林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)

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著者 : 林芙美子
制作 : 立松 和平 
  • 岩波書店 (2003年6月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003116920

林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • まず何より、この時代に林芙美子が女一人で鉄道でロンドンまで行った、という事実に驚く。
    なんでも見ようという外へ外へ向かう目と、どこへでも行けるという内側へ内側への切なさがないまぜになっていて、読んでいて一人の旅人の小さな姿が浮かんでくる。

    当時の情勢の中で、彼女は一人のただの旅人。しかしその旅人は、自分の足で行動し、自分の目で物事をとらえる。
    それは途方もないタフさを必要とすることだと思うし、同時に圧倒的な自由だなとも思う。
    芙美子が望んでいるのは、強い自分と不安定な自由? その中で生きていくという覚悟を、彼女は自分に求めて旅の中で少しずつ確かめているのかもしれない。

    楽天的でありながら、旅を求める彼女の切実さが詰まっているように感じられた。林芙美子の著作を読んでみたら、また印象が変わるだろうか?

  • 80年くらい前に書かれたとは思えない。小難しいところはまったくなくてすごく読みやすかったし、おもしろかった。今の紀行文を普通に読んでる感じ。
    何日もかかってシベリア鉄道でパリに着いたら、何日も寝てすごし、朝、目を覚ましてさて何をしたら?と途方に暮れる、なんてなんだかすごく優雅な旅行な感じが。ひとりでカフェで仕事したり、三日月パンとコーヒーの朝食をとったりする林芙美子、かっこいい。
    パリ、樺太、大阪などさまざまな町の情景が読んでいて鮮やかに目に浮かぶような。
    すごく素直な文章で、わずらわしいことをすべて忘れたくて旅に出る、というような思いとか、旅愁、不安とか寂しさ、卑屈な気持ちなんかがたまに出てくるところもいい。

    林芙美子って、貧乏、か、森光子の放浪記の騒いででんぐり返りしてるようなイメージしかなかったんだけど、ぜんぜんイメージ変わった気がする。もっと林芙美子の書いたものが読みたくなった。

    そして、ちょっと旅に出たくなる。

  • 私からすれば林芙美子の、外国を一人旅する勇気はすごいなあ、と溜息ものなんだけれど、本人にしてみればこれらの旅はひどく切実なものだったのだと思う。行きたいから行く、というよりもむしろ、行って、自分の故郷が日本だということを、確認しているような。

  • 2016.12
    船、鉄道乗り継いでパリまでの旅程が楽しい。この時代の旅は浪漫。

  • 当時の海外の遠さ、鉄道の旅の旅情。彼女の外国人との接し方が面白い。女性のたくましさや優しさをめいっぱい感じる。

  • とても面白い。
    旅する時にこんなに色々考えているだろうか?と我が身を振り返ってみる。

  • 『放浪記』で有名になった筆者が中国、シベリア鉄道、パリへの旅行について書いた旅行記。戦前の日本人の目に映る外国模様がリアルに描写される。

  • NHKのテレビ番組でJブンガクというものがあります。
    2010年の7月に 下駄で歩いた巴里 を紹介していたので読み直しました。

    木屑の浮いた日本の優しい壁の色こそなつかしくなってきます。

    というくだりを

    I longed for the gentle color, with chips of wood sticking our here and there, of Japanese walls.

    と訳していました。

    へー,そういう意味なんだと
    下駄で歩いた巴里 の中身と英語の勉強になりました。

    英語にしてみると下駄で歩いた巴里 の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました。

  • この素晴らしいバイタリティはどうでしょう。昭和の初めに、女の人が一人でシベリア鉄道に乗って、中国→ロシア→ポーランド→ドイツ→フランス→イギリスと旅行します。フランスとイギリスには長期間滞在。言葉もほとんどわからないというのに。でも、物書きというのはどこでも仕事ができてうらやましい。

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