「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦 (岩波ブックレット)

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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002709321

感想・レビュー・書評

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  • 歴史探偵が亡くなる5年前に書いた本。
    岩波ブックレットなので、コンパクトに書かれている。

    昭和史は、時間切れ?で学校では学ばないまま
    終わった様な気がする。

    戦勝国アメリカによる洗脳効果なのか、自虐史観があると言われるなか、客観的に歴史の事実を知ることは大切だと歴史探偵は教えてくれる。

  • 2021/03/17
    開戦前夜と終戦直前について「実録」を他の資料と対比させながら読み解いたもの。
    著者自身が「日本のいちばん長い日」と情報の内容が違うと書いているように、新たな資料によってそれまでと見え方が変わってしまうということの面白さでもあり、同じ事実であっても書かれ方の微妙な差によって印象が異なってしまうということも改めて認識させられる。
    事実誤認はなくても視点(立場)の違いや重点の置き方の違い、敢えて書かない部分の有無…それらでも後世に伝わる歴史の内容はガラッと変わってしまうのだから、もし記憶違いや順番の入れ替えなどがあれば、そしてそこに意図があったとしたら…歴史の面白さでもあり怖い部分でもある。
    「日本のいちばん長い日」をまだ読んでいないので、ここでの内容を踏まえて挑戦してみようと思う。

  • 昭和天皇実録で過去の定説がいくつか覆った。天皇がいつ開戦、そして終戦を決意したのか?そして立憲君主制として自ら意思決定することができなかった悲劇。引き返すことができたタイミングは何度かあったが・・・。「乾坤一擲の勝負、開戦するなら今しかない」などの甘い見通し、そしてソ連の仲介への幻想などが悲劇を増大していく。日本の指導層がいかに無責任だったかを改めて感じる。実録がここまで詳細に書き残してくれていることに感謝。しかし、書きながら、何を思っていたのだろうか?

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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