歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)

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著者 : 千葉聡
  • 岩波書店 (2017年6月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000296625

歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)の感想・レビュー・書評

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  • 題名に惹かれて読み始めたが,副題にあるように進化と歴史の物語そのもの.カタツムリ研究に絞られてはいるが,全ての生き物に当てはまる命題.ダーウィンに始まり,宣教師ギュリックの気の遠くなるようなカタツムリ研究から綿々と続く進化の謎に迫る攻防.いろいろな学説,繰り返される理論,難しくはあるが,興味深いものだった.
    出来れば,系統樹やマイマイの写真も添付して欲しかった.

  • 素人目にはカタツムリの研究なんて、なんと地味なことかと思うが、本書はカタツムリを通して生物進化の仕組みや生物進化論の歴史を語る。
    進化とは、偶然と環境適応(自然選択)が綾なすもの。適者生存などとは言うが、偶然や自らが背負ってきたものからは逃れることはできない。進化論自体も、この両論をグルグルと回ってきたのだという。
    カタツムリの螺旋とうまく掛け合わせて、読み物としても面白い。

  •  ここで明らかになった多様性の本質は、正解が一つではないということだ。重力の問題を解決するためにカタツムリがとった戦略は、平たくなること。塔のようになること。どちらも正解だ。問題が捕食者への対抗であってもこれは同じ。殻を持つという制約のもとで、捕食者の出現は、それを解決するための複数の正解、すなわち複数の防御戦略を導く。戦略の多様性と形の多様性が生まれるのである。(p.151)

     カタツムリは遠い昔、生物が多様化のゲームを開始してまもない時期に、海に住んでいた祖先が得た性質に、ずっと生き方を縛られてきた。ナメクジのように殻ごと制約を脱ぎ捨てた者を除けば、カタツムリの生き方は殻を背負うことに制約される。ところがその制約ゆえに、環境への適応や捕食者との戦いの中で、多彩な殻の使い方、形、そして生き方の戦略が生み出される。制約ゆえにトレードオフが現れ、それが偶然を介して創造と多様性を産む。(p.159)

     サイエンスの生態系で行なわれている営みの一つは、真実を知ること、理解することを賭けた戦いである。偶然と必然がせめぎ合い、役立つものとすぐに役立たぬものが密接に関わり合い、その中でさまざまな仮説が生まれ、世代を超えて受け継がれ、拘束され、融和し、データに照らしてテストされ、淘汰されてきた。もしその営みの歴史に気づかぬ誰かが、誰かの役に立つものだけに肩入れすることがあれば、サイエンスにもその外側の世界にも、厄災が訪れるだろう。(p.198)

  • 【新着図書ピックアップ!】
    歌うカタツムリ?ローカルで地味な一歩一歩の積み重ねが、いつのまにかグローバルな見方につながる。自身の研究からサイエンスの歴史をたどる。

  • 請求記号 484.6/C 42

  • 出版社の紹介ページ:
    http://iwnm.jp/029662

    森山和道さんの書評(日経サイエンス 2017年9月号)

    塚谷裕一さんの書評(読売新聞2017.8.6)
    http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20170807-OYT8T50064.html

    海部宣男さんの書評(毎日新聞2017.8.6)
    https://mainichi.jp/articles/20170806/ddm/015/070/005000c

    佐倉統さんの書評(朝日新聞2017.8.27)
    http://www.asahi.com/articles/DA3S13104597.html

    鎌田浩毅さんの書評(プレジデント 2017年9月4日号)

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歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)の作品紹介

なんだか地味でパッとしないカタツムリ。しかし、生物進化の研究においては欠くべからざる華だった。偶然と必然、連続と不連続…。木村資生やグールドらによる論争の歴史をたどりつつ、行きつ戻りつしながらもじりじりと前進していく研究の営みと、カタツムリの進化を重ねて描き、らせん状の壮大な歴史絵巻を織り上げる。

歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)はこんな本です

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