聞き書 緒方貞子回顧録

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著者 : 緒方貞子
制作 : 野林 健  納家 政嗣 
  • 岩波書店 (2015年9月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000610674

聞き書 緒方貞子回顧録の感想・レビュー・書評

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  • 国連難民高等弁務官・JICA理事長を歴任した、緒方貞子さんへの聞き語りによる回顧録。

    本書を通じて感じる事は、学者の様な強靭・膨大なバックボーンを持ちながらも、目の前の難民問題に真摯にかつ現実的に対応する緒方さんの凄味であり、人間として凛々しさである。

    個人的には、緒方さんの比較的若いキャリアにおける、太平洋戦争の政策決定論の研究面での経験談が、特に知識面での刺激を受ける内容であった。

    編者あとがきも秀逸であり、素晴らしい一冊と思える。

  • [実地の人]学者として,外交官として,そして国連難民高等弁務官として,日本と国際社会のために世界各地を駆け巡った緒方貞子のオーラル・ヒストリーを収録した作品。編者は,一橋大学名誉教授の野林健と納家政嗣。


    偉人伝的な読み方をしてももちろん勉強になるのですが,難民支援を始めとする人道支援というものがどのようなものかを具体的に掴むために大変参考になる作品。平易な語り口にもかかわらず,その言葉の一つひとつに重みと力強さを感じるのは,やはりそこに確固とした裏付けがあるからでしょうか......。

    〜私は人間がひどい目に遭っているのをずいぶん見てきました。(中略)見てしまったからには,何かをしないとならないでしょう? したくなるでしょう? 理屈ではないのです。自分に何ができるのか。できることに限りはあるけれど,できることから始めよう。そう思ってずっと対応を試みてきました。〜

    最近よく外交に携わる人物の回顧録を目にするようになったな☆5つ

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第5回図書館企画展示
    「聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念展示」 第3弾!

    聖心女子大学創基100周年(大学設置68年)記念に係る図書館展示です。

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2016年10月17日(月) ~ 2016年11月11日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 国連難民高等弁務官を務めた著者へのインタビューを基にした回顧録。世界各地で起きた数々の紛争と難民問題に果敢に立ち向かう姿が凛々しい。しかし今なおシリア難民をめぐって揺れる現在を顧みるとつくづく人類とは厄介な生き物だと思わされる。

  • 理想を忘れない現実主義者。なんて凛々しいのだろう。自国の安全保障を考える時、同時に世界の、人間の安全保障を考えなければならず、それは政治を抜きにすることはできないことを、あらためて考える。こんな風にしなやかな実務家の先達がいることを、世に出る前の人たちに知っていてほしい。

  • 資料ID:21503642
    請求記号:289.1||O
    配架場所:普通図書室

  • 元国連難民高等弁務官、JICA理事長緒方貞子氏の回顧録。
    国連難民高等弁務官として仕事をした時代のお話は、当時の難民の現場やその時の関係諸国の動きがわかりそして氏がどう決断し現実を動かしていったかなど非常に読み応えがある。
    現実の国際問題は結局はリーダーシップのある人間によって解決へ動いていくのだ。
    かつて国際協力を志した人、これから国際協力の現場を志す学生には特におすすめ。
    個人的には大学の同級生であった作家の須賀敦子さんへの言及に温かい気持ちになった。

  • 国際問題が紛糾しているところに、国連の担当官として活躍する颯爽たる姿を拝見しており、どんな方なんだろう?というぼんやりした興味を持っていた。

    緒方貞子氏が語る自身の系譜。
    外交官の家に生まれ、海外、特に中国とかかわり深く育つ。
    国際政治を学び、研究者の道を志す。
    そして政治の世界に見いだされ、日本国の国連代表を経て国連職員へ。その活躍のなかで、同時期に結婚し、子を生し、育て上げ、さらに研究者として、そして国際舞台での実務家として活躍する。

    サイドストーリーだけで、普通の人の一生分以上の活躍をされてきていると思うが、さらに、実務家として国連の場で大きな成果を上げている。

    国連の日本の立場、そして国際社会との付き合い方、さらに国連として行ってきた活動の詳細は、非常に興味深く、また、当事者として実務に精通しながらことを行ってきたことを物語る。
    国際問題に興味がある人にとっては非常に面白い内容だと思うし、研究するにも非常に面白く深い内容だと思う。

    もうひとつ実務的だと思うのは、彼女は武力の必要性を否定していない。「残念ながら、人々の安全が損なわれたときに、軍事力を持ってやらないとどうにもできないことはあるのです。」ただ、「国と国との戦争のために、人間の安全保障を持ち出す必要はありません。」とくぎを刺す。
    なんでもかんでも話し合いだけがすべて、というお花畑理論とは、一線を画していると思う。

    緒方氏の回顧録という形をとっているが、日本がこれから世界の中で生きていくためのいくつかの方向性を、明確にして整理する良書だと思う。

  • 研究が実務に非常に役立った。例えば政策決定過程論。実務をするようになって、物事を動かそうとするときに、政策決定過程論の思考法が役立った。誰がどれくらいの力を持っていて、何を主張しているのか、どのような力学が働いているのか、それらを見極めて、人や組織にうまく働きかけることができる。

    日本の学会では実務の世界と学術の世界を分けて考える風潮が強いようだが、緒方はそう思わない。両者は有機的につながっているべきであり、その方がはるかに生産的。

    日本は甲羅から頭を出して広く外をみまわさなければ、自分の立ち位置も日本の方向も見えない。日本は何が自分たちの本当の過大なのかを見極めることができていないから。はっきりしたビジョンを持つこと。日本社会が自信を取り戻して、再び前進するためには、世界の多様な文化や価値観、政治や社会に目を開いて、そこから何かを学びとること、それとともに、国内でも多様性を滋養していくことが不可欠。異なるものを認め、そこで対話を開くというのは、頭で理解するほど容易ではない。現実にはそのプロセスは苦痛も多い。努力もいる。異質な他者を認め敬うなどということは自然には起こらない。ですから、できるだけ早くから多様性に対する感性を養うのが重要。そのことが日本に活力を与え、閉塞感を打開することにつながる。

  • 女性の社会進出が推し進められている中でお手本のような人。尊敬します。
    楽観的と自分を表現してますが、きっと自信があるから悲観的にならないのだと思う。

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