アートで平和をつくる――沖縄・佐喜眞美術館の軌跡 (岩波ブックレット)

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著者 : 佐喜眞道夫
  • 岩波書店 (2014年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002709048

アートで平和をつくる――沖縄・佐喜眞美術館の軌跡 (岩波ブックレット)の感想・レビュー・書評

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  • この3月に久々に沖縄に遊んだ。といっても、今回はあらかじめ基地の本を読んだりしていたので、嘉手納基地の見える道の駅を2度も訪れたり、つねに基地のフェンスを意識して車を運転した。それとともに、妻に教えられて訪問したのが普天間基地の見える佐喜眞美術館である。ここには「原爆の図」で知られる丸木位里、俊さんご夫婦の描いた「沖縄戦の図」が壁面いっぱいに展示されている。佐喜眞美術館は普天間基地にくさびを差し込むようなかたちで建てられている。しかも、そこには佐喜眞さんの先祖の墓地(亀甲墓)もある。佐喜眞さんはなぜそんなところに美術館を建て、「沖縄戦の図」を展示することになったのか。本書ではそのいきさつが詳しく書かれている。佐喜眞さんの両親は沖縄の出身だが、父親は軍医として熊本に転勤し、家族も沖縄戦の起こる前に熊本に疎開していた。佐喜眞さんは沖縄戦の終わった次の年の1946年に熊本に生まれている。佐喜眞さんは両親の郷里である沖縄に目覚め、東京の大学で学ぶ中で、本来教師になるところを断念し鍼灸師の資格を得た。丸木夫妻との交流は佐喜眞さんが鍼灸師で丸木夫妻に施術したことからはじまっている。佐喜眞さんは丸木夫妻から「沖縄戦の図」を託されたものの、どこに当たってもこれをひきとって展示してくれるところは見つからない。最後にたどりついたのは、自分で美術館を建てることだった。ではどこに。佐喜眞さんが考えたことは、米軍に占領されていた佐喜眞家の土地を取り返すことだった。一人での闘争が始まったのである。こんな場合、日本政府にいくら頼んでもらちがあかない。ところが、米軍に直接交渉したらすぐに認可が下りたとのこと。佐喜眞美術館には、佐喜眞さんが軍用地の地代を貯めて集めた絵のコレクションもたくさんあり、ぼくは知らなかったが、ケーテ・コルビッツの絵は魯迅の作品にも出てきて有名で、海外からも借用の依頼がきているほどだそうである。

  • H27/3/13

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アートで平和をつくる――沖縄・佐喜眞美術館の軌跡 (岩波ブックレット)の作品紹介

沖縄県宜野湾市にある佐喜眞美術館は、普天間基地に食い込むように建っている。この美術館は本書の著者が、米軍基地に接収されていた先祖代々の土地を取り戻して建てたもので、その最大のコレクションは丸木位里、丸木俊の「沖縄戦の図」である。美術館の歩みを通して戦後沖縄の一断面と、アートの持つ力が見えてくる。

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