共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)

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著者 : 高山佳奈子
  • 岩波書店 (2017年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002709666

共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)の感想・レビュー・書評

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  • 今般の共謀罪法案は、国連国際組織犯罪防止条約を締結するためと言われながら、一方で、条約によって要求されていない範囲にまで広く処罰を及ぼそうとしていることがわかります。しかし、それと同時に、他方で、マフィア対策を目的とする同条約が典型的にターゲットにしていると考えられる、公権力を私物化する罪や、民間の汚職などの経済犯罪が、法定刑の重さにもかかわらず、対象犯罪から除外されています。政治家や警察、財界の一部の人に有利になっているように見えます。
    政府は、対象犯罪の限定について、組織的犯罪集団が行うことを想定しにくい犯罪類型を除いた、としていますが、それが事実に反する説明であることは明らかです。なぜ、常有役に合わない内容の共謀罪法案を押し通そうとするのか、与党の動機に対する疑問がふくらんできます。

  • 新聞記事やニュースでざっとは知っているつもりになっていたことを深く反省した。

  • 部屋に転がっていたのでさらっと読んだ。共謀罪の問題点について、簡単に網羅されている。

    ・国際条約(TOC条約)とは関係ない
     →TOC条約はマフィア対策であって、テロ対策ではない
      TOC条約は条約加盟にも新立法は不要
    ・オリンピック開催とは関係ない
     →これまでの招致活動では話題にも上らなかった
     =そもそも立法事実がない
    ・取り締まり対象の限定性がない
     →「準備行為」とそれ以外を判断する根拠が条文にない

    ・犯罪件数減少に危機をおぼえる警察の点数稼ぎが目的か
    ・日常生活、政治活動での表現の萎縮
    ・アメリカからの働きかけの可能性
    ・与党の審議状況は極めて不誠実

    などが論点。
     共謀罪を用意していると言われる、アメリカやイギリスは、そもそも「英米法」と言われる法体系に基いて司法が機能しており、日本が参考にしている「大陸法」とは考え方が異なる、という情報などは初耳だった。
     また、後半のところで触れられていた「スノーデンの警告」のような話は、ともすると陰謀論のようにも受け止められかねないが、アメリカが日本の様々な情報を傍受していることは、一般にも報道されていたことなので、十分にありうる話だろうと思った。

     残念ながら法案はもはや成立してしまったが、むしろ違憲訴訟などの闘いなどはこれからなのでは。

  • パープリンなので読みました。必読。

  • 成立してから、興味を抱き本書を読んだ。読んでみて自らの不勉強と興味関心の欠如を恥じた。

  • 京都大学法科大学院教授で第一線で活躍する刑事法研究者の高山氏が、国会で審議されている「共謀罪」についてその問題点をするどく指摘したブックレットです。

    「テロ対策」「オリンピックのため」などのウソの看板で固められた法案であることが、よくわかりました。法案の構成要件である「組織的犯罪集団」「計画」「準備行為」の内容も曖昧で、捜査機関の判断でどのようにも運用されてしまいます。最後の章(第7章)で「国会運営の異常さ」が指摘されていますが、まさにその通りだと思います。こんな法案は要らない、その思いを強くしました。廃案に向け、力を尽くします。

    すぐに読める文量です。ぜひ多くの方に読んでほしいです。

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