みずうみ 他四篇 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003242414

感想・レビュー・書評

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  • 萩尾望都先生の絵柄で情景が浮かぶ感じ

    サラサラの素通り感、これはこれでよいのかも?

  • 文章がきれいだ。森の中で香る清廉な空気みたい。表題である「みずうみ」はそのきれいさも相まって切なかった。

  • 新書文庫

  • この世でいちばんいいものは夜に集まり、夜明けとともに消えていくらしい。
    心に広がる湖は夜みたいに冷たく静か。蕾がそっと花開くように、水底でたゆたっていた記憶が不意に浮かび上がり姿を見せることがある。美しい秘密、失われた過去、望んだ未来。風が両腕を広げて湖面を駆け抜けるとき、今も昔も変わらない鳥の鳴き音と花の香りを波紋として刻印しながら無数の月光の欠片を散乱させてゆく。その一瞬の煌めきが清らかで貴いものとして私の目に映るのは、まばたきの闇のなかでしか捕らえることのできない永遠を重ねているからなのかもしれない。

  • ファウストの二部をよもうとおもっていたけど、時間がないので、薄めの本をチョイス。
    シュトルムは1817-1888。1800年代は正直偏見がある。神学神学しすぎていて「結局神オチかよ」となることが多いのかな?という感じ。だからあまり読んでいない。

    でも、いがいなほど、一般市民の生活だった。彼女のために詩を書いたり、研究に没頭してたら好きな子が結婚しちゃったり。いかにも素朴だ。神様に感謝しないし、自分の身におこったことを、いやしいくらい自分のものとして、きちんと悲しんだり喜んだりしている。
    「林檎の熟するとき」が好き。すごく短いんだけど。たんに男の子が、カップルの逢瀬を妨害するだけの話。なんにもならない。

    ファウストが1803年と1833年で、同年代なのに、こんなに「神のにおい」がしない小説があるものだな、と思った。



    すごく素朴だし、土地にゆかりの作品。土地への拘りは普遍的な感情だな。

  • 叙情味溢れる。

  • 翻訳モノは普段苦手でほとんど読まないけど、これはマンガのなかで取り上げられていたことがあって読んでみたいと思っていたし、薄いからこのくらいなら、と思って読んでみました。
    思っていたよりもサラサラっと読めた印象で、情景描写が美しかったです。表題作のみずうみも良いけど、広間にて、が結構好きでした。
    でもやっぱり、翻訳モノは苦手だなぁと再認識。

  • 透明感溢れる、みずみずしい文章。
    時を慈しむような、丁寧な短編がいくつか収められている。

    しかし彼の描く少女は、いかにもロマンチストな男性が思い描く美少女といった感じで、女性から見れば表面的に思えるかもしれない。
    ファンタジーとして読めば問題なく耽溺できる。

  • ただただきれいです。

  • 野村美月先生の「"文学少女"見習い」で、ヒロイン菜乃ちゃんが
    読んでいて、気になって読んでみた1冊です。
    動機が笑うものの、クラシック文学は久々に読みました。

    シュトルム氏は作家というよりは詩人
    (解説によれば本職は判事)なこともあり、文章は
    凝りすぎておらず、かつ詩もちりばめられていて、とても綺麗。
    ただ、ドイツ語で書かれていたはずなので、ドイツ語だと
    もっと深いものがきっとあるんでしょうね。
    綺麗にまとめられている物語も、詩的です。

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