- Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001109832
感想・レビュー・書評
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この本は英語の勉強を本格的に始めたときに、洋書を随分前に買っていましたが、ハリーポッターも同時に買っていて、先にハリーポッターの方から読み始めたので、そのままずっとしまってあったので、やっとこちらも読み始めようということで、先に日本語版を、読み終えました。
評判通りのここからファンタジーが始まったという感じで、細部に渡りしっかりとした内容でした。
ロードオブザリングも並行してdvdを観たので、指輪物語も、楽しみです。
英語版はまだ、読み終えていないので、楽しんで読み終えたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そもそも私は指輪物語で、いわゆる『裂け谷帰り』を中学生の時にやったくちなので、このホビッとの冒険は読んだことがなかったのです。
岩波っこだったのに何故、これではなく、評論社の指輪を渡されたのか、むしろこれを先に読んでおけば指輪もせめて会議まで読んだかもしれませ……とはいえないな。
もともと、指輪が読めなかった理由というのは、主人公が田舎者とはいえど大人だったから、子供の私は同じ目線に立つことができなかったのです。
だいたい、冒険ものというのは、ナルニアしかり、オズしかり、『何かを得るための冒険』なのに、これは捨てに行く物語で、苦しくて悲しいことが多すぎる。
しかも主人公のホビットたちはエルフのように優雅でもなければ、ドワーフのように宝物を作ることができるわけでもない、人間たちのように強くもない、どう考えても脇役の種族。
結構多くの人々がイギリスの土着の伝説上の生き物と勘違いしているホビットは実はトールキンのオリジナルです。
そうわざわざ、ちっちゃくてもこもこしていておっさんで小市民ですばしっこいだけが取り柄の彼らをわざわざトールキンは主役に据えました。
人間の子供である読者から見ても「小さい」種族が、周りの大きい人たちがなしえないことをやり遂げる。
そこにカタルシスがある。
そして、指輪の前日譚である冒険ですが、考えようによっては指輪よりハードな物語でした。
フロドはこの物語でビルボがやってしまったあることにけりをつけるため、ホビット庄を守るために、といわば避けようのない運命の冒険に赴きましたが、ビルボはどっちかというとなりゆき半分好奇心半分で旅立ちます。
けれど、彼の実際的な柔軟な考え方が、頑迷なドワーフ(そもそも頑固であるところがドワーフのドワーフたるゆえんだから)の冒険を大きく助け、彼らの目的を果たします。
普通なら、ここでめでたしめでたしのはずが、そこからの展開が、もし私が子どもだったらショック過ぎ。
ドワーフひどい!と思ったでしょう。
今まで友達づきあいしていたのに、なんなのその態度!
でも、落ち着いてよく読んでみると、ドワーフもエルフも人間もそれぞれの信条や事情があるということをトールキンは書いているんですよね。
それは実際の国関係と一緒。それぞれに酷いと思われる、理不尽だということをやったり言ったりする国だらけです。
第三者からみてもおかしいよ、それみたいなことも、中にいればわからない。
わからないから、お互いを弾劾し排斥しあう。
ひとりひとりはいいひとでも、そんなことは起こる。
ビルボはその中において、結果的にはすべての種族と信頼関係を築ける唯一の存在になる。
指輪を読んだとき、エルフとドワーフは仲悪いのに、ビルボに対しては敬意を払っているなとは思いましたが、これはこの冒険という下地があってこそ。
読んでいると、ビルボはドワーフに対して批判的な感想を抱いてもいますが、同時に敬意も払ってます。
ドワーフのわからずや、と言いながらも、しょーがないなとため息をついて受け入れている感じ。
その姿勢が多くの種族に好かれている要因のひとつであることは間違いないでしょう。
物語の終幕で、とある人物がビルボのように本当に大事なものが何かということを知るべきだった、と彼に伝えます。
この人物は多くの間違いを犯しますが、それも彼の生き方からすれば仕方なかったことです。
けれど、彼は間違いに気づき、大事なことをビルボに伝える勇気を持っていました。
映画版はひげだらけのせいか、指輪ほど伸びていませんが、この美しいシーンをPJがどうアレンジするのか、今から楽しみです。
ホビットの冒険のすばらしさは、冒険そのものより、ビルボが考え行動してきた小さなことにある。
それが、のちの大きな物語とつながっていくのが、納得できる話でした。 -
多摩図書館が編集した、子どもへの読み聞かせに適した推奨本の一冊。
「いろいろなタイプの少し長い物語」としてあげられたなかの、「ファンタジー」として紹介。 -
良質な冒険物語。
想像上の生き物も、弱気になったり、欲に目がくらんだり、争ったりと身近に感じられる。 -
途中までくじけそうだったんですが、スマウグの根城に来たあたりから面白くなってきてページを貪るようにめくっておりました。
訳者のことばを最初に読んでしまいひどいネタバレを読みました…おっおう。
ああこれが指輪物語に繋がっていくのね、とあちこちに見え隠れする伏線にウキウキします。
日本人ではこれは書けなかっただろうな。エルフにドワーフ、ゴブリン、ホビット。豊かな物語の土壌があってこそのお話だと思います。
仕方ないことなんですがひらがながわんさかわんさかで読みづらかった。
レビューを読んで。
ホビットがトールキンのオリジナルだったとは!すごいな、本当にあったんでないかと思わせる力! -
指輪物語の映画化で、こちらを読んだ人が、たぶん大多数なのでしょう。が、どうか、コドモを持つお父さん&お母さんは、この本を小学生(読み聞かせなら幼稚園)で読ませ、そして中高生の時に「指輪」を薦めてあげて下さい。今のゲーム世代のコドモたちにこそ、すべてのファンタジー系ゲーム世界の大元になっている、トールキンのこの作品群を読んでもらいたいです。あ。。でも、「ホビット」には、お姫様は、出てこないなぁ。。(笑)
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傑作です。トールキンのこのシリーズのエルフが現在のエルフのイメージを形作っているという点でも、現在のファンタジーの古典と言って差し支えないと思います。文章に古さを感じる部分はありますが、ストーリーも物語の背景も映画も素晴らしい、まさに名作です。
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先に映画を見ました。指輪物語のヒットを受けたスピンオフかと誤解してしまうような良くできた娯楽映画(竜に宝物、魔法使いに勇者に小人が出てくる大冒険物語だったので)でしたが、原作を読んでみてビックリ、映画はほぼトールキンのお話に忠実に作られていたのがよく分かりました(ゴクリと謎かけ競争をするのは映画ではビルボではなくフロドだったかもしれませんが)。指輪物語では冒頭部分のホビット族についての詳細な描写のところを読み込むのに少し苦労しましたが、こちらはとても読みやすかったです。映画ももう一回見たくなりました。
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DVD鑑賞に合わせて数十年ぶりの再読。ビルボがうろ覚えていたよりずっと知恵を絞って事態に対応していた。ぜんぜん小物じゃなかった。そして中つ国での物事の進み方の地味さに感じ入った。いざとなると大鷲が飛んできがちだけれども、ドワーフの統領が何か月も地べたを這いずり回って目的にへ向かうとか、囚われた彼らをビルボが助けるまで数週間もかかるとか、ファンタジーは別に剣と魔法であっさり平和が訪れるような気楽なジャンルではないのだ。もっとやれ。