釈迦 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105061

作品紹介・あらすじ

仏教の開祖・釈迦の生涯を、人間愛を唱えた文豪が描く。生きることに苦悩し、仏陀となって教団を率いるようになった後も、難問に悩まされながら、人々を思いやりつつ生きた人間釈迦への尊崇の念と篤い共感が全篇に溢れる。武者小路実篤の伝記小説の名作であり、近代日本における代表的な釈迦伝である。

感想・レビュー・書評

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  • 釈迦の一生について書かれている分かりやすい物語

  • 1950年代初版のものが再版されたもの。釈迦の生涯をまとめ的に吸収するには最適な著書。数々の教えについてはほとんど触れていないので、あくまで人物を知るのが目的。
    釈迦が説いたとされる万人向けの教え(法華経とか)のスケールの大きさに比べて、自身の解脱だけを目指す上座部向けの細々とした戒律が相矛盾しているのが仏教最大の問題点で弱点だと思うが、つまりは生きることが苦しみなのか喜びなのかのどちらを取るかで選択が分かれるのだろう。釈迦にしたってスジャータとの出会いは僥倖だったに違いないし、それが因となり悟りを開くのだから女性と目を合わすなというのはあんまりではないか。苦しみばかりにフォーカスしても正しい認識とは言えないだろうし、それに臨終の時に「俺の人生は苦しみの連続だったが、これでやっと死ねる!」というのもあんまりではないか。釈迦の教え自体が両極端でバランスに欠けていると敢えて記しておく(もっとも釈迦は法華経以外は全て方便であり仮の教えだからそれらの一言一句たりとも用いてはならないとのことだが)。

  • 分かりやすくてエッセンスを凝縮した本を書いたと実篤は言っているが、登場人物なども多く出てきて、どれも掘り下げが薄く、誠実なダイジェスト、といった印象。武者小路実篤が敬愛する釈迦の人物像や考え方に迫りたかったが、感じきれなかった。読み取り不足かもしれないが。

  • 図書館で借りた。
    武者小路実篤の伝記モノ。仏教の開祖である釈迦を「人間らしく、人間ドラマとして」描いた作品。
    釈迦が生まれ育ち、王家である家を出て出家するのはもちろん、仏陀となり弟子を引き連れて様々な出来事から生まれた教え、さらに最後の死に至るところまでを描いている(仏陀に対し、死と言うべきではないかもだが、敢えて。)

    非常に読みやすかった。目次を見たときに、100を超える章立て!?と驚いたが、短い間隔でタイトル付けがされているので、内容がスッと入ってきた。
    また、書かれた時代的なものなのか、固有名詞がサンスクリット語のカタカナ表記でなく、中国語ベースの漢字となっていることが注意点。本編ではないが「耶蘇」(イエス・キリスト)は目にしたとき全くわからなかった。本編は読みにくいと言うほどではないが、カタカナなら聞いたことがある言葉が難しい漢字表記になってたりすると、戸惑うかもしれない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/686922

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著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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