嘘から出た誠 (岩波文庫 赤 245-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224533

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  • アルジャノンが伯母を接待する準備中に友人のアーネストが訪れる。アーネストの本当の名前はジャックだとその日判明する。ジャックは田舎では本名を名乗り、ロンドンに何かと問題を起こすアーネストという弟が事にしていた。そしてロンドンではアーネストと名乗っていた。

    そこへ伯母とその娘のグウェンドレンが到着する。ジャックはグウェンドレンに結婚を申し込みOKされるが、アーネストという名前だから結婚するのだと言う。改名を考えるも伯母に猛反対される。

    数日後、今度はジャックの田舎の屋敷にアルジャノンが弟のアーネストと名乗って現れ、ジャックが後見している娘、セシリーに一目惚れして、その日のうちに婚約してしまう。そこへジャックが帰って来て、アルジャノンを見つけて怒り心頭。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    未読だと思って買ってきたら、新潮文庫から『まじめが肝心』というタイトルで出ているのを何十年も昔に読んでいた。ただ、最初にアルジャノンが胡瓜サンドイッチを食べてる事しか記憶になかった。

    読んでみれば、何ということもないラブコメ。日本のトレンディードラマでも二組ないし三組のカップルがわやわやしながら結ばれる…というパターンはラブコメの定石だけど、19世紀からそういった傾向はあったのですね。

    ここではジャックとアルジャノンが実在しないアーネストという人物になりすます訳だけど、実在架空問わず自分以外の誰かになりすます…というのはイギリスの小説や戯曲にはちょくちょく出て来ますね。それこそシェークスピアの時代から。フランスの小説や戯曲では滅多にお目にかかれない、イギリスならではの特徴でしょうかね。。

  • 岩波文庫2019春のリクエスト復刊。戯曲。タイトルが違うので未読の作品かと思っていたのだけど、実際は別の文庫で既読の「まじめが肝心」と同じ作品だった・・・。原題は「The Importance being Earnest」。Earnest(アーネスト)は人名であると同時に「真面目、真剣、熱心」等の意味があり、原題はそこにひっかけたダジャレらしい。内容からすると「嘘から出た誠」は意訳ながら的を得てはいるけれど、本来の意味(直訳)は「まじめが肝心」のほうがたぶん合ってる。

    まあそれはさておき。オスカー・ワイルドというと「サロメ」や「ドリアン・グレイ~」筆頭に耽美・頽廃のイメージが強いけれど、こちらはドタバタ喜劇。

    29才独身、ジャック君は、田舎に地所があるけれどほぼロンドンで暮らしている。ロンドンではアーネストと名乗っており、田舎では都会で遊ぶ言い訳に、放蕩者の弟アーネストがロンドンにいて~と作り話を。それを聞いた悪友のアルジャノンはジャックの弟アーネストになりすまして田舎のほうに現れ・・・。

    要は存在しない弟を捏造、しかも自らもその名前を名乗っていたことから、架空のアーネストをめぐって誤解、混乱をまねくけれど、最終的にはジャックの出生の秘密がわかり、まさかの、嘘として言ったことが実は全部本当だった!という構成。最終的に二組、いや三組のカップルがめでたしめでたしの大団円で、とてもよくできている。

  • 面白かった!
    宝塚の役者さんの声で話がは動いていました。
    テンポが良くて読みやすいです。
    100年も前にこんな喜劇を書いていたなんて驚きです!
    笑いが止まりませんでした。

  • 大成功を収めた喜劇。青年ジャックとアルジャノンの恋の行方を描く。ワイルドをイギリス劇壇の頂点へと導いた喜劇である。彼に批判的であった雑誌も本作に関しては兜を脱がざるをえなかったほどである。細かい内容は本書を読んでいただいたほうがいいだろう。本作のタイトル「嘘から出た誠」はなるほど、この作品のタイトルとしてぴったりである。

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