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- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003127131
感想・レビュー・書評
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初泉鏡花。いやあ、中々に難しい。
舞台的というか、脚本的というか…。
まず、場面の切り替わりが分かりにくい。
解説を読んでから再読してようやっと理解した感じ。それでもやっぱりよく分からない部分も。
あと、彼らがなぜそんな行動を取るのか理解できないってのもある。
着物についての描写が詳しく、そこに情熱をかけていることは伝わってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。「辰巳巷談」は、ひらたく言えば四角関係。両想いの若い男女お君と鼎、しかしお君のほうには落籍したときの借金を負ってくれた宗平という男がおり、鼎には母のように(実際母だったのか?)溺愛してくる沖津という女がいる。正直みながそれぞれに身勝手で、あまり誰にも同情できない。もっと長編になりそうな物語を端折って詰め込んだ感もあってイマイチ。
「通夜物語」も、なんだか微妙だった。売れない絵描きでチンピラみたいな色男の清さんとその愛人の遊女・丁山、金に困って清の伯父の家に強請タカリに出かけるも、失敗。かつて清を慕っていた従妹のお澄のピュアさの前に清はくじけ、そのお澄の夫や母に嘲られて丁山は逆上。血でもって襖に絵を描くというラストシーンは凄絶だけど、正直同情の余地があまりない。そもそも強請に出かけているので、正義がどっちにあるのかよくわからないんだよなあ。モヤモヤ。