- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002709277
作品紹介・あらすじ
原発事故により強制避難地域となった福島県富岡町。町民たちによるタウンミーティングでは、過酷な避難生活の現実が語られてきた。将来の見通しが立たない生活、健康被害への心配、避難者同士の軋轢…。復興政策は当事者の苦悩に向き合っているか。事故後、同町の調査を続ける著者らが、町民たちの声をもとに、政策の矛盾を問い、人間のための復興に必要な具体的提案を行う。
感想・レビュー・書評
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543.5||Ya
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自分自身が置かれている立場についての説明がつかないので、どこに住んでいいかわからないと思う。借り上げ住宅なんて、いつまでも住んでいられない。
地に足つけて生活がえきれば、ほとんどのものは解決できると思うけど、そういう状況にない。 -
「とみおか子ども未来ネットワーク」(福島県双葉郡富岡町からの避難者による団体。現在はNPO法人)が行ってきたタウンミーティングでの発言をもとに、風化しつつあると言われる原発事故による避難者たちの深刻な問題を、改めて「人間としての目線」で共有しあうことを目的に作られたブックレット。強制避難者と自主避難者、県内避難と県外避難といった立場の違いからくる保障や情報量に対する不公平感や、家族分離、生活喪失など、金額には換算できない問題、また、当初は同情的であった避難先の人々との間で次第に深まる心の溝や差別意識。当事者たちの立場からすると首をかしげざるを得ない国の施策など、さまざまな問題を改めて認識することができる。今も多くの人が苦しんでいるのだという事実はとてつもなく重い。