地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)

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著者 : 芥川龍之介
  • 岩波書店 (1980年4月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003107027

地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 藪の中;1921年(大正10年)。
    上質なサイコミステリのよう。古今の推理小説を探しても、これだけシャープな短編は稀だと思う。無駄のない研ぎ澄まされた構成に、常套句になるだけのことはあると納得。1つの殺人に3つの解釈、真相は今も…。

  • 芥川龍之介の王朝物。
    「運」…仏のご利益についての短編
    「道祖問答」…道命阿闍梨と翁の短編
    「袈裟と盛遠」…袈裟と盛遠の独白からなる短編
    「地獄変」…地獄変を描く絵師の短編
    「邪宗門」…異形な沙門をめぐる短編(未完結)
    「竜」…源隆国と思われる人が双紙を編む短編
    「往生絵巻」…多度の五位という人物が出家した短編
    「好色」…平貞文の短編
    「藪の中」…今昔物語の『妻ヲ具シテ丹波ノ国ニ行ク男大江山ニ於テ縛ラルル』を題材にした短編
    「六の宮の姫君」…身寄りのない姫と、姫を残して京を去る男の短編
    「二人小町」…小野小町と玉造小町の短編

    「運」の題材も今昔物語『貧女清水観音値盗人夫語第三十三』だそう。
    「地獄変」、「邪宗門」の堀河の大殿とその若殿は、
    藤原基経と藤原時平のことだろうかと思いつつ読み進めていたけど、
    実際の人物に定められるものではないようでした。
    モチーフにはしているのかもしれません。

    「邪宗門」は、本当に良い所で未完となっており、続きが気になります。

    「袈裟と盛遠」は、ちょうど吉川英治の「新・平家物語」で、
    このエピソードを読んだところだったので、また違った趣を楽しみました。

    「六の宮の姫君」の最後に、慶滋保胤が出てきます。
    この話は小泉八雲の「和解」と少し似ています。

    単純な感想ですが、どの短編も、「すごく面白い」です。

  • 表題外の収録作について。
    「袈裟と盛遠」は個人的に感じ入るものあり。
    二人が複雑な葛藤を経てどうしようもなく堕ちてしまわざるをえない様が、(私には)他の作品と少し違った読後感を持った。

    邪宗門が完結していないのが、それもここから盛り上がるであろう部分で終わっているのが本当に残念でならない。
    芥川は後書きで、未定稿を上梓する理由の一つとして「作者の貧」を上げている。それ自体は残念だが、世に出てくれて、また途中までだが読めてよかったと思う、「読ませる」作品である。
    また、本作品は芥川にしては長編に思う。

  • 「地獄変」がお気に入りでこっちのほうを買ったが、マイナーなほうなのか。
    語り手の丁寧語がこの先の結末へのほの暗い予感を醸し出しているし、想像通りに物語のクライマックスの、気狂いじみた感じがよい。
    加えて、この語り手は客観的中立な体をしているが、これも一つの主観のような気がする。良秀はただの頭のおかしい人なのか?本当に大殿様と良秀の娘はなんでもないのか?

  • 地獄変、道祖問答、袈裟と盛遠、竜往生絵巻、六の宮の医者。二人のこまち、が入っている。中でも印象的なのは、二人のこまち。と藪の中。
    ふたりのこまちは、死にたくないあまりに女の武器を使って使いをたぶらかす。死なないように説得する。
    おいて後悔する。使いは二度とだまされない。ように取り扱わない。女は怖いという。
    藪の中は、、それぞれの視点から事件が語られる。殺された人は例として話される。面白いと思う。

  • 藪の中。
    誰もが自分の世界では主人公。

  • 芥川の中では聞いたことの無いような作品が多かった。いい機会に読めたと思う。一つひとつの短編同士が繋がっていることでいくつかのまとまりとしてすんなり溶け込むことができ、彼の中では非常に読みやすかった。しかしまだ最近のものと比べると難しく感じるので今後も慣れ親しんでいきたい。やはり有名どころは面白く「地獄変」や「藪の中」は秀逸だった。

  • これも王朝物のセレクション。未完で尻切れ作品の「邪宗門」のような作品もあるが、芥川の短篇の代表作「地獄変」と「藪の中」の完成度がやはり高い。京の都なのに死体が道端に放置されているのが珍しくない時代なので全体的に重い雰囲気だが、戯曲形式の喜劇作「二人小町」が一番面白かった。芥川のユーモアのセンスが光る小作品だが傑作。

  • 藪の中と、六の宮の姫君。

  • 地獄変は相変わらずの壮絶さ。高校の時の国語の先生と絶賛し合ったのがとても懐かしかった。好色は恋狂いってまさにこんな感じだと思えた。今まで真剣に人のことに恋した事のない人ほど人に真剣に恋すると辛い思いをするものですね。

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