今日はヒョウ柄を着る日

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 154
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612104

作品紹介・あらすじ

朝から賑わう戸越銀座商店街。そこでおばあちゃんたちがまとう「ヒョウ柄」の存在に気づいた著者は、人間界と動物界の相似性に敏感になる。そして若い世代‐高齢者、記憶‐真実、現世‐あの世といった境界を行き来しはじめ…。星野博美ワールドの「その先」を指し示す、あやしくてせつない、ユーモアあふれる豊かな異界の淵へ、ようこそ!新境地をひらく最新エッセイ集!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから、「ヒョウ柄を着て元気だそう」系の本かと思ったら全然違って、「なぜヒョウ柄を着るのか」という考察系だった(笑)
    初読みの作家さんだったが、発想がとにかくユニーク。着眼点もおもしろくて、『こう捉えるのか』という視点がたくさん。世代も近かったので、共感できる部分もあっておもしろかった。

  • この本読み終えるのに何日かかったのか。というのもこの10日間に和歌山への旅行、宝塚の実家、枚方の病院と先輩との会食、大阪での落語会が二回、そこに近辺の岸和田のセミナーと短歌会、和泉での落語講座と落語会、ああ、忙し。・・・都合8日の外出で忙しく走り回っていました。

    まあ、じっくりと読む暇もなく寝る前の数時間しか読めず。

    昨日ようやく読了いたしました。

    普通のエッセイは軽くスイスイ読めるのですが、星野さん、軽いようで少し重ため、内容は軽いんですが書き味なんでしょうか、焦点の当て方なんでしょうか。
    それとも、わが身が疲れ果ててたんでしょうか。本を読むにも、結構体力がいると思い知らされた一週間でおました。

  • 逃げるが勝ち。でも、逃げ時を見極めることが大切。 SNSにまみれ、本能を失ったわたしたちは、もう一度ヒョウ柄に学び、野生の力を取り戻さねばならない!

    ひとつの話に数回は吹き出しながら読みました。

  • 久々の星野博美
    彼女が考えてそうだなぁという思いとか感触に満ち溢れたエッセイ集。

    ヒョウ柄の考察を続ける前半も良かったが、後半のざっくばらんなエッセイに意外と気付きの言葉がちりばめられていてよかった。

    記憶も愛と同じで、量の多い方がさみしい思いをする。

    その場に充満する空気と自分の波長が合わなくなり、不協和音を連発する。そんな時は迷わず場を変えて距離を置く。気の変化も永遠というわけではなく、一度距離を置いた場所に再び訪れてみたら、また波長が合う時もある。

    など…
    腑に落ちる気持ちをこうやって言語化してくれることも、好みの作家をみつける指標やねんなぁ。

  • 都会の暮らしはお年寄りに優しくない。
    生き延びるためには、自己主張して自分を守らなければならない。おばさんたちのヒョウ柄は「さあ、今日も生きるぞ」という戦闘態勢に入るためのユニフォームなのかもしれない、という所が面白かった。
    老いた両親と暮らす星野さんは、死に対してセンシティブなのだけれど、どこかあっけらかんともしていて、私もそうなりたいなと思いました。

  • くすり、にやりを繰り返し、一気に読んだ。高齢者向け商品の謳い文句に対する星野さんの考察にはドキッとさせられた。私も、これからも学び続けたい。

  • 初めて読んだ作家さん。
    なのにやたらとシンパシーを感じるので
    なぜだ???と思ったら
    年齢が一緒でした。。。
    半世紀生きてきて、人生で起こるであろう大概のことはたぶん経験してしまい
    あと残された未体験ゾーンは老いと死。
    自分の親や周りのおばちゃんたちをサンプルに
    その辺りの探り方がとても面白いのです。

    華やかでキラキラな出来事なんてなくても、
    ちょっと目をこらして見れば、私たちの周りには
    興味深いこと、不思議なことがあふれている。
    普通の暮らしが愛おしく思えてくるエッセーでした。

  • 老いという国に留学

  • 「カラスと夕焼け」というので、記憶違い、についてゼミで検討する材料にもできればと思ってコピー

  • ずっとしょうもない話をしていて良い 結構ホラー話あった

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著者プロフィール

1966年、戸越銀座生まれ。ノンフィクション作家、写真家。著書に『転がる香港に苔は生えない』(2000年、第32回大宅壮一ノンフィクション賞)、『コンニャク屋漂流記』(2011年、第2回いける本大賞、第63回読売文学賞随筆・紀行賞)、『戸越銀座でつかまえて』(2013年)、『みんな彗星を見ていた』(2015年)、『今日はヒョウ柄を着る日』(2017年)、『旅ごころはリュートに乗って』(2020年)など多数。

「2022年 『世界は五反田から始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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