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- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003104187
作品紹介・あらすじ
作家の精神の内実をよく伝える『日和下駄』ほか東京に関する諸篇を収め、明治から昭和に至る都会の変貌をも浮彫りにする。
感想・レビュー・書評
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この岩波文庫版荷風随筆集は上巻が東京という土地に関するものを収めていたが、下巻はもっと幅広い話題が集まっている。
巻頭の「妾宅」(1912《明治45》年)はやはり荷風という作家主体のメインテーマの部分がよく出ている。
他に自身の女性経験を記した「桑中喜語」(執筆年不明)、荷風が愛した江戸文芸を語る「浮世絵の鑑賞」(1913《大正2》年)、小説書きについて語る貴重な「小説作法」(1920《大正9》年)が特に面白かった。
作品によっては古語になるのだが、まあ、読めないでもないレベル。後年、またところどころ読み返してみたい作品集だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いかにも荷風らしさがあらわれていると言えるのではないか。
特に、Ⅳの「桑中喜語」などは、こんなこと書いていいの?と思わずにはいられないような一篇。
他にも、「妾宅」、「矢はずぐさ」などが、個人的にはお気に入り。
上巻とは比べものにならぬほどである。
これぞ永井荷風!
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