クレスカ15歳冬の終わりに

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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784001155105

感想・レビュー・書評

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  • ムシェロヴィチが描くポーランドの若者たち、素晴らしい。
    寒く薄ぐらいポーランドの街、家族が活動家として逮捕され、職を追われ、皆貧しく悲しい思いをしているのに、お互いを助け合って生きる街の人たちの姿、なんて素敵なんだろう。

    幼なじみのように過ごしてきたクレスカとマチェクの恋の行方、そして、厳しすぎる教師であり、母親のエヴァと、両親からの愛を見失ってしまった小さなゲノゥェファ。この2つの物語が、ポーランドの小さな町で、アパートで交錯する物語。

    悲しみの中にあっても、子どもたちと、若者と、愛ある家族は幸せそう。恵まれた民主主義を掲げる日本などよりずっと幸せそう。

    教師だったクレスカの祖父の言葉が素晴らしい。

    「ほほ笑みは勇気の産物であり、悲しみは弱気とあまりに自己本位な姿勢の産物である。世界が悲しみと悪に包まれている時には明るく善良にふるまおう。」

  • ここにレビューを書きました。

    http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/210b04f789f05a4bfa8677ebcb65e486

  • 人になってから読んだ児童文学。ポーランドのものは初めて。これはいい!!こういう作品に出会えると全く宝物を掘り当てた気分。

  • クレスカは本当はマチェクが好きなんだけど素直になれない。
    マチェクが別の美人に熱をあげていると知り、二度と口をきくまいと決意するのだが、それもなかなかうまくいかない。
     学校では担任とうまく行かず、近所のアパートにやってきては食事をねだる6歳の女の子ゲノヴェファの面倒を見たり、二人で暮らしているおじいちゃんの病状を気遣ったり、クレスカには恋にうつつのぬかしている暇はない。

     恋の話かと誤解されそうですが、これは家族の物語です。いろんな家族が出てきます。
     なかでも自分が、本当は傷ついていることに気づいていない6歳のゲノヴェファがいとおしい。彼女が訪れた家で食事をする場面が何度も出てきます。
     やっぱり人が時間をかけて作った手料理には、心も体もニュートラルな状態にしてくれる力があるんだなぁ、と反省。

    1983年のポーランド西部の都市ポズナニが舞台の作品。
    物語の中でアパートが何度も停電する。ポーランドはそういう時代だったのですね。
    作者は17冊このシリーズを出しているそうで、日本語訳されているのはこのうちの何冊か。いまどきの映画とかドラマを観ているような気分にさせられました。

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