マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫 158)

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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141580

感想・レビュー・書評

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  • 子だくさんで、半地階に住み、会社と家との往復で生活に疲れきっているようなマルコヴァルドさん。そんなくたびれた中年男にも自然の四季折々はいくばくかの潤いをもたらしてくれる。真面目な気持ちで読んでいると、ずっこけてしまう。それはないだろうというオチが待っている。しかし・・・これって子どもの読む本かなぁ、首を傾げたくなる。大人の私にはそこそこ楽しめるけれど。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これって子どもの読む本かなぁ」ですよね。初めて読んだ時、何とも言えない気持ちになりました、大人だからシミジミ思うって感じですねぇ~
      「これって子どもの読む本かなぁ」ですよね。初めて読んだ時、何とも言えない気持ちになりました、大人だからシミジミ思うって感じですねぇ~
      2012/03/01
  • マルコヴァルドさんの四季のタイトル通りマルコヴァルドさんが四季を過ごす話。身近なものから季節の変化を感じとる感性が素敵。

  • ちょっぴりズレてるマルコヴァルドさんの素敵な日々。

    都会の中であくせく働き、四季の移り変わりに心を寄せる。マルコヴァルドさんを紹介するとそういう人なのだが、それはこの物語の魅力とはちょっと違う。

    マルコヴァルドさんは、都会の中の小さな自然を見つけては喜び、しかし物語はちょっとビターな方向に転がっていく。公園のベンチを別荘と洒落込んでも光や音や臭いのせいで眠れない。キノコを見つけたら食あたり。スーパーマーケットやネオンサインに振り回される。

    でもマルコヴァルドさんは挫けない。子沢山で家計は苦しく、いつも思ったようにはいかないけど、マルコヴァルドさんはブツブツ言いながらも楽しそうだ。

    生きるってこういうことなんじゃないかと、便利さに染まりきって疑問にも思わない自分を振り返る。

  • 子供に媚びることなく、正直に描かれている

  • かなり昔に読んで、児童書にしては暗い本だと思っていたが、今再び読み返すと、その暗い部分の意味がよく分かるだけになおさらやりきれない気持ちになる。文学的にはもっと高い評価をしてもいいと思うが、一筋の希望も見えない話は、やはり面白いとは言い難いので星は3つにしておく。もう少しユーモアのある風刺なら救われるのに…。しかし、カルヴィーノは大好き。

著者プロフィール

イタロ・カルヴィーノ(Italo Calvino)
1923 — 85年。イタリアの作家。
第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、
『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。
『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』『レ・コスミコミケ』
『見えない都市』『冬の夜ひとりの旅人が』などの小説の他、文学・社会
評論『水に流して』『カルヴィーノの文学講義』などがある。

「2021年 『スモッグの雲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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