夜の讃歌・サイスの弟子たち 他一篇 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003241233

作品紹介・あらすじ

夜と闇を讃える長編詩『夜の讃歌』。自然とは何かを問う哲学的小説『サイスの弟子たち』(挿話「ヒヤシンスと花薔薇のメルヒェン」を含む)。そして哲学的断章集『花粉』。『青い花』で知られる詩人ノヴァーリス(一七七二‐一八〇一)の哲学と詩が融合したアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 『青い花』を読んだのが随分前すぎてあまり覚えていないのだけど、書店でふと目があったので久々のノヴァーリス。

    表題作「夜の讃歌」は長編散文詩。最近こういうロマン派詩人みたいなの読んでなかったから、ちょっと馴染むのに時間がかかってしまった。夜と闇と眠りを称え、ギリシャ神話の神様たちの名前がごろごろ出てくるのに、なぜか最後はキリストが生まれて光のある世界になりましたーみたいなオチだったのは少々がっくり。

    ノヴァーリスは22才のときに一目惚れした12才の美少女ゾフィーと婚約(※現代日本ならロリコン認定)、彼女が16才になったら結婚する約束だったがゾフィは13才で亡くなってしまう。その悲しみが散りばめられている部分は、変な言い方だけど「わかりやすく共感しやすい」。死後の世界で再会したい的なオカルト的発想もまあ理解できる。

    一応小説になる「サイスの弟子たち」は、なんというか神秘主義的かつ哲学的。ノヴァーリスの父親は製塩所の工場長、ノヴァーリス自身も鉱山学校で地質学・鉱物学・化学等を学んでおり、一種の錬金術師的傾向というか、神秘主義の土壌があったのでしょう。ちなみにサイスというのは師匠の名前ではなくイシスの神殿があったとされるエジプトの地名だそうで。一応会話形式になっているのだけど「 」の中身が数ページにわたる長さなので誰が喋ってるのかほぼわからなくなる(苦笑)

    「花粉」はなんか、一種の格言集みたいな趣き。哲学的な断章が百十数編。

    ※収録
    夜の讃歌/サイスの弟子たち/花粉

  • 独特の読み心地があり、ここには大切なことがわかりやすく開かれてあるように思う。「花粉」の断章は大切なことを思い出させてくれる。作品も、その精神に貫かれて素晴らしい。

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