二つ、三ついいわすれたこと (STAMP BOOKS)

  • 岩波書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001164084

感想・レビュー・書評

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  • 3人の少女の描写が、丁寧で鋭くリアル。いい作品でした。オーツの他作品も読んでみたい

  • 不思議なカリスマ的な魅力の転校生ティンク。ミス・パーフェクトの正統派美少女のメリッサ。お金持ちの父親を持つけどおっとりしたナディア。3人の女子高生の話。ティンクやメリッサは目立つ少女で、かなり切羽詰まったオーツらしい緊迫した雰囲気の描写がつづく。やがてナディアの章になりティンクが現れ、ナディアは成長しメリッサも彼女を助ける事で安定していくようにも感じた。爽やかな読後であった。思春期の少女の頃、死の境界をひょいと越える感覚を思い出した。

  • 注目を集めた元子役のティンクは、友人たちに何も言わずに亡くなる。自殺なのか?
    中野良かったメリッサとナディアは、なかなか受け入れられないでいる。成績優秀でスタイルも良いメリッサは、自身の不安を自傷というかたちで回避している。ぽっちゃりとした体形にコンプレックスをもつナディアは、たちの悪い男子たちにからかわれ、大好きな先生に一方的に思い入れてしまい、かえって先生を窮地に追い込んでしまう。
    思春期の危うい少女たちが、親友のティンクの存在を支えに、再生へと踏み出していく。

    最後までティンクの死の謎は解かされていない。今生きている二人の少女の解決も、明るい未来に強く向かっていくというには、ちょっと弱弱しく、若干の不安も残る。しかし、思春期の成長を正反対の二人を共通の友人の存在をとおして、描き分けているところが良いのでは。

著者プロフィール

1938年ニューヨーク州生まれ。68年『かれら』で全米図書賞受賞。著書に『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』『邪眼』『ブラックウォーター』など。近年ノーベル文学賞候補として名前が挙がっている。

「2018年 『ジャック・オブ・スペード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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