- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000610674
感想・レビュー・書評
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4.1/132
『日本外交史研究者として出発しながら,国連にかかわる仕事を続け,民族紛争が激化した1990年代に国連難民高等弁務官をつとめた緒方貞子.その後,「人間の安全保障」を提起し,日本の開発援助を主導していく.生い立ちから現在までの歩みを,詳細な聞き取りによってたどる.日本を代表する国際派知識人の決定版回顧録.
■編集部からのメッセージ
世界各地で民族紛争が激化し,住み慣れた土地から膨大な人たちが難民となって流出した1990年代に,緒方貞子さんは,国連難民高等弁務官を務め,救援活動に心血を注がれました.小さな体ながら困難な状況に毅然として立ち向かう姿が,記憶に刻まれている方も多いのではないでしょうか.本書は,生い立ちから現在までの緒方さんの歩みを,聞き書によってたどる回顧録です.
政治家・外交官の一家に生まれ,早くから海外経験をもった幼少期.戦後のアメリカ留学を経て,満州事変研究からスタートした研究者生活.国連に関わり始め,国連難民高等弁務官や「人間の安全保障」委員会代表などの国際人として活躍した時期.緒方さんのこれまでの多面的な活動が,インタビューを通して瑞々しく語られていきます.回顧録の決定版と言える本です.』
(「岩波書店」サイトより)
冒頭
『 はしがき
私は自分の人生をあれこれ振り返ることをあまりしたことがない。ただいつの頃からか、自分がどういう時代の中で、どういう仕事をしたことになるのか、確認してみたいという漠然とした希望を持っていた。』
『聞き書 緒方貞子回顧録』
編集:野林 健, 納家 政嗣
出版社 : 岩波書店
単行本 : 328ページ
ISBN : 9784000610674詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
理想を忘れない現実主義者。なんて凛々しいのだろう。自国の安全保障を考える時、同時に世界の、人間の安全保障を考えなければならず、それは政治を抜きにすることはできないことを、あらためて考える。こんな風にしなやかな実務家の先達がいることを、世に出る前の人たちに知っていてほしい。
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1990年代に国連難民高等弁務官として人道支援を指揮した緒方貞子。その経験から「人間の安全保障」を提起し、日本の開発援助を主導する−。戦後日本を代表する国際派知識人の生い立ちから現在までを聞き取りによって辿る。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40237551 -
聞き手が、緒方さんの教え子と同僚ということもあり、また、この分野に精通している方々ということで、とても質が高く、理解しやすい。
また、質問とそれに対する緒方さんの回顧で、フォントとサイズが適度に違っていて、緒方さんの回顧をすんなり読み進められる。
緒方さんの一ファンとして、最高の一冊。 -
尊敬する人の回顧録なので購入。著者は本人になっていますが、側近が資料を取り纏めて回顧した書籍。その分客観的になっている。
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戦争
社会 -
▼福島大学附属図書館の貸出状況
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90317641
冷戦後に難民口頭弁務官をつとめ国際的に大変尊敬されている緒方貞子さんの回顧録。ご自身が執筆された回顧録もありますが、その後もフォローした決定版です。
(推薦者:行政政策学類 鈴木 めぐみ先生) -
国連難民高等弁務官・JICA理事長を歴任した、緒方貞子さんへの聞き語りによる回顧録。
本書を通じて感じる事は、学者の様な強靭・膨大なバックボーンを持ちながらも、目の前の難民問題に真摯にかつ現実的に対応する緒方さんの凄味であり、人間として凛々しさである。
個人的には、緒方さんの比較的若いキャリアにおける、太平洋戦争の政策決定論の研究面での経験談が、特に知識面での刺激を受ける内容であった。
編者あとがきも秀逸であり、素晴らしい一冊と思える。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第5回図書館企画展示
「聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念展示」 第3弾!
聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念に係る図書館展示です。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2016年10月17日(月) ~ 2016年11月11日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース