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- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003229422
作品紹介・あらすじ
ミュアの『スコットランド紀行』の姉妹編。『夜の来訪者』で知られるイングランドの劇作家・小説家プリーストリー(一八九四‐一九八四)が、一九三〇年代のイングランド各地の印象と人々の気質の違いを鋭い観察眼で描いた古典的紀行。本邦初訳。
感想・レビュー・書評
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カフェで読むのなら上巻。バーミンガムでの正直な述懐にまず好感。レスターでの、タイプライターの製造を見学するシーンなども、1930年代という暗い時代をほのかに照らす松明のよう。
「タイプライターを使って書いた小説ではなく、タイプライターが書いた小説があればどんなにいいだろう」(p.175)。
プリーストリーは旅路の途中、ブラッドフォード砲兵大隊の同期会に参加します。上巻でのハイライトです。第一次大戦で失った戦友たちを偲んで、
「たくさんの夢だけが生き生きとしていて、死者たちはその中を何気なく通り過ぎる。若き戦士たちは笑いかけながら通り過ぎていく」(p.236)
というくだりなど、紀行文としての重みがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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