黒ねこの王子カーボネル (岩波少年文庫 161)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141610

感想・レビュー・書評

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  • 読みたい! と思った時に既に、絶版?になっており。地道に古書店巡りして探すしかないと思っていたのに、普段あまり行かない書店に行ったら、なんと新品で売っていた! 出合える時は出合えるものだなぁ。

    黒猫のカーボネル(猫の王国の王子様)が、人間に媚びない感じでなんか新鮮。
    ロージーもいい子だし、ジョンと仲良くなれて本当に良かった。私もこんな夏休み過ごしたかったよ……!

    これを子どもの頃に読めたら幸せだったろうな~。大人になった今、読んでも普通に面白かったけれども。

    できれば続編の『カーボネルの王国』『ジェサミー』も読みたかったけれど、日本語訳出てないのか、残念……。

  • 日本版は1985年出版、オリジナルは1955年イギリス。
    (作中で主人公ロージーが「たのしい川辺」を読もうとするシーンがあった。)

    都会の母子家庭に育つロージーが、偶然から黒猫の王子カーボネルの主人になり、その囚われの魔法をとく手伝いをする話。

    魔法に必要な道具を集め回るシーンが長い。
    のみの市の古道具屋のおじさんがいいキャラだった。
    魔法を使うのには詩作の才能が要るというのが面白い。

    ところどころに、おっと思わせる台詞があって楽しい。魔法の本は、めいめいに魔女が自分で新たな魔法を書き足すのを、お料理の本みたいね、とか。

    全編通して、猫のカーボネルが偉そうで可愛い。やっぱり猫はこんなかんじ。

    相棒のジョン、本名はランスロットっていうのかーーここだけ興奮。ジョン自身は本名を嫌な名前だと言っている。そうなんだ、古臭い名前という認識なのかな。

    ロージーが魔法でカーボネルを解放するシーンがとても素晴らしい。
    単調で冗長なところもある物語だが、ここは本当に良かった。

    敵の正体が面白い。なるほどー。
    都会の夜空を、建物をかすめながら飛ぶシーンはとてもワクワクした。こういうの、子供のころに憧れたなあ。

    猫のマルキンという大臣キャラが出たので、え、ブラックマルキン?グレイマルキン??と反応してしまう(メイスフィールドに出てきた悪い猫の名前)
    このマルキンは善玉キャラだった。

    ラスト、ほうきで魔法を失うシーン、なんだか涙が出そうになった。それでもロージーもジョンもお母さんも、カーボネルも、幸せそうでとても嬉しい。
    挿絵のタッチも好き。

  • そのおじいさんは、綿の商売で財産をつくり、そのあと、その財産をどうしてつくったかわすれてしまおうとして、南の方へひっこしてきたのだということでした。(本文85ページ)
    流石イギリスの児童文学。財産を築いた平民が田舎地主となり、上流化(正確にはアッパーミドル化)していく過程がさりげなく描かれています。
    本筋とは全く違うけれど、一番印象に残ったのはここ。

  • ねこの本を探しているときに見つけたけれど、物語のなかでは夏休みだから、読む時期をはかっていた。
    そろそろ初夏だなぁと思って借りた。

    十歳の女の子・ロージーは、お母さんと二人暮らしで、夏休みなのに予定がありません。
    買いものにでかけた市場で手に入れたのは、魔女のほうきと黒ねこでした!

    夏休みなのに予定がない、という子どもたちにやさしい、夢のある本だ。
    クライマックスで飽きかけたけれど、最後までおもしろかった。
    魔女の描写がリアルにいやらしい。
    おはなしに登場するものごとがうまく話を進めていて、パズルが進んでいくようだった。
    ほうきの上から地上の列車と光がみえた。
    ネコまっしぐら なところを見かけたら、そういうことなのかもしれませんね。

  • お母さんと二人でつつましく暮らしていたロージーには、夏休みに遊びの予定がありません。市場で手に入れることになったほうきと黒猫は、魔女のものでした。猫の魔法を解いてあげようと、ロージーの不思議で面白い冒険が始まります…。
    猫たちの王子にうまれついてるという気位の高い黒猫カーボネルと実直な子どもたちのやりとりや、出会う人々と優しいお母さん、お話を通して(作者の)優しいまなざしが感じられるのもいい。
    また、大社玲子さんの挿絵は、確か『ちびねこグルのぼうけん』でもいいなと思ったように、どこかほんわかとする柔らかな雰囲気が伝わってきます。

  • ロージーの夏休みは黒猫とともに大冒険!

    ロージーが市場で見つけたのは、ほうきと黒猫。黒猫は王子カーボネルと名乗ります。彼を自由にするためには、釜と帽子が必要で、さらにかけられた「音なしの魔法」を明らかにしないといけないのですが——。

    ちょっと生意気な黒猫カーボネルと、ロージーのやり取りがかわいい。だんだんと心を通わせてお互いに信頼する関係になる。一緒に冒険するジョンも、優しくて勇気があり、機転も効く、とてもよい少年。最後の王座を取り戻す戦いまでドキドキさせるし、すべてがうまくいくラストも素晴らしい。ジブリにもありそうな物語だった。

  • ロージーがほうきを買おうとしたら、黒猫もいっしょに売りつけられた。ほうきは魔法のほうきで、ロージーと黒ねこをのせて空を飛んだ。おまけに黒ねこがしゃべりだした!

    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)

  • お母さんと2人でアパートに暮らす10歳の女の子・ロージー。明日から夏休みですが、お母さんは働いているし、生活に余裕はなく、夏休みの予定が何もありません。
    そこでロージーは、お掃除をしてお金を儲けようと思い、フェアファックス市にホウキを買いに出かけ、思いがけず、魔女のホウキと黒猫を手に入れます。
    魔女に隷属の魔法をかけられたネコの王子・カーボネルを救うため、ロージーは、魔女の帽子と大釜、そして『音なしの魔法』の秘密を探ります。
    元気な男の子・ジョンも仲間に加わり、魔法を解くための冒険が始まります。



    貧しいけれど、心豊かに暮らしているロージーとお母さんの暮らしが魅力。
    1955年頃のイギリスの庶民の暮らしが反映されているようで、なんだか不思議な魅力を感じます。
    晩御飯の描写だと思うのに、ジャムとパンとか。当時のイギリスのご飯はそんな感じ?

    時折挟まれるイラストが良いです。
    あまり想像力が働かない場面でも、イラストが加わると途端に色鮮やかに場面が再現されます。

    どんな話なのかいまいち摑めずふわふわと読んでいたのですが、時折鮮やかな伏線回収があって、唐突なアハ体験に見舞われます。
    そうだったのか!という気付きは気持ちがいいです。
    特に、お母さんの職業が話の展開に寄与しているところなど、うまいなぁと思いました。

    『秘密の花園』や『トムは真夜中の庭で』など、昔のイギリスのお話って、雰囲気があっていいなぁと思いました。

    猫好きさんにもおすすめ。

  • 2013年7月28日に開催された、第7回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。
    テーマは「夏休み」。

  • おもしろかった〜

    魔女のホウキと黒ねこを買った女の子の冒険

    猫の王子がかわいい

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