- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003251140
作品紹介・あらすじ
恋の女神ヴェニュスの呪いを受け、義理の息子イポリットに禁断の恋を抱くアテネの女王が、自らの恋を悪と知りながら破滅してゆく「フェードル」。トロイア戦争の後日譚で、片思いの連鎖が情念の地獄を生む「アンドロマック」。恋の情念を抗いがたい宿命の力として描くラシーヌの悲劇が、名訳を得てここに甦る。
感想・レビュー・書評
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ラシーヌの代表的ギリシャ悲劇、「フェードル」と「アンドロマック」。アリストテレスの時代から読まれ、現代の日本でも公演しているところが名作の所以。悲劇の普遍性を感じる。
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原書名:Phedre, Andromaque
アンドロマック
フェードル
著者:ジャン・ラシーヌ(Racine, Jean Baptiste, 1639-1699、フランス、劇作家)
訳者:渡辺守章(1933-、東京、演出家) -
真実
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「アンドロマック」と「フェードル」の2篇の戯曲を収録。いずれも古代ギリシャのエウリピデス古典劇の翻案。個々の台詞が長いのは、これらが韻文で書かれており、したがって語られるのではなく、朗誦されるような調子だったのだろう。したがって、シェイクスピア劇のようなドラマティックな要素にはやや乏しい。葛藤が劇を新たな地平に導いて行くといった手法をとらず、個々の登場人物たちの背負う運命そのものが劇を規定していくのである。それは、叶わぬ恋であり、さらに「フェードル」においては、彼女の妬情が若きイポリットを死に至らしめる。
ラシーヌは、日本に当てはめれば元禄時代人。近松の初期とラシーヌの晩年が重なっている。葛藤を激化する近松はシェイクスピア型。ラシーヌは、むしろ能に近いかもしれない。 -
テアトル・ヴィディ・ローザンヌの「フェードル」を
観た後、購入して余韻に浸ったが、
改めてストーリーを追うと、
道理を引っ込めても無理を通そうとするフェードルって怖い。 -
訳がイマイチなんだよなあ。ちょっとナルシスティック。
でも物語自体は素晴らしい。 -
あー自分頑張った。良く読んだな笑。もう、文体(?)がえっらい…なんなんだ。オペラをそのまま本にしたみたいに全編歌でいけそうでした。話的にはまあよくあるっちゃあるっていうか。傍観して読んでいる私は「バカめら」と思ってしまいました。当事者は必死。あたしはひんやり。
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授業の参考文献として読んだ本。
「アンドロマック」それぞれが片想いという4つ巴の話。
地位のせいで誰もが身動きが取れない。
感情は募る一方、行動を起こせば結果悪い方向へ、、、
登場人物のセリフのみで構成されるこの手の本はほんと読むのに時間がかかる。
先ず登場人物がなかなか覚えられないから大変。。。
フェードルは読みきれなかったからまた次の機会に。
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悲劇。世阿弥がよき能につき定義した「本説正しく、めづらしき風体にて、詰め所ありて、かかり幽玄」と目指すところが同じだろう。「アンドロマック」より「フェードル」のが好きだ。ただ、愛憎の一元を描く小説的、ロマネスクともいうべき点に限れば、アンドロマックのが好き。また、多くの注釈があるとはいえ、ギリシャ神話について全く知識がないと若干厳しい(だからこそ古典悲劇なのだからやむをえないが)。プロットもよいが、同時に特に女性の心理描写が、素晴らしい。「逃げるようにしてどちらへ?」などは心理的弱点を衝く華麗な駆け引きだし、破壊的な嫉妬の情念およびそこから破壊への情念へと至る変容の描写はラシーヌの独壇場だろう。 以下、若干ロラン・バルトに負うが、ラシーヌにとって「運命」とは何よりまず人間を捉えて放さぬ「情念」なのだと考える。したがって、ラシーヌ悲劇の主人公達は運命に操られる人形ではない。彼らは運命たる情念には対抗しえないが、その情念によってなお多くのことをなしうる。そしてその「情念」とは、「ああ、愛しているのか、憎んでいるのか、それさえ知ることができないのか?」に顕著なように、愛と憎しみであり、これが情念を進める両輪であろう。また、ラシーヌが「幸福なる少数者」に対してのみ劇作すればよかったのは、人類にとっての幸せだったと思う。なお、シェークスピアとの違いを論ずれば、ラシーヌが古典主義をとる以上、個人的に気になるのは、三単一の規則における「時の単一」だ。これは、一昼夜に劇中の時間を収めなければならないという規則だ。無論、ラシーヌがこれを遵守しているのは理の当然であり、一見シェークスピアもこれを守っているかに見えるが、後者は「オセロー」「ヴェローナの二紳士」その他に代表される「二重の時間」を使っている点で極めて興味深い。
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アンドロマックは、トロイ戦争後の4人の男女が織り成す情念の連鎖。
・・・ていうか誰か一人でいいから「人の話をちゃんと聞く」ということを覚えたほうがいいと思いまーす!
って言いつつ好きですこの話。