摘録 断腸亭日乗 上 (岩波文庫 緑 42)

著者 :
制作 : 磯田光一 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104200

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  • 東の「ゴンクールの日記」。

  • 孤高と言うべきか、偏屈と言うべきか。判別付きがたい部分はありつつも、戦前から戦後まで確固として貫かれた個人主義と自由主義、改める気配もない遊興好みなど、荷風がこの時代の人間としてとてつもなく個性的な人物だったのは確か。鍛え抜かれた観察眼と豊かな表現力で描き出される昭和日本の足跡は、教科書で学ぶ「近現代史」の隙間を補うリアリティに溢れていて引き込まれる。特に戦争前夜から戦災下の東京の情景描写は圧巻。戦後の記録も、皮肉の裏に覗く憂国の思い、卑俗化していく世間への嘆きなど、現代人の視点から見ても共感する部分も多々。全二冊。

  • 死の前日まで書き続けられた日記。それは綺麗に清書され、そのまま版下に使えるようにまでされていたそうです。

著者プロフィール

東京生れ。高商付属外国語学校清語科中退。広津柳浪・福地源一郎に弟子入りし、ゾラに心酔して『地獄の花』などを著す。1903年より08年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表し、文名を高める。1910年、慶應義塾文学科教授となり「三田文学」を創刊。その一方、花柳界に通いつめ、『腕くらべ』『つゆのあとさき』『濹東綺譚』などを著す。1952年、文化勲章受章。1917年から没年までの日記『断腸亭日乗』がある。

「2020年 『美しい日本語 荷風 Ⅲ 心の自由をまもる言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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