長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 1001)

著者 : カレル・チャペック 中野好夫

• 岩波書店 (1952年9月15日発売)

感想・レビュー・書評

[たださんの感想 · 2022年10月28日]

当時のチェコスロヴァキアの作家、｢カレル・チャペック｣の童話集だが、訳者の｢中野好夫｣さんのことばにあるように、現代の世界の中に、おとぎ話の世界を想像している不思議な感覚と、擬音で固めた素直なリアクションが楽しく、今読んでも色褪せない、やさしい作品だと思いました。

また、｢犬と妖精の話｣の、『においの嗅げる神さま』の由来には、その独自性の面白さに加えて、風刺も効かせてある点が印象深く、｢宿なしルンペンくんの話｣は、正直者の話で完結させない、意外なところに着地する展開の妙があり、｢長い長いおまわりさんの話｣の、二回にわたる、あの怪物の話は、それぞれに特色を分けて、どちらも印象深かったりと、兄の｢ヨセフ・チャペック｣の絵も合わさり、どこかユーモラスでありながら、考えさせるものもありました。

それから、表題作の｢長い長いお医者さんの話｣は、とても完成度が高く(これだけなら星５にしたいくらい)、最初は、名医たちのイタズラ心に富んだ、会話のやり取りが面白かったのだが、それぞれの内容、全てにちゃんと意味があって、結果、体の治療だけではなく、真に魔法使いのことを思いやる姿勢が垣間見えて、理想的な治療とは、こういう事を言うのだろうなと、目の覚める思いがしました。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2022/10/28]

たださん
此の版で読まれました？
と言うコトは「王女さまと小ネコの話」は収録されていない筈。。。

次の機会がありましたら、他のヴァージョンで読んでみて！

[たださん · 2022/10/28]

猫丸さん、コメントありがとうございます。

そうなんです。ブックオフで購入したのですが、｢王女さまと小ネコの話｣はありませんね。

他のヴァージョン、心当たりがあるので、探して読みたいと思います。貴重な情報をありがとうございます(^_^)

[nakaizawaさんの感想 · 2013年5月28日]

(1990.07.16読了)(1990.07.15購入)
（「MARC」データベースより）amazon
チェコの文豪カレル・チャペックの楽しい童話集。親切な町のお医者さんたちや、働き者の郵便屋さんなどが活躍する、しゃれたおとぎ話を9編収録。

[きらくさんの感想 · 2006年1月19日]

ちびっこの頃に読んで、作者もタイトルもわからないけどもぉ一度読みたいと思っていたお話と偶然にも出会えた本。ちなみにそりわ「ソリマンのお姫さまの話」です

[junkotetuさんの感想 · 2017年12月30日]

ユーモアのあるお話し

著者プロフィール

一八九〇年、東ボヘミア（現在のチェコ）の小さな町マレー・スヴァトニョヴィツェで生まれる。十五歳頃から散文や詩の創作を発表し、プラハのカレル大学で哲学を学ぶ。一九二一年、「人民新聞」に入社。チェコ「第一共和国」時代の文壇・言論界で活躍した。著書に『ロボット』『山椒魚戦争』『ダーシェンカ』など多数。三八年、プラハで死去。兄ヨゼフは特異な画家・詩人として知られ、カレルの生涯の協力者であった。

「2020年 『ロボット ＲＵＲ』 で使われていた紹介文から引用しています。」