た特徴・・・役に立たないけど面白いな、と思いつつ読み進めるが、ふとこれ役に立つんじゃないかと思った。子供やペットや新製品に名前をつけるとき、強そう、優しそう、すばしこそう・・・というイメージを音象徴を使って表現できる。なんとなく、ではなくて、理詰めでイケる。面白いな。

    不思議なことを研究している人がいるものだな、と思ったけれど、不思議だから研究しているんだな。知りたい気持ちはみんないっしょ。

  • 音声学の、特に調音と知覚について、日常にある疑問を解説してくれる本。豊富な図やグラフ、サイト上の音声や動画により具体的にイメージしやすいように工夫されている。

    ことばは脳で聴いている、という事が改めてイメージできた。母語に無い音も、ブレンドされた中間の音も、“いつも”のことばに違いないと脳が判断するから、聞き取りにくくても聞けるすばらしさがあるんだろう。

  • 学問ぽいのに楽しく読めた、もっと書いて欲しい

  • 声に出して読みたい科学啓蒙書。音声学。

    マイボイスの試み。
    将来自分の声が失われると分かっている難病(特にALS)の患者さんの声をあらかじめ録音し、声が失われた後もパソコンを通して再生することを可能にするソフト。

    赤ちゃんはテレビを視聴するだけでは音を学ぶことが出来ない。実際に話しかける、人と接しながらでないと音(言語)を学べないという。コミュニケーションの現場で発せられる音のみを重要な情報として捉えている、と。

  • 2016年1月新着

  • うーん,出だしの第1章(「マル」と「ミル」はどちらが大きい)と第2章(「あかさたな」とサンスクリット研究)は面白かったんだけど....だんだん尻すぼみになって,ちょっと期待したのとは違う感じ.
    高校生に「こんな学問分野もあるんだよ」と紹介するのにはいいかも.
    ちなみに,第1章は簡単に言うと「ゴジラとコシラは印象が違うでしょ?男の子と女の子に名前を付けるときに無意識に付け分けてるんだよ」という話で,第2章は「あかさたなの順番には合理的な意味がある」という話.

  • 配架場所 : 一般図書
    請求記号 : 801@K100@1
    Book ID : 80100019153

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002490042&CON_LNG=JPN&

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音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで (岩波科学ライブラリー)の作品紹介

「あ」と「い」はどっちが大きい?あるいは、「コジラ」と「コシラ」では?こんな質問をされたら、あなたはどう答えますか。文字そのものには大小がないはずなのに、音で聴くと母語が何であるかにかかわらず大小を判断するそうです。また、五十音図とサンスクリット語との関係、存在しない音を聴いてしまう脳など、楽しい話題を紹介します。

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