- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003102473
作品紹介・あらすじ
晩年の島崎藤村は、「簡素」という言葉を愛用し、食物では青紫蘇を添えた冷奴や胡瓜もみを好んだといわれるが、彼の生涯は自分の鬱屈した脂っこい体質を克服し、簡素・平俗に至ろうとする苦闘の過程であった。その意味で、率直に自己を語り、しなやかな人生観を示す藤村のエッセイからは、その実像が鮮やかに浮かびあがる。80余篇収録。
感想・レビュー・書評
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島崎藤村の随筆集ですね。
今年は藤村の生誕150周年になります。近代文学の立役者の一人ですが、藤村は控えめでいて野心が無いかと思われ勝ちですが、文筆家として成り立ちに拘る人でもあったように思われます。
藤村の評価は分かれる所で人様々ですね。私も人物像が分かりにくいし、作品も楽しみながら読んだ記憶が無いかと思います。
八十余りの随筆集ですが、淡々として余り感情を感じられない教科書のような文章で綴られているように感じられました。
藤村は他の作家や書物からの影響を受け身で捉えて語るスタイルが目立ちます。つまり、藤村は複雑な自身の応報を摂取という形で文学表現を醸し出しているようです。
ともあれ、分かりにくい藤村の実像の参考になる本だと思います。
紀行文は良いですね。自身の感想ではないと語れないものですので、楽しく読めました。
「言葉」にこだわりを持った作家なので学べる所が多々ありました。読んで何かを感じられれば良いですね。
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美事によどむことなくのびのびとした文章が適所にちりばめられている麗しい随筆集。大きな《書物の中に出て来るようなむつかしい言葉》は慎み深く、小さな《日常使用する些細な言葉》は疎かにされることなく、置かれた言葉の美点に感銘を受けた。自分の内部に高く本書を掲げたい。不意の閃光がかけがえのない自分の姿を照らしてくれるような気がする。言葉の滋味を大事に味わっているときの夢はさめる。さめても言葉の夢から受けた《生の跳躍》のミラクルな感じがしばらく頭に漂っていて、引き締まるような、引き上げられるような、幸福感を覚えてる。
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新書文庫
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烏兎の庭 第二部 書評 2.17.06
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto02/bunsho/toson2y.html -
最後の方は亡くなったお友達の回想なんですけど、三人称代名詞として「君」を使ってるものだから、呼び掛けてるみたいでちょっとじーんとします。