長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 (002))

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制作 : ヨセフ・チャペック  Karel Capek  中野 好夫 
  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140026

長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 (002))の感想・レビュー・書評

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  • 私的岩波少年文庫Best3の一つ。
    英語からの重訳でも中野好夫の訳は素晴らしい!

  • くもん国語E教材推薦図書

  • チェコの作家。カレル・チャペックの短編集。おとぎ話なのに郵便局とか自動車とかが普通に出て来て、現代っぽさもあります。だからなのか、本当にありそうな気がしてしまうのです。郵便屋さんの話が素敵でした。宛名のない郵便の宛先を探して旅する話。届いて本当に良かった。前にカッパがいるのはチェコと日本だけとMOEに書いてあったのだけど、そのカッパの話がありました。どうやっても日本のカッパで想像しちゃう。王女さまと小ネコの話も割とラストが好き。

  • 1つ1つのお話がとても長く感じるのが不思議。タイトルからどんな話なのか想像し、読み始める。最初は想像からかけ離れてはいない。なのにいつの間にやら「これ何の話だったっけ」というくらい遠くへ連れて行かれる。途中で新たな人物が突然出てきたり、「あなた主人公だった?」という人が長々語り出したり。でも最後はちゃんと面白い結末が待っています。親子で気に入ったのは「宿なしルンペンくんの話」。ルンペンくんの「待つ」タイミングが可笑しい。チャペックの実兄が描く挿絵がとてもユーモラス。

  • チャペックの童話集。話がどんどん、想像していたのと違う方向に向かっていく、型破りなところがいい。中野好夫の訳も名人芸の域。

  • この本はね、子供時代に学校の図書館で何度も借り出したお気に入りの童話集だったんですよ。  でもその後、この物語のことはすっかり忘れてしまって、さらに言えば子供時代には作者が誰かな~んていうことはあんまり気にしていなかったので誰の作品なのか知らないまま KiKi は大人になっちゃったんです。  で、大人になったら同じチャペックの「園芸家12ヵ月」に出会ってクスクス笑いをさせてもらって、ふと気が付けば「この2つ、同じ作家の作品じゃあ~りませんか!」となってそれからますます愛着がわくようになったという物語集です。

    この「園芸家12ヵ月」の現在市販されている文庫本の表紙は KiKi が持っているものとは別(Amazonの方が新しい)なんだけど、KiKi が持っている古い文庫本の絵は本日読了した「長い長いお医者さんの話」でも挿絵を担当しているお兄さんの絵で、実にほのぼのとした味わいのある絵なんですよね~、これが。  お話もどこかとぼけたところのある語り口(それはどちらの本にも共通している)なだけに、この挿絵との相乗効果には絶大なものがあると信じて疑わない KiKi です。

    さて、我が家には実はこの「長い長いお医者さんの話」は2冊あったりします。  1冊は冒頭でご紹介した現在も販売されているこのヴァージョン。  そしてもう1冊は「岩波少年文庫 愛蔵版 全30巻」の中の1巻でこちらは装丁が実に美しいんですよ。  しかもハードカバー。  実はこれ、KiKi の宝物です。

    こういう装丁の本、KiKi の子供時代には多かったんですよね~。  日本の製本技術は優れているから現在のソフトカバー本であっても、アメリカなんかのペーパーバックと比較すればはるかにしっかりできていて、その割にはお値段も安くて文句のつけようもないとは日々感じていることだけど、それでもこういう厚紙仕様で風格のある本っていうのは本を読む前の心構えみたいなものを読む側に要求する独特のオーラを放っています。  で、せっかくだから今回はこちらの愛蔵版で・・・・と最初は思ったんですよ。  でも結局読了したのは冒頭でご紹介した現在市販されているソフトカバー本の方にしました。  その理由はね、実は現在市販されているソフトカバー本の方が収録作品数が多かったんです。

    長い長いお医者さんの話
    郵便屋さんの話
    カッパの話
    小鳥と天使のたまごの話
    長い長いおまわりさんの話
    犬と妖精の話
    宿なしルンペンくんの話
    山賊の話
    王女さまと小ネコの話

    これ(↑)が現在市販されているこの本の収録作品一覧なんだけど、な、な、なんと愛蔵版の方には最後の2つのお話が収録されていません。  せっかくの「全冊読破企画」で読み落としがあるようじゃ勿体ない・・・・ということで、結果的にソフトカバー本を手に取るに至ったのでした。

    とまあここまで本の内容以外のことでずいぶん字数を使ってしまいました。  この本の中の物語の感想についてお話しなくちゃね♪  これらのお話はどれもこれもおとぎ話風のホンワカムードのお話ばかり(これには挿絵の影響もかなりあります)なんだけど、話の進め方に至っては結構奔放であっちへ飛んだりこっちへ飛んだりするんですよね~。  でもそれが不思議と不快じゃなくて何だかチャペックモードに乗せられているうちにスイスイと読み進めちゃうんですよ。

    で、もともと語られたお話に忘れた頃に戻ってきたりもして、挙句そこでちょっと意表をつかれるようなこともあって、どこか人を食っていると言うか手玉にとって遊んでいるというかそんなところもある物語集だと感じます。  でも、読んでいる間不思議と幸せな気分に浸っていられるのですから、やっぱりこれは天才の手による作品なんだろうなぁ・・・・・。

    どのお話も結構 KiKi 好みだったんだけど、今回の読書で一際 KiKi の興味を引いたのは第3作「カッパの話」です。  カッパって、これは KiKi の思い込みだけなのかもしれないけれど日本固有の妖怪かと思っていたら、Far East の島国日本から遠く離れたチェコにもいたんだ!とかなりビックリ!!!  しかもその挿絵を見るとこれがまさに私たち日本人にお馴染みのカッパそっくり。  でも、この挿絵は間違いなくK.チャペックのお兄さんヨゼフ・チャペックが描いたものなわけだからやっぱりチェコにもカッパはいた(と信じられていた)と思うしかありません。

    しかもお国は違えどもやっぱりカッパは水と縁が深い生き物だったようで、この物語の中でもチェコの川にお住まいなんだそうな・・・・・。  しかも本文の中ではっきりこう性格づけられています。

    カッパというものは、なにか水に縁のある仕事でないとやれないのです。

    どうです??  これじゃまったく日本の河童と一緒でしょ?  う~ん、これはカッパについてもう一度学び直してみる必要があるかもしれません。  少なくともこの「カッパの話」を読む限りでは、チェコのカッパがキュウリ好きなのかどうかまではよくわからなかったんですけどね。  これは岩手県は遠野市に出かけて行って「カッパおじさん」のご意見を聞いてみる必要があるかもしれません ^^;  そして可能であればチェコまで出かけて行って彼の地に伝わるカッパ伝承を調べてみる必要も・・・・・。  ま、そんな妄想までフツフツと湧き出してくる楽しい読書だったのです。



    因みに、例の宮崎駿さんの豆本での推薦文は以下の通りです。

    この本を書いた人は、「ロボット」という言葉を発明した人です。  とはいっても、この本はロボットの話ではありませんが・・・・・。  この人は、精神のかがやきのようなものを持っていると感じます。  とても善良で、かしこくて、硬くてキラキラしていて、あたたかいのです。  こういう人がパイプをくわえて、窓辺でジッと考えにふけっている姿を想像して、なんだかなつかしいかんじがします。  ずっと昔、自分もそういうものを持っていたような気がしたりするのですが、ただの錯覚なのでしょう。


    う~ん、カッパ問題のヒントになりそうなことは何一つ書かれていませんねぇ・・・・・(苦笑)

  • チェコの民話。だけどなんだかとっても日本昔話風。
    こういうのも訳者さんの腕なのかも。
    ヨーロッパ人らしいユーモアがあちこち感じられる作品です。

    2011/12/31

  • ホラ噺系の落語のようにどんどこ話が転がっていく。ほかでは味わえない物語の快感。
    中野好夫氏の名訳だが、チェコ語→英語→日本語、いわゆる二重翻訳である。数十年を経て、日本語もやや古びてしまった。
    チェコ語から直接訳した新訳を、いつか読めたらいいなと思う。

  • この本にも入っている「郵便屋さんの話」は、まえに別の訳本で読んでいた。が、「へのへのもへじ文庫」へ行ったときに、この中野好夫訳の岩波少年文庫をみかけて、『マルコヴァルドさんの四季』と一緒に借りてみた。

    表題作の「長い長いお医者さんの話」や「郵便屋さんの話」のほかに、「カッパの話」、「小鳥と天使のたまごの話」、「長い長いおまわりさんの話」、「犬と妖精の話」、「宿なしルンペンくんの話」がおさめられている。さし絵は、兄のヨセフ・チャペック。

    訳者違いで読むと、やはり話の印象も変わる。中野好夫は、じつにうまく日本語にのせて訳してるなと思うところがあった。あとがきでは「日本の少年少女読者のために、もとの本でもない、英訳本でもないようにかえたところもあります」と書いてあり、こういう翻訳が、とりわけ物語にはいいなと思った。

    たとえば、魔法つかいのマジャーシュさんがウメの種をのみこんだというのを診断する3人の医者。
    「どう見てもこれは急性ウメタネ炎でしょうな。」「わたしも、ウメマク炎とにらみましたよ。」「わたしの見るところでは、気管支のタネ性カタルの症状だと思いますがねえ。」  この一同診察の結果、マジャーシュさんの病気は「急性ウメタネマク気管支カタル」と決定するのだ。おかしすぎる。

    あるいは、ルンペンくんの話に出てくる、ものいう白いカラス。
    ▼「…黒いカラスはね、ただ、なくだけだけど、あたしたち白いカラスはみんなお話できるの。どんなことだっていえるのよ。」
     「そいじゃ、これを一口でいってみな、ナガモチノウエニナマゴメナナツブ。」
     「ナガモチノウエニナマゴメナナツブ。」
     「よし、こんどは、タケヤノヘイニタケタテカケタ。」
     「タケヤノヘイニタケタテカケタ。」と、その白いカラスはすらすらといってみせました。(p.254)

    表題作のお医者さんの話を読んでいると、こないだ読んだ『治療という幻想』で、石川憲彦さんが書いていたことが、なんだかよみがえってくるのだった。医者は、何をしてこようとしたのかと。

    「長い長いお医者さんの話」は、私が前に読んだ本以外にも別バージョンがあるらしい。それもちょっと読んでみたい。

    (7/4了)

  • 郵便屋さんの話が好きだな。

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