木曜日はあそびの日 (岩波少年文庫 2085)

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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001120851

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  • ギリシャ生まれのフランス人作家による、児童文学の短編集。パリの(架空の)ブロカ通りが舞台だが、魔女、悪魔、魔法使い、妖精、人魚、巨人といったふしぎの国の定番キャラがシュールに登場する。主人公の男の子が飼っているペットも魔法の金魚で、魔女を退治するために、魔女の本来の姿である髪の毛が生えたカエルに戻したあと、髪の毛をすばやく剃って金魚鉢に入れて金魚と一緒に飼ってしまったり、目隠しをすると過去や未来が見えるようになる人形の話、水の精である人魚と恋仲になった王子を、水から隔離するために切手にしてしまう話など、いわゆるファンタジーともまた違う奇妙な話がこれでもかと登場する。洒落たフランス風エスプリという意味では、昔あったウゴウゴ・ルーガ的という気もするし、伝承を元にした奇妙な話という意味では諸星大二郎的とも言える。
    著者が日本好きフランスインテリで、雨月物語に題材を得た作品を書いたり、能にヒントを得た戯曲を書いたり、日本語を1年ほど学んだりしたしたこともあることからすれば、なんとなく通じるものがあるのも当然かも知れない。
    挿絵がヘタウマ系画家の飯野和好というのがまた。誰かこの本を元ネタに漫画化すれば、今でも受けるんじゃないか、と思うほど発想が今の時代の漫画っぽい気がする。

  • 予想外に面白かった!
    妙な理屈っぽさがあるフランス人だから、鼻についた話かと思ったけど全然違った。
    全体的にハッピーエンドのはなしもいいし、不思議な「?」って話も良かった。
    お話の発想がいいよね~

  • 原題『ブロカ通りの物語』から12篇。ちょっと奇想天外で機知に富んだお話が面白い。
    まえがきからして、少々理屈っぽくてエスプリのきいた雰囲気が感じられるのは、やはりフランスの作家さん…。民話風だけど独創的、不可思議だけど、どこか可笑しい木曜日のおはなし会は、楽しませてくれます。

  • パリの架空の通りを舞台にした短編物語集。
    ちょっと怖い話から現実離れしつつも愉快なお話まで、それはそれはおもちゃ箱をひっくり返したようなストーリーの数々に、何百回となく読み返したお気に入り中のお気に入り。

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