動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

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制作 : George Orwell  川端 康雄 
  • 岩波書店 (2009年7月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003226247

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動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読みやすくて、訳が良かった。当時のスターリン政治を風刺したのかもしれない、今読むと北朝鮮の政治体制を思い浮かべて読めるかもしれない。でも、他人事なのだろうか?自分たちが生きるこの体制はどうなの?と、思わずにはいられないのだ。

  • 人間に完全に支配されている動物たちの蜂起は、はじめ平等と平和という理念のためでしたが、反乱が成功してからはちょっとずつ変容していく。知識階級が牛耳るようになっていくのが悪い方向へ行く徴候なのだけれど、外敵がいるから知識階級が指示をだしたり計画を練る立場にならざるをえないんですよね。そして、知識層の「ぶた」たちには公共心が薄いところが、他の動物たちにはみえていなかった。知識階級が権力を手中にするのをためらわず、そしてその権力欲と支配欲を詭弁をつかってめくらまししつつ、いつのまにやら支配体系ができあがっていく。平民にはわからないインテリ言葉で彼らを欺きながら、ウソも用いて、洗脳とも言えるようなことをし、さらに暴力で脅かして掌握するという方法。ソ連とスターリンの風刺だそうです。人間、頭が回らない老人になっても「ずるさ」ははっきり残るひとには残るし、頭の回転が速くて人生の全盛時にいるようなひとも「ずるさ」から離れられないひとは離れられないし、そういうひとたちって多いと思う。公共心の有無だとか強弱ですかね。人間の「ずるさ」という根本的な性質が、共産主義なんかを成立させないポイントだと思ったり。そういうのもありますから、インテリ層が力を与えられて、計画を練り政策を行うということになったとき、彼らに求められるのは、公共心をはっきり持てないならば、「善いことをしているときには、悪いことをしていると思ってやんなさい」という吉本隆明的、ポール・ヴァレリー的姿勢なんじゃないか。動物農場のインテリ層が権力を牛耳り始めたのには、「俺たちは善いことをしているのだから、ちょっと悪いことをしてもいい」というモラルライセンシング効果が働いたとみることもできるんじゃないだろうか。そして、それは、ソ連にも当てはまるのかもしれない。根本的な「ずるさ」とモラルライセンシング効果が重要でしょうか。反乱をおこして、外敵がいるからインテリ層が指導します、としても、そこで権力をふところにしまいこむのが間違いだ。でも、そこで間違わないやつのいない世界がどこにあるんだ!?と思うほうなんですよね、ぼくは。

  • 私が学校で歴史を習う頃にはソ連はすでに崩壊していたので、当時の雰囲気というのは想像するしかなく、自分にとってはそれも難しいのだけど、付録の「出版の自由」を読んで少しだけこれが書かれた背景が分かった。
    もっと近現代史に関心を持たないと、だめだなぁ…。

  • 動物の話だと軽い気持ちで読んでたら、後半になるにつれて読むのがつらくなってくる。ぶたがひどい。第10章の衝撃ったらない。

  • 図書館カフェで開催されたビブリオバトルでこちらの図書が紹介されました。
    【配架場所】 図・3F文庫新書 岩波文庫 赤 262-4  
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=128136

  • ソ連の歴史について知らないと半分の理解になりそう。

  • (チラ見!/文庫)
    松尾堂 2013/2/17 百田尚樹お薦め

  • これはホラーだ。陽が昇っているうちに読むことをおすすめする。夜読むと眠れなくなる。それだけの不気味さと真実が、この本にはある。
    もう一度言う、これは、ホラーだ。

  • この本が出版された自体背景と合わせて読むと何ともすごい寓話だなぁ…と感嘆した。
    読みやすくて1日で一気読み。

  • 1985よりも読みやすい。昔の政府への風刺的な感じ。終わりがもっとスカッとする話だったら良かった気がする。だいたい次に来る内容が想像出来ちゃうのが微妙。

  • 可愛い動物の物語かと思ったけど、ものすごく奥の深い権力争いのお話だったのかな。ぶたと人間の区別が出来なくなる状態怖いー

  • ソ連の風刺を意識するというよりも、読みやすいという印象が強かった。昔、赤ずきんや、三匹の子豚を読んだのと、似た感じだった。話の展開がわかっている分、ナポレオンを始めとした豚たちの独裁と、それに振り回される動物の関係がストレートに読み取た。

  • シェークスピアの書くように「権力の弊害は、権に驕って反省を忘れたときにはじまる」の一言に尽きる。
    『1984年』に続くプロットは、一通り出揃っているので、先にこちらを読んでおくのも一向かも。
    ソ連批判として書かれた物語だけど、どの社会でも当てはまる物語だと思う。
    我々の社会も紙一重の場所にあると思える。

  • ジョージ・オーウェル「動物農場 おとぎばなし」岩波文庫 赤262-4

    「よつあしいい、ふたつあしだめー!」
    すべての動物の平等を謳って築かれた動物農場。

    人間に使われることなく、自分たちの幸せのために生きる自由を手に入れたはずだった家畜たち。しかし、夢にまでみたユートピアへの道のりは険しく、雲行きも怪しい…。

    お伽話の語り口調でありながら、ソヴィエト神話とスターリン体制を暴き批判した風刺文。

    お気に入りの一冊になりました。
    中身はもちろんのこと、表紙の絵と色遣いが好きです。

    オーウェルはこの物語を書いた動機として「誰にでも理解できて、他国語に簡単に翻訳できるような物語のかたちでソヴィエト神話を暴露すること」と述べている。

    これについては、今なお版を重ね、世界中で翻訳されるベストセラーとして知られていることからも間違いないのかもしれない。

    ただし、巻末の付録でも述べられているように、ジョージ・オーウェル自身も、ソ連についての知識はもっぱら本や新聞で得たものにすぎないということに注意したい(イートン校出るくらい賢いので、適当にwikiで調べたくらいとかそんなレベルで言っているのではありません)。

    もちろん、このお伽話でスターリン体制やソヴィエト神話について全てがわかるはずはない。しかし、わかったつもりにはなれる。

    こういった、込み入った話をデフォルメし、わかりやすく伝える形式はピクトグラムを用いたインフォグラフィックに近い。

    視覚を刺激し、心理的に訴えてくるが、必ずそこには押し込められて形を変えた事実がある。

    こういった本が広まることで、フワッとわかった風な人が増えてしまったことも事実としてあるのかもしれない。

    もちろん、僕自身もその一人なのでしょう。

  • Animal Farm A Fairy Story 1945          

     ジョージ・オーウェルの風刺小説であり、読むことで戦後の英国内のソ連神話の実態を目の当たりにできた。しかし、そのような当時の世相を書き写した事実よりも、この作品を読んで一番に感じたことは、勉強して知恵をつけることの大切さだ。
    ぶたのナポレオンの理不尽な独裁的農園経営に、搾取され続けた馬や鶏たち。ぶたの非道な行動に嫌悪を感じると同時に、他の動物達が革命を起こそうとしないことに少し苛立ちを感じた。革命まではいかずとも、ぶたの独裁に対してもっとはっきりと、強く異を唱えしたたかに行動できなかったものか。
    もっとも、字を読むこともできない他の動物達にそれを望むのは酷なことかもしれない。確かに、馬や牛たちのほうがぶたよりも力があっただろう。しかし、自分たちのより良い生活を考え、その実現に向けて行動する知恵がなかったのだ。

  • かの有名なジョージオーウェルの作品。初めは動物たちが力を合わせて農場を脱出するのだが、次第に彼らの間でも諍いが起きてゆく。これを読んで、大きな輪では、小さくなるごとにその中で争いを生むのかもしれない、と改めて思った。

  • ふらっと立ち寄った図書館で、題名に魅かれて ふらっと手に取った本だったのですが、まさかの面白さでした笑

    社会って、こうなってしまうのでしょうね。人間を追放した農場の中で、人間社会に存在する上から下までの様々な立場の人々を、ウマやブタやイヌなどの動物たちに置き換えて書かれたこの話は非常に興味深いものでした。

  • 小さな農場で劣悪な労働環境に不満を抱えた動物達が人間に対し蜂起する。

    人間対動物、としているけれど、実際に描かれているのは民族の軋轢と独裁政治。

    精神を誘導し、行動を制御していく独裁政治にいたるまでの過程とその維持の裏側が
    克明に描かれている。

    人間を動物に例えているものの、その残酷さは変わらない。

    これが今でもおきている国があること、
    そして人間の陥りやすい罠であることを忘れてはいけないと強く思った。

  • イギリスの農場で、動物たちが人間を追い出した。「すべての動物の平等」を謳って産声をあげた動物農場だったが…。社会風刺的寓話。

    動物たちが徐々にぶたを盲信していく様がリアルでこわい。動物の姿をして、優しい語り口で進むからこそ、ざらざらした読後感がある。

    ひつじたち「よつあしいい、ふたあしだめー!」時折挟まるひつじたちのこの台詞は唯一の癒しだった。
    最後の持っていき方は、作者のテクニックを感じた。

    ☆あらすじ☆
    「すべての動物の平等」を謳って産声をあげ た動物農場。 だがぶたたちの妙な振舞が始ま る。 スノーボールを追放し、君臨するナポレ オン。 ソヴィエト神話とスターリン体制を暴 いた、『一九八四年』と並ぶオーウェルの傑 作寓話。 舌を刺す風刺を、晴朗なお伽話の語 り口で翻訳。

  • 1984の後に。ソ連で起こっていることは一体何なのだと言うことについて、彼のスタンス・考えをこんなにも分かりやすく表現している。
    当時のロシア・ソ連についての知識がない自分自身が残念(;-;)

  • <閲覧スタッフより>
    【SF文学諸作品】
    国内外のSF小説黎明期から現代まで、定番を中心に様々な作品を集めました。中には映画化されたものもあります!お気に入りの一冊を探してみてください。

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    所在記号:文庫||933.7||オシ
    資料番号:10193966
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  • 翻訳の課題にて一部読んだのと、英語学習者向けのリライト版は読んだけど、最初から最後まできちんと読んだのは初めて。
    なので、旧ソ連体制に対する風刺・批判文学と思っていたのですが、改めて読んだところ、権力側だけではなく、民衆の無知・無関心への批判も強く現れている。
    歴史や合意の捏造だったり、民衆に対する洗脳だったりと、当時はソ連名指しの風刺だったのかもしれないけど、今となっては応用範囲が広すぎる感じもします。
    自分の頭で考えることって、大事。

    丁寧な訳注、そして付録の「出版の自由」「ウクライナ語版のための序文」、訳者に寄る解説もこの物語の理解の助けになります。
    もしかしたら逆で、物語が付録の理解を助けるのかもしれません。
    話の内容だけでなく、出版に至る経緯、時代背景をあわせて、とても興味深い作品でした。

  • イギリスの農場で、動物たちが農場主を追放し、自分達で農場を作ることを決めた。やがて動物たちは、頭のいい豚に指導されるようになり…という話。
    動物をそのまま労働者階級に言い換えれば、共産主義体制に対するパロディにもなるっていう算段です。
    読んでて共産主義体制ってもんがわかった気になりました。
    それにしても支配階級って大変なもんですね、批判しかされなくて。カリカチュアライズされてる支配者豚、ナポレオンの悩みなんぞを逆に読んでみたい気になりました。

    反共産主義のためのプロパガンダと読める向きもあるでしょうけど、この本は資本主義に対してもそんなにいいイメージで書いてはいないので、内容としては共産主義運営の批判を皮肉った小説として読むもんだと思います。

    正しい動物達(=労働者の国、=共産主義)の国の素晴らしさってものは、むしろ強く信じられている小説ではないでしょうか。

    ソ連もなきゃ中国もあんな感じの今現在では、労働者の国、各人がそれぞれの能力に合った労働をする国ってのもあんまりはっきりと輪郭を持っては見えてこないもんではあります。
    そこらへん作者もわかってて、おとぎ話なんて名付けているのかもしれません。

    余談ではありますが、Radiohead の名曲、2+2=5のPVの元ネタってこの小説ですね。あのPV、純度が高い暗さです。真っ暗。

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動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)の作品紹介

「すべての動物の平等」を謳って産声をあげた動物農場。だがぶたたちの妙な振舞が始まる。スノーボールを追放し、君臨するナポレオン。ソヴィエト神話とスターリン体制を暴いた、『一九八四年』と並ぶオーウェルの傑作寓話。舌を刺す風刺を、晴朗なお伽話の語り口で翻訳。

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)のKindle版

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