愛について

  • 岩波書店
4.20
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001106725

感想・レビュー・書評

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  •  なぜこの本が我が家にあるのか分かりませんが、私が小学生の頃にはもうあったので、多分、父親が買ったのでしょう。今回読んでみたら、少し内容に覚えがあったので、前にも一度読んだことがあるのかも知れません。

     訳者のあとがきに、作者が「世の中でいわゆる児童文学といわれるものが、どうもきれいごとに走って、子供たちのありのままの生活を伝えていないと痛感していたのです。」と語ったエピソードを紹介しているので、今の日本で言えば、中学生かそれくらいの子供を対象にした本と言えるのではないでしょうか。

     内容としては、母親がかけおちをしてしまい、父親も酒におぼれている状況の主人公が、最初はそうとは知らずに様々な経験をして成長していく、そういうストーリーです。決してきれいごとではない、偶然の成功が続くような安直な話ではなく、主人公がややモテキな以外は、男の子が成長の中で実感する現実の厳しさをうまく書かれているように感じます。

     やや古い本であることと、ロシアの文化に私のなじみが薄いこともあり、今の中学生が読んでぴんと来るのかどうか分かりませんが、自分が何をしたいのか分からないような時に読んでみると、何か発見があるかも知れません。

     なお、このタイトルは訳者が工夫したもので、実際には「何にどんなわけが」といったほどの原題がついていると、あとがきで紹介されています。

  • 主人公の少年サーシャが潔く、成長する姿が頼もしいが、残酷な結末だった。夫婦のことは夫婦しか分からない?いや、子どもも父と母のあいだの愛情には気付きます。

  • 先ほど読了。珍しくロシア、というかソ連の作品。
    ハッピーエンドにしないところに誠実さは感じる。けど、じゃあオリガの扱いはそれでいいの?とか、ママを単に愛に生きる女に仕立て上げたままでいいの?とか、腑に落ちない部分はいろいろある。男性サイドと女性サイドの間にはっきりと区分があって、男性サイドの内側は描かれるけれど、女性サイドのことはあくまで外から見たこととしてしか描かれないからかな。
    お行儀のよい話からもう一歩、踏み込んでほしかったなと思った。

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