ふたごの兄弟の物語 上 (岩波少年文庫 156)

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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141566

感想・レビュー・書評

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  • 楽しい(^^)そっくりなふたごに対する世間の期待ってこれなんですよね。でも、中身は全く違うというのは本当は疑問。
    ラウレンゾーとジャコモは仲良しで、頭がよく、多分正義を愛するふたごの兄弟。
    ラウレンゾーは貴金属職人に、ジャコモはたまたま泥棒の親方に師事する。そして、どちらも素質を認められる。ジャコモは泥棒にはなりたくないが親方には認められたい。ジャコモの卒業試験はとあるお城から美しいジョッキをひとつ盗んでくること。それが出来たら認めてもらえるし、泥棒にはならなくて良い事となる。ジャコモは上手くやったが、ラウレンゾーは困った事になってしまう。
    上下巻とも二人が巻き込まれたり、引き起こしたりした事件を二人が解決していく展開。そして、そっくりな二人の顔が役に立つ( ´ ▽ ` )

  • これぞ、岩波少年文庫と思える作品。 ☆4.5
    バビナ国で生まれた双子の兄弟、ラウレンゾーとジャコモの成長物語が、上巻に8話、下巻に
    4話収められている。
    双子といえば私の高校の同級生にもいた。姉妹だったけれど二人とも音楽が好きで、弟ジャコモのように歌も作っていたことを思い出す。

    「さあ、みなさん!いいですか。・・」
    アンデルセン「雪の女王」からの引用で始まる
    第1話は「ふたごの誕生」
    靴屋のもとに子犬と子猫が2匹ずつ、鳩が2羽やってきた。そして奥さんが双子の元気な男の子を産む。幸運が舞い込んでくる書き出しは、昔話のようで読みやすい。二しずくの水のようにそっくりな兄弟が、仲良く並んでいるさし絵があるのも嬉しい。これから何が起きるのだろうかとわくわくさせられた。

    第2話「学校へ」
    学校へ毎日行くのが嫌な二人は、双子ならではの良い方法を思いついた。先生のトーマス修道士は嘘をついたことを罰するのではなく、ギリシャ神話を聞かせて二人に反省を促した。二人いっしょのほうがずっと楽しい!と気づいた双子の少年時代がこのまま続くように思われたのだが・・

    悲しい別れを経験した双子の兄弟が世の中へ出ていくことになるのは、第3話から。仕事を探すために二人は別々の道に進んでゆく。
    「タラムーラ城の銀のジョッキ」「なぞなぞ騎士」「消えた小麦袋の謎」と、二人の大冒険の旅は続く。双子の片方が窮地に陥ればもう片方が必ず助けに行く。だが、とても良き相棒だったはずの二人に・・

    第7話「ダイヤモンドの燭台」では、双子の兄弟は同じ少女をめぐって恋の火花を散らす。気まぐれなマルヘリータ姫に聞かせた「三人の旅人」の話が良かった。「美しい姫ぎみに恋して争う木彫家、仕立て屋、巡礼者の三人。老人が出した助言に従い愛を告白するが、姫ぎみは何も答えずただ黙っている。取っ組み合いのけんかの最中に、三人が"命"を与えた姫ぎみは、元の木像に戻ってしまう。心がなく、愛を感じることのできない木像に過ぎないとわかり、三人の愛はすっかり消えてしまった。」教訓とも言えるお話だが、何だか虚しさを覚えた。

    最後の8話目は「宿屋"妖精の客"」
    宿屋の主人がジャコモの元親方で"泥棒のヤノス"だとわかり、二人で懲らしめる話は面白くて笑ってしまった。

    下巻は、船に乗って見知らぬ国へ旅する話のよう!楽しみながら読み進めたいと思う。

  • 誰も見分けることができないほどソックリなふたごの兄弟が繰り広げる、奇想天外な冒険譚。
    ワクワクする話ばかりで、元気がもらえる。

  • 岩波少年文庫の中でも面白かった本、子どもに勧めたい本の上位に入る本。

    見た目はそっくりでも性格の全く違うふたごの兄弟ジャコモとラウレンゾー。

    二人の考えることが面白い。

    15歳であっけなく両親が亡くなりどうなるかと思ったら、そこからが本当の冒険の始まり。

    また、あちこちに心に残るフレーズもあり、各章の初めの引用もよかったです。

    高学年以上におすすめです!

  • うりふたつの双子ラウレンゾーとジャコモが、さまざまな困難にぶつかりながらも、助け合い、知恵を絞り合って乗り越え、正しい道を歩んでいく物語。

    兄弟が別々の道を行く分かれ道が印象的だった。人生は「選択」の連続ということを象徴するような分かれ道。この物語には二人の兄弟が自分の進む道を「選択」する場面が多く出てくる。性格が全然違うラウレンゾーとジャコモだが、二人が選択する道はいつも自分の良心に真っ直ぐな道だ。

    「盗み」の力を証明しなければならないが「泥棒」にはなりたくない。客に預かった譲るよう脅されるが、どうしても渡したくない。愛する人と結ばれるためには嘘をつかなければならないが、偽りたくない。

    だから、二人の行く手には困難が待ち受ける。どうやってこのピンチを乗り越えていくんだろう、どうやってこの問題を解決するんだろうと、どのお話もワクワクしながら読めた。そして、決して楽な道に逃げず、たとえ困難でも自分の信じる道を行く二人の姿がかっこよかった。それに心打たれていく人を見るのも心地よかった。

  • 図書館の「自分に合った仕事とは?」というお楽しみ袋の中に入っていた1冊
    岩波少年文庫ということで入りは正直舐めていた。
    話は面白く、トンチが効いている部分もあり、まさに仕事について考えるきっかけになるパートや参考にしたい考え方が出てくる。

    双子の男の子が主人公、2人は見た目は瓜二つだが中身は結構違う。でも小さい頃から大人になっても2人でいるのが1番だと考える大の仲良し。
    成長過程で2人が一度道を違える場面があるが、そこがのちの2人の性格の差に大きく影響していると思う。危険なこともたくさんあるけれど,自分たちのしたいことをする2人の姿に自分も頑張ろうと思える。
    まさに仕事をはじめとした生き方の考えの参考になる。下巻も楽しみ。

  • 「そっくりだけれど,性格はまったくちがうふたごの物語.まじめに貴金属細工の修業をするラウレンゾーと,ぬすみがうまくて,歌と冒険が大好きなジャコモ.盗難事件にまきこまれたり,片方を好きになったお姫さまから誤解されたりと,ゆかいなできごとの数かずに,うり二つであることを利用しながら力をあわせていどみます.」

  • 兄ラウレンゾーと弟ジャコモ。見た目はそっくりだけど、性格も望む生き方もずいぶん異なる双子の兄弟が繰り広げる冒険の物語。昔話風のエッセンスを散りばめ、終始のんびりとした語り口ながら、双子が瓜二つの見た目はもちろん頭脳と閃きを活かして問題を乗り越えていくところが爽快。

  • 中2の時に読んだ。
    何回も読んだなぁ。

    とにかく賢い双子の兄弟がいろんな問題を面白おかしく解決していくんだよなぁ。

  • 私はこの本で、とても顔が似ているジャコモとラウレンゾーのふたごの兄弟が顔が似ているということを利用して、いろいろなことを解決していくのがおもしろかった。
    特に心に残ったのは、レイモント騎士とのやりとりだ。どんななぞなぞもとけるレイモント騎士に顔が似ているということで、とても難しいなぞなぞをだしたので二人はすごいなと思った。
    この本を読んで、顔がとても似ているということはいいこともあるし、まちがえられるまどして困ることもあるんだなと思った。

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