氷の花たば (岩波少年文庫 119)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141191

感想・レビュー・書評

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  • 「西風のくれた鍵」がケルトの妖精物語風だったのに対し、こちらはどちらかというと民話風。  いずれの作品も「どこかで似たような話を読んだことがあるような・・・・」と感じさせられるあたりは、やっぱりアトリーです(笑)。  それでいて、アトリーならではの自然描写の美しさは本作でも冴えていて、ひとつひとつの作品がキラキラしています。

    民話風・昔話風ではあるんですけど、時代的にはやっぱりある程度現代に近い時代のお話(バスが走っていたりする)で、それでいて、これらの物語に登場する小道具・大道具の類のもの;メリー・ゴー・ラウンドの「青銅の呼子」然り、七面鳥とガチョウの「古い城」然り、木こりの娘の「廃墟」然り、バーリコーンの「教会」然り、何百年も昔からそこに存在し、時を超えて多くのことを見守り続けたものたちが、物語の展開に大きな関わりを持っています。  お話の中にそんな「時間軸」のようなものを感じさせられるのがアトリー作品の1つの特徴のような気がします。

    (全文はブログにて)

  • 秋と冬を題材にした短篇集。草木の息遣いや海の波の煌めきの描写が美しい。童話的な世界が展開されるものの、舞台となる時代はそこまで古くはないようで、そのことがかえって自然や神秘の世界への憧憬と畏敬を浮かび上がらせているようだった。「メリー・ゴー・ラウンド」「七面鳥とガチョウ」「木こりの娘」の3篇がお気に入り。

  • メリーゴーランドの馬が夢の中
    絵になりそう

    木こりの娘
    氷の花たば

    お姫さま系のお話しよりも近い感じがする
    自分が小さい女の子だったら、こんな運命的な物語がいいかも
    大人だったら、うそやん!ってなりそうですが

  • 良い大人の皆さま(?)は解説にご注目。
    もうね、うっそーんになると思いますよ。
    きっと彼女にとって、創作活動というのは
    「その思いを叶えることができる」
    数少ない場だったのでしょうな。

    どの作品も子供心をくすぐるお話。
    やっぱりあっという間にハッピーになるお話は
    好きだなぁ。
    それが夢であるとわかっていてもね!!

    あとは運命づけられた少女の出てくる
    お話かな。
    そう、父親が出会った人がいた時点で
    すでに運命は決まったもの。
    受け入れられないけれども、
    それは受け入れないといけないのよね…

    時に突き刺さる作品です。

  • アトリーって誰だったかなと思ったら
    グレイラビットや時の旅人のひとらしい

    ふしぎなおはなし6つ

    キャラバンがきてメリーゴーランドの馬に乗って夜中に冒険するはなしや
    クリスマス前に農場を抜け出すガチョウや七面鳥のブレーメンに似てる話や

    クマの上着をぬう話や

    氷の精に娘が嫁入りする話や

    麦の妖精が生まれる話

    素朴ふしぎな話

  • 読み聞かせボランティア第一冊目

  • アリソン・アトリーの短編集。
    その伝承的な民話風の物語には、いきいきとした自然の息吹、時には激しいほどのその活力と共に、美しい詩のようで、躍動感にあふれた世界をありありと感じることができる。
    大人になってからでも、長編『時の旅人』『農場にくらして』そして、『グレイ・ラビットのおはなし』と読みすすみ、短編集を手にできたのは、とてもよかったと思う。

  • ほんとは単行本のほう

  • イギリスっぽい童話集。

  • 雪道に迷った父親の命をすくい、お礼に娘を要求した白いマントの男の正体は?表題作のほか、美しい木こりの娘の秘めた恋、「麦の子ジョン」と名のる神秘的な少年の話など、みずみずしい自然の息吹を感じさせる六つの不思議な物語。

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著者プロフィール

アリソン・アトリー 1884年、イギリスのダービシャー州の古い農場に生まれる。広い野原や森で小動物とともにすごした少女時代の体験をもとに、多くの物語やエッセーを書いた。日本語に翻訳された作品に『グレイ・ラビットのおはなし』『時の旅人』(以上岩波書店)、『チム・ラビットのおはなし』(童心社)、「おめでたこぶた」シリーズ、『むぎばたけ』『クリスマスのちいさなおくりもの』『ちゃいろいつつみがみのはなし』(以上福音館書店)など多数。1976年没。

「2020年 『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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