- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001150537
感想・レビュー・書評
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ケストナー②
「飛ぶ教室」を読んで、小さい頃に読んだ本も含めてケストナーの作品を読み直そうと思い、2冊目に選んだのがこの本。
アントンのお母さんの誕生日の話で、アントンの気持ちに同情して思わず涙。
点子ちゃんとアントンみたいに友情を発揮する機会はそうそう無いけれど、もし友達が困っていたら、なにも言わず手を差し伸べることができる人間でありたいと思いました。
子どもの時にこの本に出会うのも大切だけど、大人になって、特に子どもができたらもう一度この本を読みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ケストナーは本当に良いお話を書いてくれます。なんて素敵なキャラクター、点子ちゃんのおしゃべりに終始笑いっぱなしなのですが、物語にはきちんとした問題提起があります。登場人物がみな際立っていてわかりやすい。母親は自分の事ばかり。でも多忙な父親は点子ちゃんときちんと向き合おうとします。人間はそれぞれの環境で暮らし性質を持っている。けれど、幸せになるべく、耐えること、努力は必要なのだとケストナーは言っているようです。(今はそういった事を声高に言わぬような風潮もあるでしょ。でも時には大事なことですよね)各章に添えられた反省は、ケストナーから読書への愛あるメッセージです。きちんと安心させてくれる希望のラスト。宝物の一冊です。
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ケストナーのなかでいちばん好き。全部好きなので挙げきれない。
でもアントンのお母さんはちょっと納得がいかない -
これは小学校5年生の私が、当時流行(はやり)だった「りぼん」や「なかよし」といったコミックとは違い、本格的に一冊の本を読んで満足したと記憶する本。この本をきっかけに物語の面白さ、特に外国の子どもを主人公にした話に興味を持つようになったと思う。
物語の底辺に流れる、親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ち、友達を思う気持ち、悪いことは見過ごさない勇気、正しいことをした人をきちんと評価する、という人生に大切なことを子どもの頃に読めたことが本当に良かったなあと振り返って思う。
文は読みやすく思いやりに溢れており、作者ケストナーの人柄も感じさせるし、また訳がぴったり私好みだったから好きになったのだと思う。
私の読書への入り口にもなった本で二人の主人公には特別な気持ちがある。そのうちの一人「点子ちゃん」の枠にはまらないのびのびした発想とユーモア、ファイトある元気な女の子は私の憧れ。
他のファンには申し訳ないと思いつつ、ニックネームにさせて頂いた。 -
最近映画が話題となっていたような。「飛ぶ教室」や「ふたりのロッテ」と違って、わたしがこの本を読んだのは実はだいぶあとになってから。高校の頃だったかな。しかし読んでみたら、どこか読んだことのあるような気もしたから、もっと前に読んだことがあったのかもしれない。
点子ちゃんとアントンの、互いの受け入れあい方がすてきだなと思う。相手をそっくりそのまま、すとん、と受け入れてしまう。できそうでできない、なかなか難しいこと。
アントンのお母さんへの愛情が素直すぎるとか、お母さんが美しく描かれすぎているとか、お母さんと男の子のかかわりについてはいろいろと批判されることのあるケストナー。ケストナー自身、とってもお母さんのことが好きだったらしい。たしかに、ちょっと美しすぎるなぁと思うところはあるけれど、でもそれでも余りある魅力に、ひかれる。 -
飛ぶ教室に続きケストナーの名作。外国文学は訳者の力が大きいが、ケストナーにはやはり高橋健二の訳が一番ピタリと収まります。
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子どもの頃読んで、印象深く感じ、本のタイトルをずっと覚えていましたが、今回、読み直して、ああ、この小説に感動していたのかと思い出しました。
https://www.honzuki.jp/book/148203/review/285850/ -
以前岩波少年文庫で読んでいます。
やはり前と同じく、アンダハトさんにも救いが欲しかったと思いました。
彼女に責任がないとはいわないけれど、なぜ彼女がそんなことをしてしまったのかと言えば、男性のせいなのですから。
自分の行動の責任は、例えどんな理由があれ、自分で取るしかないのは確かなことではあるのですが。
悲しいなと思います。 -
いやぁ、タイトルにはとっても馴染みがあったのに、読んだことなかったー!
すごい年齢になって読みましたがw
とても可愛らしく、正義感あふれる物語、これからは子どもたちにすすめてあげられます。
点子ちゃんのおかしさは、リンドグレーンのロッテちゃんにも通ずるものありますね、本当に可愛らしく、ユーモアがあってどこか勇敢です。そしてアントンは貧しくも慎ましく、母思いで、素晴らしい男の子。
点子ちゃんがアントンのことを「まあ、あきれた、あの人ったら」とか「あの人ってほんとにりっぱな人よ」とか言うのが大好きでした。
でも、毎回章の最後にケストナーおじさんの反省がくっついてるのが、面白いのやら、めんどうなのやら…子どもだったらいらないかなぁ、物語の解説になっていて、味わい深く次の章に入っていける気はするけど…。
と、いまのところなんとも言えない不思議な読後感です。ケストナー好きのおともだちと語りたい!