オイディプス王 (岩波文庫)

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著者 : ソポクレス
制作 : 藤沢 令夫 
  • 岩波書店 (1967年9月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210529

オイディプス王 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 誰もが知っている有名な物語。奈落の底へ沈んでいく劇的な展開に思わずオイディプスの運命に憐れみを感じないではいられない。
    アリストテレスが「悲劇とはあわれみと恐れをひき起こすことによって、この種の諸感情のカタルシスを達成するものである」(詩学)の例の挙げたほどの古典名作であるが、徐々に沈んでいき明るみにされる衝撃的事実に(筋は知っていても)自分は気持ち悪くなって、次に沈黙してしまった。まさにアリストテレスの言の通りに感じ入ってしまいました!
    スフィンクスの謎かけを解いた知恵者として、荒廃したテバイの民を慈しむ王として登場するオイディプスの末路はまさに悲劇といってよいが、その前後の対比が象徴的で劇場性に優れて大いなる見応えとなっている。特に呪いをかけた「敵」が実は自分であり、運命の中にあったと判明したときの落差はとても迫力がありすばらしい。ただ、王が占い師の発言で激こうし、猜疑心が強くなるくだりは同人物の性格破綻でないかとも思ったが、おそれおののいた裏返しでさらに最後の対比につながると思えば、これも演劇構成の妙といえるだろう。劇間に挿入される合唱隊(コロス)の正歌と対歌は、その時々の経過を印象深く歌い上げており、沈降していく舞台の雰囲気を読者(観客)へ効果的に植えつけている。
    アリストテレスは「物語を構成する出来事の中には、不合理な事柄がすこしもあってはならない。やむをえない場合には、悲劇そのものの外におかれるべきである。」(詩学)と述べているとのことだが、読んでいて、オイディプスが自分の殺した相手をそんなにも記憶していないのかとか、先王のことを本当に今まで何一つ知らずにきたのかとか、コリントスから来た羊飼いの使者もあの時の子供がテバイ王になったとテバイの者にとっくに言ってだろう、とか物語として釈然としない疑問を浮かべていたのに、そんなに昔から織り込み済みのことだったのね。(笑)余談だが、さらにアリストテレスは本物語を、出来事と行為の必然性による「逆転」と「発見」の優れた例として挙げているとのことであるが、昨今のドラマ、とりわけサスペンス劇場風のドラマ・小説はこれを範としてほしいところだ。(笑)
    あれ!?藤沢令夫の解説が良かったせいか、アリストテレスの掌内の「レビュー」になってしまった・・・。(笑)

  •  解説の部分で、オイディプス王をできるだけ再現して上演したとき、終演ののち静寂と拍手と騒めきがあって、いまだに新しいというようなことが書かれてあった。
     たぶん。
     その新しいと感じられるのは、観る人が最初からだいたい知ってる、神の視点や立場にあるということ、かもしれない。観客=神。神託の理不尽さ、テバイの国の災難続き。これはすべて観客によるものである、観客が王達に与えた試練である、ゆえに、悲劇の「悲」は、じゃっかん上から目線の、味わい深い哀しさに似ていて、この作品は「観客=神」つまり、観客が誰一人いない無人劇でありまして、誉れ高い傑作となっているのではないかと思う。

  • フロイトの精神分析や大学の講義でよく耳にしたこの話を初めて読んでみた。「近親相姦」というテーマはさておき、「親殺し」といテーマはインドが舞台の「ブッダ」でも登場した(マガダ国のアジャセ王子による国王殺し)ので、結構昔から東洋・西洋でとりあげられたトピックなのではないかと知り興味深かった。

  • え、そこで終わるの? というのが最初の感想。もうあらすじのある神話?をどう描いたか、というだけのものなのかな。
    その背景を知らぬまま読んだなら残念なことをした。
    でも面白かったです。迫力があり臨場感、哀切が伝わってくる。舞台観たいな、と思いました。

  • あらすじは知っていたが、読むのは初めて。
    「エディプス・コンプレックス」に引きずられて、ついその視点から読んでしまったが、解説で自分さがしの物語だと書かれていて腑に落ちた。
    そうかそうか、まずそうか!
    重厚な舞台は迫力あっただろうな。
    見てみたかった。

  • 現存する世界最古の推理もの。しかも探偵が実は犯人だったという先進的なもの。

  • 名作中の名作。

  • 新書文庫

  • 知らずに起こした事は罪となるのか
    知るとは何か
    運命には抗えるのか

  • 再読。オイディプス関連の本を読むといつも思うのだけど、予言って一種のタイムマシンパラドックスに似た作用がありますよね。あの予言を聞かなければこんなことにならなかったのでは・・・と思う部分が多々あり。

    読者はオチを知っているので、オイディプスが怒ったり威張ったり他人を侮辱したりするなどして余計なフラグを立てまくるのが反って気になりました。結末をより劇的にするためとはいえ、性格悪い人みたいな言動が多すぎる(苦笑)基本的にはとても気の毒な人なのだけど。

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