ホメーロスの オデュッセイア物語(上) (岩波少年文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001146110

作品紹介・あらすじ

トロイア攻略後、ギリシア軍の智将オデュッセウスは、故郷の島をめざして地中海の青海原に乗りだす。苦難と冒険の航海は10年におよんだ。故郷では、妻ペーネロペイアに求婚する貴族たちが居座り、悩める息子は父の消息を求めて旅にでる。中学以上。

感想・レビュー・書評

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  • 3月に唐突に自分自身に追加してしまったマイブームは【ギリシャ神話】と【宇宙飛行士】。
    (他にも沢山のマイブームを抱えているが)

    新たな2つのジャンルについては、大型書店へ行って購入してきた数冊と図書館で借りてきた数冊を並行して読んでいる。
    期限の無い購読本は、なかなか「読み終わった」にはならないのが常なので、「本棚」に登録できる日は遠いのだが…。

    本書はそんな数冊の内の1冊。
    ギリシャ神話繋がりの方。
    「『罪と罰』を読まない」のレビューにも書いたが、私はことごとく、いわゆる名作と言われているものやら古典やらが苦手であるし、翻訳物も結構苦手である。
    「源氏物語」も瀬戸内寂聴著ですら1巻しか読めなかったので、本書も現代人の著したものではあるが更に翻訳物だし(現代人と言っても、ピカード氏も翻訳者の高杉氏も長寿の末にとうに亡くなっている)、「私にはやっぱりダメかもしれないなぁ」と思いながら読み始めた。

    読めた!
    わかりやすかった。
    面白かった。
    さすが岩波少年文庫。
    これなら下巻へ進むことができる。

    「アルキノオス」「アンティノオス」「アンティロコス」「アンティクロス」
    「エウリュアロス」「エウリュマコス」「エウリュロコス」
    「ペイシストラトス」「ペイライオス」
    似た名前が多くて困るが、あまり影響はない。

    人喰いの島々以外では、漂流してきた者(オデュッセウスや、その息子のテーレマコス)を、どこの誰とも問わずにおもてなし(祝宴)をしている。

    花々の描写から、色彩が目に浮かぶ。

    イラストが素敵。

  • トロイア戦争終結後、大海原で漂流するオデュッセイアとその息子テーレマコスの冒険譚。
    とても読みやすく面白い。
    ギリシア神話の有名な神、女神や怪物、ニンフなどが沢山登場した。
    次巻がとても楽しみ。

  • 「トロイア攻略後、ギリシア軍の智将オデュッセウスは、故郷の島をめざして地中海の青海原に乗りだす。苦難と冒険の航海は10年におよんだ。故郷では、妻ペーネロペイアに求婚する貴族たちが居座り、悩める息子は父の消息を求めて旅にでる。中学以上。」

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/722854

    トロイア戦争で活躍した頭脳派ヒーロー・オデュッセウス。
    あとは故郷に帰るだけ…の道のりが波乱万丈だった!
    キルケー、カリプソ、セイレーン。聞き覚えのある生き物や土地が出てくる冒険物語。

  • ・望郷の思いというものが、この時代から人類共通の欲求だとわかって不思議な感じがした。また、神とオデュッセウスの会話から、その望郷の思いが非合理的であるという認識も読み取れて、合理的ではない人間らしさが描かれているように感じた。

    ・冒頭、オデュッセウスたちの船団が港を襲った後、別の島でオデュッセウスが「主人のいないあいだに盗みをはたらくわけにはいかない」と急に正義を語ったので思わず心の中でつっこんでしまった笑 冒頭の印象と違い、このシーン以降ずっとオデュッセウスは勇気と正義感のある立派な王として描かれていて、そちらがホメロスが書きたかったオデュッセウス像なのだなとわかった

    ・一つ目巨人ポリュペーモスが突然船員を岩にたたきつけて脳みそを飛び出させるとか、それで恨みを買ってるとわかってもよさそうなものなのにオデュッセウスが差し出した酒をおめおめ飲んだりとか、残酷な場面なのについコメディーのように読んでしまう部分もあってそれはそれで面白かった

    ・世界史で習ったトロイの木馬の話が、より血の通った物語として登場して感動した

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/722854

    トロイア戦争で活躍した頭脳派ヒーロー・オデュッセウス。
    あとは故郷に帰るだけ…の道のりが波乱万丈だった!
    キルケー、カリプソ、セイレーン。聞き覚えのある生き物や土地が出てくる冒険物語。

  • 冒険モノとしてワクワクしながら読みました。

  • ギリシャ神話の全体像が簡潔にまとまった本で予習の上本書に取り掛かった。オデュッセウスの冒険のあらすじがわかっていたため、あらすじを超える部分が簡潔なこの本は、それほど面白くは読めなかった。

    この本のコンセプトがそもそもそういうものなので仕方ないわけだが、原著の翻訳本とこの少年文庫の間くらいの本(日本語で書かれたもの)があれば良いのにと思った。


  • 2015年16冊目。

    ホメロスの『イリアス』に並ぶ世界最古の叙事詩の一つ『オデュッセイア』。
    『イリアス』はトロイア戦争そのものを扱っているが、『オデュッセイア』では、トロイア戦争が終わり、オデュッセウスの波瀾万丈の帰国の物語が綴られている。
    神々の怒りも助けも受けながらの長年に渡る航海・冒険はとてもスリリング。
    帰国を待つ息子の視点も現れ、そういう多眼的なところもいい。
    下巻では両者が出会い、荒んだ国の立て直しが始まるのではと期待。

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著者プロフィール

1917年、イギリス生まれ。1940年代半ばからフェアリーテイルの短編を50編書き、1949年にそのうちの15編を収録した短編集を出版。これを機に児童文学作家として歩みはじめた。これまで再三カーネギー賞の候補になるなど注目されている。邦訳に『ホメーロスのイーリアス物語』と『ホメーロスのオデュッセイア物語』(共に岩波書店)、『剣と絵筆』(すぐ書房)、『人魚のおくりもの』(長崎出版)がある。2011年没。

「2023年 『バーバラ・レオニ・ピカード 7つの国のおとぎ話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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