ムギと王さま (ファージョン作品集 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150834

感想・レビュー・書評

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  • 国際アンデルセン賞の第1回の受賞作品です。
    童話だからすぐ読める…なんて軽くみてたら、あら大変!返却日が迫ってきて慌てて読みました。なにせ全部で27作品も収録されていて、少年文庫では前半が『ムギと王さま』、後半が『天国を出ていく』に分冊されています。

    そして、前半と後半では作風がだいぶ違うんです。後半は典型的なイギリスの児童文学という趣で、比較的現実的な内容です。対して前半はなんとも不思議な趣です。
    素朴なイギリスの児童書に
    アンデルセン童話のドラマ、
    アラビアンナイトのファンタジー、
    イソップ童話のアイロニーを
    加味した感じです。

    全体的に後半の作品のほうが、完成度も高く個人的に好きな作品が多いのですが、前半のあの不思議な感じも悪くないです。それ故に映えある第1回のアンデルセン賞受賞に繋がったのかな?とも思われます。

    それから、この作者は今いる世界とは違う世界に行きたい、外の世界を見てみたい、という願望が作品を通して強烈に伝わって来ます。作者が生きたのは19世紀の終わりから20世紀の始め、女や貧しい者が広く世界を知る機会も乏しかった事でしょう。

    私が気に入った作品は、前半では結婚相手を探してる王さまが近隣諸国のお姫様数人に会ってみて、最終的に自分の小間使いを女王に選ぶ『西ノ森』。

    後半では、10歳の女の子がたった一人の身内である101歳のひいお婆ちゃんを健気に世話する『ねんねこは踊る』、たまたまお金を手にした男の子が電車に乗って小旅行をする『十円ぶん』、女の子の大切にしていた人形にまつわる『サン・メアリー・アン』などが気に入りました。

  • 基本図書ということで、借りて読んだ。

    著者の自選短編集。
    カーネギー賞、アンデルセン大賞受賞。

    「作者まえがき」から、私には楽しめないかもしれないなぁと予感した。
    こういうものを好む人になりたいという憧れはあるけれど、憧れは憧れのまま。
    天才・繊細・感覚。
    なんというか、繊細だけれど素朴なレースのような、「めくるめく」ということばが合うような、そんなおはなしが多い。
    読んでいると、良くも悪くも、色彩の薄い空間にぽつんといるような感じがした。

  • 子供の頃祖母に買い与えられ、何度も読んだ本。図書館で見つけてしまって借りてしまいました。初版から40年くらい経っていて、そこの図書館では少なくとも今までに借りた人は二人。こんないい本なのに、みんな知らないんだと思うともったいない。
    夢のある、子供のためのストーリーが沢山詰まっていて、甘酸っぱい気分になります。

  • 私の読書傾向を決定づけた本。
    (小3の頃読んで
    日本の本なんて辛気臭くて読んでられっか!と
    なってしまいました)

  • 何とも表現できない、お話し集めてる、いい童話はいい~

  • ファージョン、好きです。岩波少年文庫の方は、選り抜きみたいですね。このシリーズはたっぷり入っています。6月には、「小さいお嬢様のバラ」がいいです。知り合いの語りで聞いて一目惚れした作品。

  • このシリーズ欲しいなぁ・・・
    この本は小さな物語のつめあわせ。
    示唆に富んでいる。

  • 短編集。
    とても外国のお話。面白いし好きなんだけど言い表わす言葉がないのが悲しいところ。

  • よく憶えてません

  • 幼心に大好きな話と、気味が悪い話と。ファージョンが子供のころ過ごした、本だらけの部屋にあこがれたなあ。

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