- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001142372
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦のあとの
イタリアの小学校が舞台のおはなし。
でも、これが意外と普遍的。
どこの国でもこういう先生はいて
こういう子供たちの悩みがあるのね。
公立小学校に通う小学4年生のプリスカは
作家になりたい女の子。
絵が得意なロザルバと
戦災遺児のエリザが大切な友達。
新学期に私学からやってきたスフォルツァ先生は
上級学校への進学率を上げることで
自分の名声を得ようと
おべんちゃらのうまい生徒を可愛がり
留年組の生徒をあからさまに貶める。
正義感の強いプリスカたちには
先生の行動が耐えがたく
なんとか一矢報いようとするのだが。
いや、もう、ほんまに腹立つ先生です。
でも実は、主人公たちも
クラス全体としては「いいとこの子」
特にエリザは、遺児とはいえ
もと貴族の家系のお嬢様で
伯父たちに育てられているし。
だから、留年組の生活をかいま見て
(典型的な貧乏子だくさんの家)
ちょっとショックを受けたりする。
それもまた、成長の通過儀式か。
あと学校生活と並行して、プリスカの初恋?の話や
家庭教師の先生の秘密などもあります。
月ごとに1章さいて、一年間の物語。
合間合間にプリスカの妄想炸裂な
自作〈物語〉もはさまってて
なかなか読みごたえある児童文学でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こころの一冊
「あたしのクオレ」
嫌みな先生やっつけろ
日本経済新聞 夕刊 くらし (9ページ)
2017/12/15 15:30
名門女子校から来た新担任は教育熱心で親からの信頼は絶大。だけど、規律一点張りで体罰をふるい、貧しい家の子を露骨に差別する嫌みな先生でした。
主人公プリスカは元気いっぱいの小学4年生。エリザとロザルバの仲良し3人組で、先生をやっつける作戦を次々に考えます。でも相手は成績表を握っているし、クラスには先生のごきげんとりグループもいて計画はことごとく失敗してしまいます。けれどプリスカはくじけません。「体をあらいすぎたまま母の悲劇」「のろわれたスプーンの話」などゆかいなお話を作ってストレス解消です。
クオレとは、イタリア語で心と心臓を意味し、同名の児童文学の古典もあります。そちらは理想の先生との1年で、対するこちらは最悪の先生との1年の物語。プリスカの心臓は怒りで破裂寸前。3人はついに亀を利用した必勝の作戦で挑みます。頑張れ、プリスカ!
(浦安市立中央図書館司書 大宮祐子)
ビアンカ・ピッツォルノ著、関口英子訳、岩波書店、(上)778円、(下)821円
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「作家を夢見るプリスカと、親友のエリザ、ロザルバは、4年D組のなかよし3人組。楽しいはずの学校生活、ところが新しく担任になったスフォルツァ先生は貧しい家庭の生徒をひどく差別する人でした。それに憤った3人は、あの手この手でたたかいを挑みます。」
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新しくクラスの担任としてやってきた先生の厳しさと依怙贔屓に憤慨し、なんとかとっちめようとする仲良し三人組少女たちの一年間の物語。感想は下巻のほうに。
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なぜか下が先に登録されてしまった。イタリアの小5女子三人組がメイン。こどもならわくわく読めそうだなぁ!
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教育者としてあるまじき先生もいるのよねー