昭和天皇の戦争――「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611770

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  • 昭和天皇の正式な伝記としての「実録」に書いたこと、書いていないことを通して、実は天皇が、戦争の実態を知らされていなかったのではなく、戦争にポイントでは深く携わり、陸海軍への不満を持ちながらも、戦争に積極的な姿勢になっていたことを著者は主張する。不満とは暴走に対する不満だけではなく、戦争への自信を持っていない事への不満が随所に出てくる。陸軍観兵式への年3回の参加への記録が詳細。また15年戦争の開始から終結までの数多い御前会議、面談者の記録などから、相当の情報を把握していたと考えられる。実録では、戦争の関与を書かず、平和主義者としての強調を図りつつも、少ない記述から天皇の戦争への関心の深さが推察されるようだ。天皇自身、そして側近たちの日記からその実情を探っていく。

著者プロフィール

1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授、平和教育登戸研究所資料館館長、歴史教育者協議会会長。博士(史学)。日本現代史・軍事史を専攻。おもな著書に、『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社)、『兵士たちの戦場』(岩波書店)、『日本の戦争』(新日本出版社)、『軍備拡張の近代史』(吉川弘文館)、『世界史の中の日露戦争』(吉川弘文館)などがある。

「2021年 『聞かせて、おじいちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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