劣化ウラン弾――軍事利用される放射性廃棄物 (岩波ブックレット)

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  • 岩波書店 (2013年8月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708683

劣化ウラン弾――軍事利用される放射性廃棄物 (岩波ブックレット)の感想・レビュー・書評

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  • 【読んだきっかけ】ネットで紹介されていて興味をもった
    【内容】①劣化ウラン(Depleted Uranium=DUとも表記)弾とはどういうものか ②DU弾の使用がもたらす人的被害および環境被害 ③DU弾使用禁止への取組み
    【感想】DU弾とはろくでもない兵器である。このブックレットを読んで最初の感想はこれだった。こんなものを使用する理由は二つあるらしい。
    ⑴DUは鉄や鉛より比重があるため砲弾にすれば貫通力もずっと大きく、射程も長くなる。
    ⑵原発からはたくさんのDUが出るが未だ無毒化の方法もなく処置に困っている。
    軍需産業はDUを事実上ただで手に入れ砲弾にし、それらはイラクやバルカン半島などで使用された。
    このDU、「劣化」ウランという呼称は、別に放射能の危険な物質が「劣化」して危険性が小さくなったわけではないそうだ。そんなものが戦車を貫通し、戦車内で燃焼し、粒子となって大気中を漂い、地面を汚染する。
    放射能毒性と重金属としての化学毒性をもつ有害物質・ウランの弾がばらまかれたことで大きな被害が出ている。特に子供に白血病や先天性異常の顕著な増加がみられる。バグダッドやバスラ、ファルージャなど激戦地の住民ばかりではない。そこからの帰還兵も被ばくし、がんになったり異常児を産んだりしている。
    地雷、クラスター爆弾…兵器などもともとろくでもない物だと思うが、劣化ウラン弾は、これが使用された場所を放射性廃棄物の捨て場にするという意味で最も禁止すべき兵器の一つだろうと思う。

  •  原子力の危険性を一貫して唱え続けている研究者、劣化ウラン弾で傷いたイラクの子どもたちを支援するNGO職員、チェルノブイリ原発事故の支援に携わっている内科医、バルカンや中東各地で起きた紛争・内戦・戦争の状況を撮影してきたフォトジャーナリストなど、多様な職種の方々の話を元に劣化ウラン弾による健康被害、イラク・旧ユーゴなどで使用し、最大の利用国であるアメリカを含んだ製造国・保有国・使用国の状況、劣化ウラン弾のことを原子力発電所の製造過程であるウラン鉱山採掘、特にインドの鉱山の状況を事例にそこで働く最貧国の者たちの現状を語り、ウラン技術製造の悲惨さを話、多くの小児ガン患者たちが生まれ、医療物資が不足しているといったイラク戦争前後の状況などが書かれている本です。
     特に自分が印象的だったのは、アメリカを含めた常任理事国5カ国を初め、約20カ国もの国々が保有していることに悲しくなりました。また、その中にはインド、パキスタン、イスラエルに関してはすでに分かっていましたが、ギリシア、オマーン、サウジアラビア、タイなど知らない国々もあったので、それについても恐ろしさを感じました。また、オーストラリア・スコットランド等の基地周辺、韓国の離島である梅香里(メヒャンニ)演習場などでも汚染被害が起き、さらに沖縄やイタリアのサルディニア島にある射爆場でも劣化ウラン弾が使用されていたという事実にも愕然としました。劣化ウラン弾の構造や危険性はもちろん、イラク戦争下で苦しむこども達の状況なども知ることができ、とても勉強になりました。これからも劣化ウラン弾について、単なる兵器の問題として考えるのではなく、原子力発電所などとつなげて考えていかなければいけないとつくづく感じた1冊でした。

  • この問題については、もう少しほかの本を読んでみる必要がある。データが無さすぎる。もちろん、佐藤さんや小出さんが言うように、データが無くてもこんなん成り立ちからしてあかんよ、ということにはわたしも同意見だが、劣化ウラン弾のこどもに対して与える障害が、扇情的にマスコミで扱われているのが少し危険な気がする(劣化ウラン弾による障害が虚偽である、と言っているわけではない)。そういえば、エヴァが使徒に使ってた武器も劣化ウラン弾だったな。あれをアニメで使うのはさすがにどうかと当時も思ったが。

  • 劣化ウランは放射性廃棄物であり、軍事利用された際、ひじょうに強力。
    鉄の約2.5倍の比重。
    少し前の戦車だったら装甲を貫通する。
    弱いながらも放射能を持ち、生体に悪影響を及ぼす。

    催奇形性があることを示唆する写真は衝撃的。
    別に新聞などで読んだが、しゃれにならない産まれかたもある様。
    白血病などを引き起こす事も示唆されている。

    そして凄い。
    米・英は、「関係ないんじゃねえの?」って見解。
    あいつらほんとに怖いわ。

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劣化ウラン弾――軍事利用される放射性廃棄物 (岩波ブックレット)の作品紹介

米・英軍と同盟国によるイラク侵攻から10年。劣化ウラン弾が降り注いだイラクでは、子どもたちの健康被害の実態が次第に明らかになっている。また、コソヴォ紛争の帰還兵の健康状態にも、極めて深刻な問題が浮上している。核の「平和利用」から生み出される放射性廃棄物の「再利用」兵器を、対人地雷禁止条約のように国際的な枠組みによって封じるために、日本の負うべき役割とは何か。

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