バンビ――森の、ある一生の物語 (岩波少年文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141993

感想・レビュー・書評

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  • 森に生まれた子鹿のバンビが成長していく様子が丁寧に描かれています。

    犬が登場しているというので読んでみましたが、森を破壊する人間の手先でしたね。

    まあそれはともかく、本書が動物文学の名作であることは間違いないと思います。

  • 「森に生まれた子鹿のバンビが、仲間たちと交わりながら、いきいきと成長していくさまを描く。初めて草原に出たときの喜び、人間に遭遇したときの恐怖、思春期の目覚め、森の古老へのおそれ……。森の動物たちの世界を、詩的な筆づかいで愛情を込めてとらえた、動物文学永遠の名作。新訳。」

    人間の代表として登場する狩人との関わりを通して、”生きる”ということを考えさせてくれる。だんだんと親の手を離れていく高学年におすすめ。

    「大人になって読んだ本で、もっと早く子どもの時に出会っていれば、という後悔を感じたことがほとんどないんですね。大人になって読んでよかった、取っておいてよかった、そして、子どもの頃だったr、ここまではじかに触れられなかっただろうっておもったりするんです。」江國香織(「特集 江國香織少女の時間」より、江國さんが選んだおすすめの子どもの本。)

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00171369

  • はじめはお母さんと一緒に、仲間たちと共に、そしてひとりになり。徐々に徐々に成長していく子鹿のバンビの物語。初めて草原に出た喜びも人間に遭遇した恐怖も思春期の目覚めも古老へのおそれも。全部経験して吸収してたくましくなっていく。とても人間らしい。大人になる、自立ってこういうことか。壮大。

  • ディズニー映画にもなった本です。バンビという小鹿が森の仲間たちと生き生きと成長していくお話です。森の世界での出来事をバンビと共に体験してみませんか。

  • バンビは、かわいいディズニーキャラクターとして有名ですよね。でも、バンビって実際にはどんな子鹿なのか、知っていますか?この本を読んでバンビの住む世界へ飛び込もう。

  • 子鹿のバンビがお母さんや仲間たちと自然の中で生き、成長していく物語。同種のゴーボやファリーネ、何種類もの小鳥やリス、ウサギ、大きな親類、古老、それぞれとの関係(上下関係も含めて)。
    厳しい自然、生存に関してシビアな本能に従って生きており、でも「人間的」な感情を持って描かれる動物たち。

  • ディズニーのかわいいバンビちゃんを思って読んだら、泣いちゃうよ~!
    厳しい冬など自然の脅威、人間との葛藤
    怖ろしいと思ったり、やるせなく思ったり
    崇高で威厳がある古老の存在が印象的

  • バンビというとディズニーのアニメやキャラクター、もしくは子鹿の愛称というイメージしかない方も多いでしょう。そのイメージで読み始めるとあっという間に覆されます。
    ここに書かれているのは自然の全て。美しく雄大な姿だけでなく、厳しく冷淡な姿もまたそのままに書かれています。
    生まれたばかりで何も知らず、何にでも興味を示すバンビ。母鹿はそんなバンビにそれらを教えるのですが、中には敢えて教えないことも。読者はバンビの視点で自然と接するので、その教えてもらえないものに対してバンビとともに不安を感じます。そしてついにバンビが「あいつ」に出会った時に、ともに恐怖しショックを受けるのです。
    この書き方は実に怖いです。蝶が舞い鳥が歌う、そんな世界から一変するのですから。それは「あいつ」つまり自然に侵入する人間だけでなく、冬の寒さなど幸せに満ちていたと思っていた自然の厳しさもまた容赦なく突き付けられます。今まで光り輝いていた命が消え去る描写は、呆気なく淡々としています。しかしそんな厳しい自然なのに、雄大な美しさはそこにあるのです。それはバンビのストイックとも言える生き方にも現れているでしょう。

    母との別れ、雌鹿との恋、古老への憧れ。雌鹿と結ばれて終わるのかと思いきや、バンビは古老とともに生きる道を選び、自らもまた森の古老へとなり次世代を見守るようになるのです。読者はバンビとともに時を過ごし、自然の全てをバンビを通じて感じるのでしょう。

  • 森に住む動物たちがとても生き生きとしていて、森の音が鮮明に聞こえてくるようだった。
    子鹿だったバンビも古老や仲間たちと共に生き抜きながら、立派な古老に。
    出会いたいなー。
    自然の美しさを教えてくれる作品だった。
    児童書として出版されているけど、子供だけの読み物じゃもったいない。

  • ◆きっかけ
    2016/9/25 ブクログ。

  • 生きる哲学の詰まった本。
    動物が動物らしく生きている。
    生きるということは、美しい。
    同じ物事でも視点を変えると
    違って見えるということに気づかせてくれた本。
    ドキドキハラハラ、最後は感動。
    何度も読み返したい。

  • 動物の行動や心理描写が秀逸。

  • 人間の残酷さ、身勝手さについて改めて考えさせられた。自然の動物の目線に立って読めて、共感もできる。物語というよりは森の記録というかんじもする。

  • ディズニー映画とは、けっこう印象が違うかも。

    原作のほうが、人間との関係に主題が置かれてる感じがする。

    産まれたてのバンビが見る森の描写なんかは、バンビになった気分で新鮮に読める。

    けど読んでるうちに、いつのまにかバンビが遠い存在になってしまっている。
    なかなかハードボイルドというか、ニヒルでございますな。


    続編?の『バンビの子どもたち』も読んでみたいなぁ…。

  • 圧倒的な古老の存在感。
    森の匂いや日差しまで感じる情景描写。

    すごい!
    ほんとに読んで良かった。

    ディズニー映画のバンビとは、別物。
    あのイメージがあって敬遠してたけど、
    全く次元が違ったぞ。

  • 森で生まれ、森で生きる小鹿の物語。動物たちの営み、喜びと別れ、本能、自立と孤独、そしてまた命が巡る姿を描く。
    ディズニーアニメは知らないが、単に幸せな物語調にしないこちらは、とてもよかった。

  • 森に生まれた子鹿のバンビが、仲間たちと交わりながら、いきいきと成長する姿をえがく。初めて草原に出たときの喜び、狩人への恐怖、思春期の目覚め、自立と孤独…。

    シカの生態をそのまま物語にしてしまったかのよう。
    「森の、ある一生の物語」というのがまさにこの話を表している。
    バンビは森の仲間からいろいろなことを教わり成長し、そしてバンビが次の世代へと伝えていく。そうやって森の一生は続いていくんだな、と思った。森の動物に対して人間はおそれられているけれど、人間が強いわけではなく結局同じ生き物でしかない。
    2011/11/12

  • 興味をもったことはなんでも尋ねる無邪気な子供のバンビ、それにゆったりと答え、時には敢えて答えない母親。森の仲間と戯れ天真爛漫な子ども時代を経て、やがて立派な大人の鹿へと成長していく様子は素朴ながら感動的です。訳も柔らか。
    ディズニーのバンビが、その残像すら綺麗に吹き飛んでしまう。さよならでぃずにーバンビ。(あれはあれで可愛いけれど。)

  •  冒頭部分、生まれたばかりのバンビの成長の日々は読んでいるこちらも幸せになってしまいますが、長くは続きません。
     突然森に現れる災いのもと【あいつ】。あいつが体の一部から轟音と炎と嫌なにおいを放つと、離れた場所にいる森の仲間が血を流して倒れ、死んでいく・・・。
    あいつってなんだろう。あいつは何がしたいのだろう。
    森の仲間はあいつの思うがまま死んだり、生きたりしているのだろうか。
     森の古老と触れ合ううちにバンビは気づきます。あいつも、自分たちも同じ、より偉大な存在の一部ではないのかと。

     対象年齢は小学5~6年以上ですが、自分が小学5年生だったら、どこまで深く読めただろうか、単に物語の筋を追うだけにとどまっていたと思います。一度読めば何度も読み返したいと思うだろうか。今読んだことで味わえる感動がありました。
    そしてとにかく【あいつ】が怖かった。
    『動物たちにとっては、銃を持ち、狩りに突然やってくる【あいつ=人間】、どうしようもなく逃れられない相手、人間にとっては「津波」のようなもので、とにかく逃げるしかないのよ』
     私の中の【あいつ】に対する言いようのない恐怖の正体はこれだったのか、この本を読んだ友人の言葉に目の覚める思いでした。 

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著者プロフィール

フェーリクス・ザルテン 1869年、オーストリア=ハンガリー帝国時代のブダペスト(現在ハンガリーの首都)に生まれる。本名はジークムント・ザルツマン。ウィーンに学び、劇評や戯曲、小説を執筆し、ジャーナリスト及び小説家として活躍した。ナチスの進出によって1938年にアメリカに亡命。その後スイスに移り、1945年にチューリッヒで亡くなった。『バンビ』は刊行以来、世界中で翻訳され、1942年にはディズニーのアニメーション映画にもなった。続編にBambis Kinder(バンビの子どもたち)がある。このほかにも、動物を描いた物語を数多く手がけている。

「2021年 『バンビ 森に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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