ムギと王さま (岩波 世界児童文学集)

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制作 : Eleanor Farjeon  石井 桃子 
  • 岩波書店 (2003年5月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001157109

ムギと王さま (岩波 世界児童文学集)の感想・レビュー・書評

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  • ブルーの布張りの、とてもガッシリとした装丁の古い本。
    同じものがAmazonの画像で出なかったので、こちらで代用。
    尊敬する読み聞かせの先輩さんが、「あなたにどうしてもおすすめしたい」と、この一冊を図書室で手渡されたが先月末のこと。
    読んでいる間、それはそれは幸せだった。
    どうしてこれを読まずにこれまで生きて来られたのだろう(笑)。
    と、そんなことさえ思ってしまうほどの読後感だ。
    547ページの中に27の短編が収められていて、石井桃子さんの翻訳が美しくて読みやすい。
    アーディゾーニの優しい挿絵が、作品世界の慎ましやかな魅力をよく表している。

    表題作の『ムギと王さま』のように、王様やお姫様も登場するけれど総じて身分の低い貧しい人たちのお話が多い。
    どれも純粋で、ときに突飛で、目の前のことに誠実に飛び込んでいくお話だ。
    かと言ってお涙頂戴ものではなく、ああ、こういう自分が以前はいたはずなのにと、微かな胸の痛みを感じたこともしばしばで、「どうなる?どうなる?」と先へ先へとページを繰っていく。
    とりわけ『ムギと王さま』『レモン色の子犬』『ねんねこはおどる』『サン・フェアリー・アン』『しんせつな地主さん』・・(いやいや、他にもまだまだあるけど先ずはこれだけ!)にいたってはとても児童文学の域では語れない魅力がある。
    何しろ、読んだ後何度も何度も、その内容を思い出してしまうのだから。
    説教くささは微塵も無いのに、寓意に満ちたこれらの話が胸にこびりついて離れない。
    言葉で言い表せない大切なものがこの世にはあるということを、今更ながら思い知ることになったからだ。
    それは哀しみと苦悩とか怖れだとか呼ばれるものかもしれないが、その彼方にあるものもファージョンはしっかり指し示している。

    前書きも、殊に素晴らしい。
    のめり込むように読書する子の挿絵は、幼い日のファージョンだろう。
    何十年経っても幼い日の読書から得たものたちが、心の灯りを点けに来ると言う。
    子ども時代には、良書に出会わせたいものだと、今更ながら心からそう思う。
    果たして私は、子どもたちの心に灯りを灯せているだろうか・・
    ファージョン、ありがとう。ありがとう、私の先輩。

  • 資料番号:020071783
    請求記号:933フ

  • 図書館で借りた児童書。子供の頃に大好きだった一冊。透明感のあるお話ばっかりで、やっぱり素敵でした。

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