- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003243336
作品紹介・あらすじ
一家の、かつての明るい健康な気風は徐々に頽廃的なものに変ってゆく。トーマスにとってとりわけ息子の繊細な心と弱々しい肉体は気がかりであった。少年はわが家の系図を見つけ、その末尾にある己れの名の下に線を引く、他愛ない悪戯心からだったのだが。
感想・レビュー・書評
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2021/10/8
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ひさびさの長編読破.ブッデンブローク家の没落を描くトーマス・マンの最初の長編.読み始めてから40日ほど.私にしては異例のハイスピードで読了.特に上巻,中巻はトーニのキャラクターに牽引されて,非常に面白く読めた.人物一人一人がいきいきと描かれて,心理描写もにくいくらいうまい.さまざまなエピソードもからまり合いながら,やがて没落を迎える家族の歴史の一つ一つを形作っている.
ここからは思い出.わたしは大学の教養の授業でこの本の講義を受けた.当然読まされたわけだが,上巻の半ばで挫折した記憶がある.その当時は読む力がなかったんだろうな.長じて,この小説が北杜夫,辻邦生の愛読書だったことを知り,いつかは読みたいと思っていた.というわけで読了できて幸せである.生きていれば少しずつ願いが叶うということか.確か,訳者は北杜夫,辻邦生の松本高校時代のドイツ語の先生.あとがきにも斎藤宗吉君への謝辞がある. -
原書名:Buddenbrooks
著者:トーマス・マン(Mann, Thomas, 1875-1955、ドイツ、小説家)
訳者:望月市恵(1901-1991、安曇野市、ドイツ文学) -
出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
あるドイツのブルジョア家庭の4代にわたる変遷と衰退を描く。 -
ブッテンブロークスついには滅びぬ。ラストの描写方法は秀逸!そしてついに街から逃れられなかったトーニ、過去の栄光にしがみつくトーニを思うとやっぱりリューベックに行こうと思う。今はみどころを1日でまわれてしまう街。
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一族の栄枯盛衰には、読者の心に哀愁を感じさせる何かが存在するものです。家族の没落を見事に描いてみせたこれぞまさに物語の中の物語と言えるでしょう。
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楡がブッデンブロークに先んじるってのは、結構マイノリティじゃないのかな?世界的には絶対そう。