神統記 (岩波文庫 赤 107-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003210710

感想・レビュー・書評

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  • 物語と思っていたためページを開いた瞬間詩だと知り驚いた。
    思ったよりも読みやすく最後まで本篇はすらすらと読み進められることができた。
    誰々の息子、娘が〜みたいな感じで多くの人物が出すぎて困惑した。
    最後の解説に関しては50ページ程あったので諦めた。
    ギリシャ神話入門におすすめ。

  • ギリシア神話の物語を要約した辞典的な書籍。

  • ・正しく実直な人びとにはけっしてつきまといはしないのだ、飢餓も破滅も

  • 最古のギリシャ神話原典のひとつで、日本でも耳にするギリシャの神々の系譜とエピソードが叙事詩としてまとめられている本。

    ゼウスに偏った内容だと感じた。
    彼以前の神々の王(クロノス、ウラノス)や女の神々に厳しく、ゼウスには異常なほど寛大。

  • 通読しやすいように訳注の印を本文中につけなかったとのことで、まず通読し、訳注を読みながら再び本文の頁を繰る。訳注は行番号ごとになっており、訳注から本文を参照するにはちょうど良い。それから解説を読んだ。たいへん理にかなった構成だと思う。
    巻末には索引や系譜などもあり、実に充実した内容だった。

  • 表紙にも、「宇宙論の最も基本的な原典」と書いてあるので、やはり読まざるをえないでしょう。
    本の後半にはかなり親切な解説と神々の系図も付いていて便利です。

  • 本編後に付されている"訳注"と"解説"が丁寧で分かりやすく本編である『神統記』への手助けをしてくれますが、なんと言っても魅力的なのは巻末に付されている"系譜図"と"神・人名索引"です。

    "系譜図"に関しては本編を読むにあたって多くの人が悩みの種とされる「列挙される名前」を、余白多めの余裕ある配分で16ページも割いて簡潔に纏められています。

    "神・人名索引"に関してもその人物が誰の子であるかの簡潔な記述と、本編の何行目(何ページ目ではなく本編下段に記されている行数)に登場しているかという方法が取られています。

    勿論本編である『神統記』も楽しめるものですが、個人的には丁寧な作りとなっている"系譜図"と"神・人名索引"だけでも手元に置いておく価値は存分にあるかと思います。

  • 再読。ギリシャ神話世界の成り立ちと系譜が叙事詩仕立てになっているので読み易く簡潔。なぜかティターン族との戦いについてだけ具体的。

    基本的にゼウスをヨイショする構成になっているので、一神教の神様と違い、あくまで一種族としての神々的な印象のギリシャ神話に、絶対王者を据えようとしてるのはちょっと苦手。

    巻末に人(神)名索引や系図がついてるのは親切。

  • 学生時代に一度読んだはずですが、全然違って感じました。よく知っているギリシア神話と一味違って、より太古で、より生き生きとした世界が歌い上げられます。

  • ギリシャ神話の基本ともいえる本。時系列はばらばらで飛ぶし最初はとっつき難い。他本を読み進めるうちにああこうなのかと初めて納得できる人が多いと思うが、抑えていて損はない。

  • 神々の系譜を辿りながらオリュンポスの主神ゼウスの王権樹立までを唄いあげた詩。

    簡略化すると原初のカオスから始まり、
    ガイア(大地)とウラノス(天)→クロノス
    レイアとクロノス→ゼウス
    らしい。

    神同士で契りを交わしてどんどん世代が変わっていくため非常に混乱します。

    女神と人間の子や神と人間の子なんてのも出てきて、ドラゴンボールかよとツッコミたくなります。
    神のバーゲンセールってやつです。

    神たちの絶倫具合には恐れ入りました。

  • 神々の生まれる経緯と名前がずらずら並べてある部分がほとんどの部分を占めるので、ほんとうに由緒正しく「神統記」という感じ。イリアスやオデュッセイアと比べて退屈なのは否めないかも。「仕事と日」に収録されていた「ホメロスとヘシオドスの歌比べ」では終始ホメロスが圧倒するもなぜかヘシオドスが優勝する、という筋書きだったが、なんとなくそれも分かった気がする。正しき農民の生活をうたう「仕事と日」にしても、ヘシオドスはとにかく正統派、まっとうな人なのだな。

  • ゼウス大好きヘシオドスの想像力全開ストーリー。
    後半の壮大すぎる戦いは、まるでドラッグムービーを見ているかのような激しさの極地に到達している。
    急速なテンポ感でデカすぎる物語を進めていく古代ギリシャ詩人のパワーには圧倒された。
    当時の人たちこんなもん読んでたのか笑

  • 虚空・深遠(カオス)から、冥界の最深部(タルタロス)・原初の力(エロス)・女神ガイア(大地)が生まれた。女神ガイア(大地)はウラノス(天)との間に子供をもうけるが、ウラノス(天)は子どもたちを冥界の最深部(タルタロス)に幽閉する。女神ガイア(大地)は怒り、子どもの1人クロノスに金剛の斧を渡し、父ウラノスに復讐するよう勧める。クロノスは父ウラノスを襲い、その男根を切り落とし、海に投げ入れる。▼クロノスは妹レアとの間に子供をもうけるが、「お前は子供たちに殺される」と予言があったため、子供たちを呑み込んでしまう。子どもを失ったレアは、密かにクレタ島に渡って新たな子ゼウスを生み、育てる。成長したゼウスはクロノスから呑み込まれた兄や姉を吐き出させ、その後10年に渡るクロノスとの戦いに勝利する。▼ゼウスは怪物デュポン、巨人族ギガスを倒す。

    イクシオン。ゼウスの妻ヘラを誘惑しようとした罪で火炎車に縛られて永遠に回り続けるの刑。

    タンタロス。神の知恵を試そうとして罰を受ける。頭上に果実があるのに手が届かない、腰まで水に浸かっているのに飲めないの刑。「じらして苦しめる tantalize」の語源。

    シーシュポス。ハデスを騙して冥界から逃げた罰。岩を永遠に山頂に運ぶの刑。岩は山頂まで運ぶと下まで落ちる。

    アポロン。詩・音楽の神。ゼウスの息子。ミダス王が”アポロン神よりも田園の神パンの方が笛が上手い”と言ったため、アポロンは怒ってミダス王の耳をロバの耳に変えた。王様の耳はロバの耳。▼ある日、アポロンは性愛の神エロースに言う。「お前のような弱虫が弓矢をもつな」。怒ったエロースは(見た人を誰でも好きになってしまう)黄金の矢でアポロンの胸を射抜く。アポロンは河の神の娘ダプネーを好きになってしまう。逃げるダプネー。しつこく追いかけてくるアポロンに嫌気がさし、ダプネーは自分の体を木(月桂樹)に変えてしまう。失意のアポロンは月桂樹で冠をつくり、それを身に着けることにした。▼アポロン(理性・叡知)とらえがたいものに明確な形を与えようとする本能。一方、ディオニュソス(陶酔・激情)狂的な陶酔によって生の根源に触れようとする衝動。芸術は理知と陶酔が混ざり合って芸術が生まれる(ニーチェ)。

    アフロディーテ。愛・美・性の女神。人間の女性に失望したピグマリオンは、彫刻で理想の女性を彫った。ピグマリオンは「この美しい石像が生身の人間であれば」と強く願った。アフロディーテにより石像は命を吹き込まれ、生身の女性になった。「強く願えば、現実になる」ことから、「教師が期待すれば、生徒の成績が上がる」ことをピグマリオン効果。

    勇敢な青年ペルセウス。父は王。ある日、叔父(父の弟)がペルセウスを殺そうと、ペルセウスに難題を命じる。「メドゥーサの首を持ってこい」。メドゥーサはその顔を見た者を石に変える化物だが、ペルセウスはメドゥーサの首を討ち取る。▼その頃、エチオピア王国のカシオペア王妃。自分の娘アンドロメダは美しいと自慢。これに海神ポセイドンが怒って、エチオピア海岸にクジラの化物を放つ。困ったエチオピア王は仕方なく美しい娘アンドロメダを生贄に捧げようとする。クジラの化物が娘アンドロメダに襲い掛かる瞬間、青年ペルセウスはメドゥーサの首を使い、クジラの化物を石に変える。青年ペルセウスは娘アンドロメダと結婚する。夜空のペルセウス座とアンドロメダ座は隣どうし。

    アルカディア。理想郷。牧人たちが住む。そこに墓があり、墓石に「我はアルカディアにあり」と刻んである。理想郷においても死からは逃れられない。

    美少年ナルキッソス。泉の水に映る自分に恋をする。自分と恋仲になることを望んだが実現せず。死んで白い花(水仙)に姿を変えた。スイセン(水仙)の花言葉はうぬぼれ・自己愛。

    **************
    素晴らしい英雄の時代。悲惨な鉄の時代。労働は尊い。▼用心は所有とともに増大する。『労働と日々』

  • 古代ギリシャの詩人ヘシオドスの叙事詩であり、ギリシャ神話の最重要原典の一つである『神統記(Theogonia)』の日本語訳。宇宙の生成から神々の誕生、主神ゼウスの王権確立までを歌った内容を、格調高い訳文と詳細な注記で送る。
    本書は、West. M. L., Hesiod Theogony (Oxford, 1966)を底本とするヘシオドス『神統記』の全訳である。ギリシャ神話を語った文献の中でも最古層に位置する本叙事詩は、カオスから始まる宇宙の創生、ティタン神族とオリュンポスの神々との抗争、そしてそれらを経ての主神ゼウスの王権確立を高らかに歌い上げたものである。
    この叙事詩では数多くの神々の系譜や、著名なエピソード(ティタノマキア、プロメテウス神話など)が語られている。だが、詩人が本叙事詩で歌おうとしたのは単なる神々の系譜や伝説ではない。ムーサ(詩歌女神)から詩の霊感、「真実に似た虚偽」ではなく「真実」を授かったヘシオドスが『神統記』にて為そうとしたことは、正しく善き宇宙(コスモス)の確立者、全知全能たる正義の具現者ゼウスの称揚にこそあった。それを踏まえて本叙事詩を見てみると、詩人が諸々の神話をどう捉えたのか、そして何を新たに付け加えたのかが見えてくるだろう。
    本書は文庫という形式でありながら、詳細な注記や解説が付けられている。巻末には神々の系譜図や神名索引も掲載されており、まさに決定版と言えるものである。

  • 紀元前八世紀の詩人ヘシオドスのギリシャ神話叙事詩。神々誕生の軌跡を描き、統治者としてのゼウスを賛美する。

    覚えきれないほどの神々の名前が次々と列挙される本作。基本的にどの神からどの神がどういう経緯で生まれた、ということが延々と書かれるだけなので、読み物としては面白く感じないかもしれない。しかし本編に加えて巻末の系譜図と索引に一通り目を通すと、非常にややこしかったギリシャ神話の神々の全体像がスッキリと見えてくる。ゼウスやヘカテを賛美しすぎているきらいはあるが、ギリシャ神話を統括して頭に入れていく上でかなり役に立つ、目録みたいな本といえるのではないか。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707891

  • ホメロスと並ぶ人類史最古の物語を書いたヘシオドスの神統記。

    世界中にモデリングされたストーリーの原型となるものの一つだ。

  • ヘリコン山の詩歌女神たちの賛歌から歌いはじめよう
    から始まる美しい歌。ゼウスを称える歌。

  • 「借」(大学の図書館)

    ギリシア神話の基礎的なテキスト。
    短いし、読みやすいと思う。

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