本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003104200
感想・レビュー・書評
-
東の「ゴンクールの日記」。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
孤高と言うべきか、偏屈と言うべきか。判別付きがたい部分はありつつも、戦前から戦後まで確固として貫かれた個人主義と自由主義、改める気配もない遊興好みなど、荷風がこの時代の人間としてとてつもなく個性的な人物だったのは確か。鍛え抜かれた観察眼と豊かな表現力で描き出される昭和日本の足跡は、教科書で学ぶ「近現代史」の隙間を補うリアリティに溢れていて引き込まれる。特に戦争前夜から戦災下の東京の情景描写は圧巻。戦後の記録も、皮肉の裏に覗く憂国の思い、卑俗化していく世間への嘆きなど、現代人の視点から見ても共感する部分も多々。全二冊。
-
死の前日まで書き続けられた日記。それは綺麗に清書され、そのまま版下に使えるようにまでされていたそうです。