群盗 (岩波文庫 赤 410-1)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003241011

作品紹介・あらすじ

18世紀後半、ドイツでは政治経済が沈滞する一方で文化・芸術が異常な活況を呈した。シラーはゲーテと共にこのシュトゥルム・ウント・ドラング期を代表する存在であり、処女作『群盗』は時代の記念碑である。失われた自由を求めるあまり盗賊隊長となって社会に抵抗する主人公カアルの心情は今も現代人の強い共感をよぶ。

感想・レビュー・書評

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  • さすがにフランツとカールの熱すぎる独白にはやられた。
    カウンターカルチャーの古典に入れるべき名作。
    ドストエフスキーが好きなやつ。

  • 非常に短く、読みやすい。好みの結末だった。

  • カラマーゾフの兄弟を読んでいる間に、シラーの群盗を読みたくなった。そしたらふらっと覗いた古本屋で、3冊100円コーナーで見つけたので買ってみた。

    シェイクスピアが大好きな青年の処女作と言われたら、たしかにそういう感じの戯曲だ。


  • 正義と絶望の間に生きる青年の、美しくも儚い姿を描いた戯曲。ぜひ本場の劇場で見てみたい。

  • 読む前から19の頃に書いた処女作だと知っていたのだが、知らなくとも若い人が書いたとわかったと思う。
    ストーリー自体は面白そうになりそうな要素を沢山持ちながらもどの方向にも広がり切らない。作中で提示される哲学は幼いし、若さゆえの憧れや酔いしているような部分が少なくとも自分の気質には合わない。しかし、五幕でそういったものを詰め込んで怒涛の勢いを見せられ、十分には納得できないものの最終的に悪くない印象で終わる。
    とにかく読みやすいし、文字だけでは伝わり切らないが娯楽としての盛り上がりを作れそうな部分は多々あるので、演出次第でそれなりに面白くなり得るものなのだとは思う。
    長年評価されてきている作品なので、さらっと一度読んだだけでは自分には読み取れなかった何かがあるのではないかとも思うが、何の情報もなく本文だけを読んだとしたら、それなりに上手で面白いが特別惹かれるところはない本だとレビューすると思う。

  • 宝塚歌劇団でシラーの「群盗」を舞台化するので読んだ。

  • 宝塚歌劇団がミュージカル化したので読みました。
    暗いこと暗いこと
    よく歌劇にまとめられたなと感心

  • 原書名:Die Räuber

  • シラーの代表作である戯曲。おそらく、多くの人にとって、文学史の授業で丸暗記させられるが読んだことはない作品の代表格だろうと思う。登場人物たちは、大げさな身振りで長口上をとにかく語る。そのいちいちが格好よくていい。これは訳者の影響もあるかもだが、メインキャストたちがひたすら熱い。この国ではキリスト教嫌いが多いから、終盤の展開に不快感を覚える人も多いだろうが、個人的にはこれもアリだと思う。

  •  三年ぶりくらいに読みなおした。
     ゲーテと並ぶ、ドイツ疾風怒濤期の文豪シラーの処女作にして最高傑作(だと思う)。聖人君子の主人公が弟の策略から暗黒面に堕ち、しかしそこから這い上がろうとするも、もがけばもがくほど大切なものを失っていくというストーリーだが、台詞回しや人物の思考はシェークスピアにかなり近い。もちろんシラー自身が意識してそうしているのだろう。
     実は、シラーはカント哲学に対してとある批判(”道徳的に生きる”ことに対して彼なりのパラドクス)を加えたりしている。一読前にそこに目を通しておくと、彼の考える正義と悪の背反が見えて面白いと思う。

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