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- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003021972
感想・レビュー・書評
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宣長の主張の尖鋭さはいささかも衰えを知らない。
宣長の解釈の卓越さの由縁は外来哲学の影響を全て廃して、我が国オリジナルの部分を抽出していったことにあるようだ。
しかし、桃が邪を払う由来すら古事記に求めたりしていたりと明らかに行き過ぎている部分もある。
天照大神への解釈のくだりはまるで大東亜戦争の正当性を訴えているかのようだった。
戦後古事記に関する教育を施さなかった理由もわからなくもない。
だが、まったく変わらない原初の日本人の姿も古事記には存在している。
少し前にアイデンティティの問題が叫ばれていたが、この国の文化の中に生きる以上は古事記は必須の教養に違いない。
その際寄りどころとする解釈の規範は古事記伝が妥当であるように評者には思える。
外国の理屈では日本人は語れないよ。外国の映画に出てくる日本人に違和感を覚えるのと一緒。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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