ハインリヒ・ベル短篇集 (岩波文庫 赤 452-1)

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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003245217

感想・レビュー・書評

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    『戦争という苛酷な運命にまきこまれた人々の人生はいかに踏みにじられていったのか.また,戦争は,人々の現在の生活や心の中にいかに深い傷跡を残すものか.第二次大戦での従軍体験をもとに戦争とその後遺症を描いた初期短篇を中心とする二十篇を精選(うち本邦初訳十三篇).諷刺とユーモアに満ちたH.ベル(1917-85)珠玉の短篇集.』(「岩波書店」サイトより▽)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b247803.html

    目次
    旅人ヨ,スパルタノ地ニ赴カバ,彼ノ地ノ人ニ……/長い髪の仲間/あの頃オデッサで/ルネおばさん/橋の畔で/別れ/知らせ/×町での一夜/並木道での再会/闇の中で/ローエングリーンの死/商売は商売/ろうそくを聖母に/黒羊/フレットおじさん/笑い屋/正義の人ダニエル/ムルケの沈黙収集/首都日誌/廃棄係り


    著者:ハインリヒ・ベル (Heinrich Böll )
    訳者:青木 順三
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎312ページ

  • 図書館で。何で借りようと思ったのかは分かりませんが借りてきました。ノーベル文学賞を取られた方なんですね。それも知りませんでした。
    小説に対してリアルだったという感想はなんとなく的が外れている気がするのですが一言でいうとリアルな小説でした。すぐそばでその恐怖と殺伐とした空気を感じ取れるような、というか。そしてそんな空気の中で壊れるしかない人間の精神のやるせなさと不気味さみたいなものがこう、ひしひしと。長編は…調子が良い時しか読めそうにないけれどもそのうち読んでみたい。
    風刺の方はもう少し軽く、読める感じですがテーマは似たり寄ったり。
    そのうちもっとゆっくりかみしめるように読んでみたいな、と思いました。

  • 苦痛や悲惨さを殊更に強調するのではない
    淡々とした語り口によって
    また、ところどころにじっと潜む言葉の美しさによって
    戦争がいかに残酷で卑怯であるか示されているように感じる。

    後半の風刺ものでは
    「笑い屋」の虚無感がとくに響いた。

  • 戦争の話ていうのはいっぱいあるけどこれはほんとにいいと思う。

    ノサカアキユキは戦争のグロテスクさをおしだしすぎてて苦手だけど,ハインリヒ=ベルのは文学としても楽しめる

    政治とかを語るときに戦争,とひとくちに言うけど一兵士にとってそれは一体なんなのだろう?

    モノクロの無機質な廃墟が目に浮かぶ本。

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