- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001155983
作品紹介・あらすじ
6年生のノア、ナディア、イーサン、ジュリアンは大の仲よし。どうやって4人は親友になったのか、その謎を語るニューベリー賞作品。
感想・レビュー・書評
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2月の最後はカニグズバーグの6冊目。
1968年「クローディアの秘密」でニューベリー賞を受賞。
「魔女ジェニファとわたし」では同賞の次点受賞。
1997年にも、この「ティーパーティーの謎」で受賞している。
ニューベリー賞というのは文学の質を評価するもので、100年近い歴史の中で複数回受賞した作家さんは、カニグズバーグを含め6名しかいないらしい。
同じ学校に通う6年生のノア・ナディア・イーサン・ジュリアンの4人。
ここにオリンスキー先生とジュリアンの父親が加わる。
一人称で語られたり三人称で語られたりしながらステージは次々変わる。
それぞれの眼で見たこと・経験したことを語り、やがて繋がっていく展開が実に巧みだ。
ジュリアンが「アリス」の本に挟んだお茶会の招待状。
なぜジュリアンだったのかが大切な点だ。
毎度マイノリティーを描くカニグズバーグだが、今回はジュリアン少年がその役。
インド系の血が混じった外見と、話し方・服装・行動すべてが浮いている。
転校してきた彼は苛めの的なのだ。
偶然手助けしたイーサンと、そこから繋がるナディアとノア。
4人のお茶会が「土曜日」で、場所は「シリントン荘」という民宿でジュリアンの家。
打ち解けて話せる相手と場所を得た4人は「ソウルズ」というチーム名を決める。
もちろん、どこの誰にも秘密だ。(ここのお茶とデザートが凄く美味しそうなの!)
ちょうど学校対抗の「博学競技大会」が始まる。
赴任したばかりのオリンスキー先生は出場を「ソウルズ」の4人に任命する。
なぜそのメンバーなのか自分でもよく分からなかったが、観察するうちに4人を結びつける「ソウル」を見出すようになる。
事故で半身不随となったオリンスキー先生にとって、4人との出会いが岐路になっていく。
さて、大会で競う相手は同じ6年生だけじゃない。4人は勝てるのだろうか・・
ジュリアンの父親である「シン」が、「クローディアの秘密」のフランクワイラーさんだ。
何もかも知っているというわけではない。
ただ、少し離れたところで静かにみんなを見守っている。
「ノア・ナディア・イーサンは、自分以外の人のなかに優しさを見つけて、自分の中でどうその優しさを探したら良いのか、分かるようになっていきました。」
12歳という揺れ動く時期に、4人は心の旅をして帰ってきたのだ。大きなお土産を持って。
キラリと光るいくつものフレーズ。今回もたくさんの気づきがあった。
クイズは難易度が高すぎて挫折したけど、巻末にあるから興味のある方はのぞいてみて。
きりりとした言葉ですっくと立ち、安易に子ども側に歩み寄らない。
凛としたカニグズバーグはいつもながら本当にカッコいい。
ごく普通の子どもたちが、仲間とともにステップアップしていく。
ひとりで頑張るよりも、誰かの手助けがあった方が同じ道でもずっと楽しいのだ。
原題に「THE VIEW FROM SATURDAY」とあるように、「土曜日」に謎が始まる。
4人の子どもたちと2人の大人が奏でる、美しいハーモニーのような作品だ。
交響曲のような文学作品を書きたいと願ったカニグズバーグの願いは、見事に結実している。
そして私は、世界中の子どもたちを「大丈夫だよ」って抱きしめてあげたい気持ちだ。
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Anybody hope, be loved to all the people. same time, they think, I am only one! Children can control it who return to the life of journey.。A foreign country-born earthian.