宝島 (岩波少年文庫 528)

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145281

作品紹介・あらすじ

ジム少年は、トレローニさんや医者のリヴシー先生とともに、フリント船長が埋めた莫大な財宝を探しに出帆した。が、船のコックとして乗り組んだ一本足の海賊シルヴァーがおそろしい陰謀を企んでいた…。海洋冒険小説の名作。

感想・レビュー・書評

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  • アニメを見たので本も読みました。子供の頃簡易版で読んだので話は知っているけれどちゃんと読んだのは初めてです。
    アニメの感想はこちら。
    https://booklog.jp/item/1/B000GJ0MW6

    ***
    かつての大海賊フリント船長の隠した宝の地図を手に入れたジム少年は、医者で判事のリプシー先生、郷士のトリローニさんと共に宝島を目指す。
    しかしその船、ヒスパニオラ号にはフリント船長の船に乗っていた一本足の海賊ジョン・シルヴァーが乗り込み、船員たちを仲間に引き入れ、反乱を企んでいた。
    宝島に着いたジムは、島でかつてフリント船長に置き去りにされた海賊の生き残りベン・ガンと知り合う。
    ベン・ガンはシルヴァーを恐れ、ジムたちの手引きをするから自分をキリスト教の国に連れて帰ってほしいと願う。

    ジムは、トリローニさんとその下男たち、リプシー先生、スモーレット船長、船員のグレーと共に、かつてフリント船長が建てた丸太小屋に立て籠もる。
    攻撃を仕掛けるシルヴァーたち。敵も味方も次々に倒れてゆく。

    海賊たちとの攻防戦。
    シルヴァーは敵か味方か?
    ジムたちと海賊たちは、どちらがいかに宝を手に入れ無事に島から脱出するのか…。

    ***

    物語は、大人になったジムが当時を振り返っての手記という形式です。そのため冒険譚ではありますが安定した語り口です。

    ジム少年は、フリント船長の地図を手に入れ、シルヴァーたちの企てを立ち聞きし、ベン・ガンと知り合い、ヒスパニオラ号を海賊から解放しと、なんか物凄い大活躍。
    しかしその行動の裏には若いながらの軽率さもあり、本人も反省したり、先生から「自分勝手なことをした君を最優先にはできなかった」と厳しく言われたり、全てが終わった後にはスモーレット船長から「君は人に可愛がられる要素がある立派な少年だが、私の手に余るからもう一緒に航海には出たくないなあ」だとか言われてます(笑)

    敵役のジョン・シルヴァーは、アニメ版だと男の中の男としてジム少年と心を通わせ、敵ながら憧れの存在ですが、原作では愛嬌と恐ろしさを持つおっさんです(笑)
    逞しい体で、ブタのもも肉みたいに分厚く不細工な顔立ち、松葉杖を操り一本足とは思えないほど身軽。
    その場の様相を感じ取り、場を和ませるためには陽気に歌ったり笑ったりするし、敵になる相手は瞬時に攻撃します。敵と味方を天秤にかけ、自分を助ける者には遜ることも厭いません。
    海賊たちは縛り首を恐れていて、それは死ぬ恐怖だけではなく、あれだけ海で活躍した男たちが吊るされて揺れているという人間の尊厳の欠如も恐れてるのでしょうか。

    大人も子供も惹かれる冒険譚です。

  • 面白過ぎて、感想書くまでもありません!(*^^*)

  • こちら、「ロビンソン・クルーソー」の書評エントリーにも書いたように、KiKi の子供時代には「男の子の必読本」みたいな位置づけの物語でした。  正直なところ、この「宝島」や「ロビンソン・クルーソー」あたりが宮崎駿氏の推薦リストに載っているということ自体がある意味で「時代」を感じさせるような気がしないでもありません。  イマドキの子供たち(特に男の子)はこの2作品を読んでいたりするのかなぁ??  KiKi であってさえ、この2冊に関しては「元祖 海洋冒険小説」というような捉え方をしているところがあったりするぐらいですから、イマドキの子供たちにしてみればもっともっと「古臭い物語」という印象があっても不思議じゃないような気がします。

    そしてね、読了してみて感じるのは昨今の刺激に満ちた「アドベンチャーもの」と比べるとどことはなしに地味な気がしないでもない・・・・。  決して物語としての起伏がないわけじゃないし、面白いんだけどそこかしこに感じるこの「地味」という感想の根っこにあるのは何なのかしら?  色々考えてみて、思い当たったポイントがあるのでそのお話をしてみたいと思います。

      

    この物語、構造としては宝島探検に出かけた際の顛末を当時は少年だったジム・ホーキンズの回想という形をとっています。  回想だから仕方ないのかもしれないし、ある意味ではジムさんの「自己肯定」の当然の成り行きなのかもしれないけれど、ジム少年の向こう見ずな行動(別の言い方をすれば「冒険」)の話を始める際に、必ずと言っていいほど出てくるのが以下のような趣旨のフレーズです。



    私の選択は無謀であったが結果的にそれが私たちの幸運を招くことになったのだ。


    こういう前置きがあっての冒険だから、読者はある意味で「結果オーライ」であることを知ったうえでジム少年の冒険を読むことになるんですよね。  これって「刺激的に過ぎる」ことを避けるある種の節度でもあるとは思うんだけど、やっぱり冒険ものに「ハラハラ・ドキドキ」は必要不可欠な興奮状態であるとも言えるわけで、もっと刺激の強いものにさらされている現代人にはちょっとお節介に過ぎる印象を残しちゃうんだと思うんですよ。

    そもそもが「回想」だからジム少年がこの冒険で生き残ることは明白なわけで、敢えて話を始める前に「結果的に彼の選択が幸運を呼び寄せることになった」ことを言わなくなってストーリーの中でわかればそれで十分とも言えると思うんです。  で、こんな前置きがあっての「海そのものや海賊との死闘」やら「捕虜生活」の話はどうしてもどこか緊張感に欠けちゃうんですよね~。

    もちろんそれを補って余りある(と言ってもその余りはわずかなんだけど ^^;)ストーリーは用意されているんだけど、それでも・・・・・と思ってしまうのは、やっぱり KiKi がハリウッド的な刺激に馴らされちゃっている証左なのかもしれませんが・・・・・・ ^^;

    この物語の中で KiKi にとって一番ハラハラ・ドキドキだったのは、宝島に到着してからの本格的な海賊たちとの争いの場面ではなく、ベンボー提督亭(ジム・ホーキンズのお父さんが営む酒場兼宿屋)で起こる一連の事件の部分で、どう贔屓目に見ても「荒くれ者」としか見えない宿泊客ビリー・ボーンズ(老海賊)が得体の知れない「一本足の船乗り」や「黒犬と呼ばれる男」の出現を警戒している場面です。  この部分に関しては上記のような余計な注釈がない分、そしてジム少年が「よく分からないうちに巻き込まれちゃった」状態だっただけに、ある種の緊張感が溢れていて KiKi を物語世界にグイグイと引き込んでいってくれました。

    それにしてもこの物語の悪役、ジョン・シルバーという男は実に難解な男です。  現代的な「理性」みたいなものはまったく持ち合わせていない割には、まるで二重スパイさながらの立ち位置の変更をあっという間に成し遂げるし、凶悪な表情を見せたと思うとやけに人当たりの良い普通の人っぽい表情も見せ、窮地に陥ると結構頭の回転は早くなるし、魅力的と言えば魅力的、醜悪と言えば醜悪な人物だと感じます。  ま、あんまりお友達にはなりたくないタイプですけどね♪



    さて、最後に・・・・  この本の宮崎駿さんの推薦文は以下のとおりです。



    この本をもとに、どれほどたくさんの宝探しの物語、映画、マンガ、ゲームが作られたことか。  宝物もありとあらゆるものが考えられました。  沈没船の金貨の山、大判小判がギッシリつまった瓶、握りこぶし位のダイヤモンドや宝石、黄金の王冠から魔法の珠や剣、その他・・・・・。  宝のありかを記した地図も形を変えて今でもしょっちゅう使われています。
    どうして人は宝物が好きなのかということはさておき、この本は本当におもしろいのです。  読んで損はないと思います。  何しろおおもとの本なのですから。

  • 中学男子が「男のロマンを感じる本読みたい」と言うので岩波少年文庫で読んでみました。死人の箱には十五人 ラム酒をひとびん、ヨーホーホー・・・。ジム少年、荒くれ者の海賊達にまじって宝捜しの旅へ・・・。よかったです。私も中学生の頃読みたかったなあ。中高時代の読書量の不十分さをちょっと後悔してます。

  • 面白すぎました。

  • 「ジム少年は,トレローニさんや医者のリヴィシー先生とともに,海賊フリント船長がうめた莫大な財宝を探しに出帆する.ぶきみな1本足の海賊シルヴァーの陰謀にまきこまれ,はげしい戦いが始まる….手に汗にぎる海洋冒険小説の名作.」

    ・悪者に追われる緊迫感やスリルで、あっという間に物語の中に引き込まれる。
    岩波少年文庫か、福音館の完訳がおすすめ。

  • シルヴァはもっと始めから出てきて、海賊中心の話かと思ってた
    視点人物は少年、海賊とは敵対
    シルヴァは雇われ船員からの裏切り者筆頭で海賊側船長になり、途中で再度裏切り主人公側につく

    船出までが存外長く、冒険はなかなか始まらない
    島での冒険、生活についてもっと読みたかった
    終盤やけにあっさり万事解決する

  •  古典の名作はやはりおもしろかった。読み始めたら止まらない。有名すぎるので内容については省くことにする。外国作品を読んだときに楽しみにしているのが「訳者あとがき」だ。作家についてはもちろん、作品の時代背景などもわかり、より深く物語を知ることができる。原タイトルが「船のコック」だったということも、なるほどと思った。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/722670

  • 宝島というタイトルから、
    インディージョーンズの様な、
    冒険話かと思ったら、
    海賊の宝を巡る裏切りバトルロワイヤルで、驚いた。

    めちゃくちゃ殺し合いしていて、
    結構びっくりした。

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